11.薬剤の話②

投与量を体重で計算

小児を対象とする診療科では内服薬の処方は投与量を体重で計算するのは必然の事になる。この作業はなかなか単純にはいかない、というのは、薬剤の性質により年齢による代謝能力の差や、遺伝的に規定されていると感じられる抗ヒスタミン剤の眠気に対する差、体重とリニアな関係で投与量を考えなければならないものなどなど。

紙のカルテの時代には

いわゆる「さじ加減」という言葉があてはまる世界、先輩医師の処方をコピーして、薬剤の能書に書いてある数字との違いを学んだり、実際に投与しての患者の反応から学習したりしてさじ加減を学んだものだった。実際の処方では、体重 x 投与量/kg を全てきちんと掛け算をして一つ一つの薬剤量を記入したものではなく、1歳ならこのくらい、3歳ならこのくらい、この子は体重が多いから、少ないからという変更を人間がやるレベルでやって良い結果がもたらされる経験値を上げていったものだ。

電子カルテでの処方

薬剤のデータベースから投与量を得る、体重は測定したものや、平均体重から算出したものがあるので、その掛け算で答えがもたらされるはず。しかし、現実にはユーザが何も設定(決定)しないでこの答えは得られない。

薬剤データベースの投与量は8から12mg/kg症状に合わせて適宜。などと書かれている。中央値を選べば大体良いレベルだ。

そこでWineStyleではどのような方法をとっているかといえば、

スクリーンショット 2019-09-24 14.14.15

この画面コピーにあるような設定方法をとっている。こうヒスタミン製剤のペリアクチン散の場合だ。プロキロ0.3mgを基本に設定して、体重別投与のモディファイカーブにAntiHistamiCdrugSettingというものを選んでいる。これによってさじ加減を実現できている。私は、このモディファイ設定を6種類使っていて、私の使用する体重別に投与する薬のさじ加減を設定している。WineStyleが提供する基本3セットに加え、ユーザのさじ加減にあうものがなければ何種類でも設定できる。最初、この設定は面倒かもしれないが、これを設定すれば、体重別設定の薬剤を5種類、またはそれ以上の処方セットを作っておき、患者ごとの体用に気を使う事なくユーザのさじ加減を反映した処方を一瞬で決定することができる。

毎日何十人にも投薬を繰り返すのに、ストレスもなくなり、間違いもなくなり、紙のカルテで行なっていた手書きの処方より、より細かくさじ加減を表現した処方を決定できる事になる。

このレベルの処方を出力できる電子カルテを私はまだ見た事がない(世のカナには存在しているかもしれないけど)。今、説明したもの以外にも、年齢や体重でバッサリ2段階に切った投与量を求めるものある。それにも対応している。

WineStyleはあなたのさじ加減を設定できる電子カルテなのです。紙カルテで学習していないとあなたのさじ加減と言うものが初めからない場合もあるかもね(笑)

おまけ

FaceBookの広告で某クラウド型の電子カルテのガイドブックの請求をクリック登録したら、さすが、現代のネットビジネス、ガイドブックのリンクアドレスのメイルが届いたあと、早速電話もかかってきた。正直にこちらも電子カルテ製作者です、クラウド電子カルテがどのような方向に向かっているのかを知りたくて、資料請求しましたと話、友好的に意見交換をしました。

クラウド型に対してオンプレミス電子カルテに入るWineStyle、私は辞書を引きましたよ。on premise、英語不勉強な私、学習しました、pre(前に)mise(置くこと)から敷地内、構内、店内と言う意味。on-premiseは、情報サービスを,自社内のハードウエアとソフトウエアによって運用する方式。自社運用型。だそうです。以前は、stand aloneとか言ってたけどな。

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