線状の光

ばったり会うと楽しかった
前もって約束なんてしたことない

君の左の薬指に線状の光が煌めいたとき
ぼくの理性は消えそうになった

かろうじての突っ込みも
ぼくの笑顔は凍っていることを
鏡なんかなくても
ぼくはわかっていた

約束なんてしたことない
ときどき偶然会うだけ
連絡先も
君のフルネームさえも
ぼくは知らなかった


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