13.薬剤の話③

投与量の表示に対するユーザのこだわりがある。特に散剤の場合。粉薬を調剤する時ってどうやるのかっていうと、

ペリアクチン散1%  6.0mg

メジコン散10%.      0.4g

   舞食後 3 x 3 日分

という処方があったとすると、表記によって計る量って計算するわけです。この例の場合、ペリアクチン散は力価表記、メジコン散は実量表記が混在しているのです。ペリアクチン散6mgは実量0.6gになるので、3日分ですから1.8gを計りで計測します。計ったらそれを薬剤を混ぜる乳鉢に入れます。次にメジコン散を1.2g計り乳鉢に投入、それを混ぜた物を、3 x 3の9つに分包するので、目分量で均等になるように分けます。それを分包機で9つの袋に分けるという流れです。計りの精度も今はだいぶ上がってきて小数点以下2桁まで計れますが、上皿天秤の計りを使っていたときは小数点以下一桁が限界。今も上記の流れだと小数点以下2桁の指示が結果との結びつきがどうかな?というところ。測定誤差も考慮して薬剤の種類により製薬会社も濃度を考えて作っています。

WineStyleを作り出した頃、投与量は小数点以下一桁で収まるように体重で計算した量(体重当たりの投与量もかなり大きな幅が許されている)を丸めて表示するように設定できるようにしてあるのです。

しかし、こだわりのあるユーザはいるわけで、小数点以下二桁の表示を望む声もありまして、薬剤ごとに細かい設定をできるようにしてきました。同じ薬剤に対して皆が同じこだわりを持つわけではないのが現実です。複数を医師が診療しているところで同一の患者さんを違う医師が診療するとWineStyle上での表記にズレが出てくることがあります。

DrugForPrivateというレコード

このレコードは、各ユーザの設定した薬剤ごとのレコードで、体重あたりの投与量や用法、丸め量、体重で計算するのか、表示を小数点以下一桁、二桁、三桁にするのかなどなどのデータが格納され、当該薬剤を処方するときはこのデータによって修飾された結果を処方箋に表記しています。

DrugForPrivateを設定しないユーザ、例えばパラメディカルのスタッフは参照はしても処方する事はないので、設定する事はありません。その場合は表示する時自分で設定したものがない場合は施設内でその薬剤に対するDrugForPrivateを検索してそのフォーマットで表示すれば良いので、クリニックで医師一人、パラメディカル数人のところは表示は統一されます。

複数の医師が存在するとなると複数のDrugForPrivateを管理する必要が出てきます。この問題が最近強く指摘され対応することになりました。

処方の記録

処方の記録を考えると重複するものが極めて沢山あります。例えばペリアクチン散は1mgから15mgまでの15種類、それに用法が違ったとしてもせいぜいその3倍くらい、これが何十万と処方されるので、記録はその物へのポインターとしています。処方のセットにしてもユーザ個人の傾向がありますので、有限個ですので、これも内容が同じならポインターで示すようにしてあるので、データの数は膨大にならないで済んでいます。このデータを再利用するためにデータに医師のコードは含まれていません。

問題の解決

処方記録の内容からだけだと、過去の処方を表示する時の問題解決ができません。気がついてみればそれほど難しい事でもありませんでした、処方を表示する時というのは、ある患者さんのある日の処方を表示なので、そのカルテを記載した医師のコードは処方の記録とは違うレコードですが存在します。処方表示の流れにそのコードを渡し、DrugForPrivateを検索する順番の先頭に医師コードから参照する事で、どのユーザがどこで処方を表示しても、処方医のこだわりで設定した項目があっても、そのこだわりを参照して表示されるようになったのでした。めでたしめでたし。

自己責任とは

今回、自己責任とは自己の行った行為に責任を持つというだけで済ませてきた考えを、他人の責任も尊重することが付け加えられた展開でした。

おまけ、Catalina

Catalinaがリリースされて数日経ちました。GMの時ですらちょっとソケットの接続が安定していなかったのだけど、正式版はそれも改善。毎年のバージョンアップで思うのだけれど、Appleのエンジニア達、今まで動いていたものにも手をつけRefactoring していることに感心する。さあ、私も頑張ろう。そうそう、NetflixやPrime Video楽しいのだけど、時間を吸い取られるので、今週から自己制限を加えることにしました。さてどうなることやら。

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ナイトモード、ほぼ足元真っ暗な道。

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暗い線路脇からのナイトモード、電車は露光時間内に自分の真横に来ているのに、単純に全部画像を重ね合わせて作っているのではないのがわかる。

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10月6日の日曜日、ハードなレースをショートハンドでこなしたあと。

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