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前期レート2位、現レート圏外による「反省記録」



1.まえがき

※本記事では投げ銭方式を採用していますが、基本全文無料です。お気軽にどうぞ。

 こんにちは、Wind(@Wind_perSec)です。前回の記事から大分空いてしまいましたが、今回で2回目の投稿になります。本記事は、Ratings for Shadowverse第15期(前期、後期)の両方でレート杯進出(16位以内)を果たしたにも関わらず、第16期の両方でランキング(100位)圏外となった筆者が、その反省点をまとめたものとなっています。あくまで自らの思考を言語化して整理するべく本記事を書いているため、「こうすれば勝てます!」と皆さんに勝ち方を伝えることは難しいかもしれませんが、皆さんがシャドウバースをプレイするうえで参考になる部分があれば幸いです。


2.何故レート第16期で勝ちきれなかったのか?

 最初に、私のRatings for Shadowverse第15期及び第16期の戦績を記載します。

レート

 このように、第15期でレート2000以上を達成して調子に乗っていたのも束の間、第16期で洗礼を受けたことが分かります。試合数は1回あたり136試合~300試合と、レート杯進出を狙う上では決して多くありません。しかし、私自身が学生の身であることも踏まえると、レートができる時間はある程度限られているため、現実的な範囲(経験則では200~300戦)で勝率向上を図る必要があります。そのため今回は、最低限200試合取り組んだ第16期後半戦のデータ及び所感を基に、反省点をリストアップしていきたいと思います。

 さて、私が第16期で勝ちきれなかった原因ですが、真っ先に思いつくのは

「対面のデッキに対してどうプレイすれば勝てるのか」を確立しておらず、言ってしまえばその場しのぎでプレイを選択していた試合が大半だった。そのため環境の理解が不十分なまま時間が過ぎていき、気づけば勝率が右肩下がりになっていた。
大局観の不足

これです。というよりも、これに尽きるといった方が正しいかもしれません。実は第15期以前から薄々感じてはいたのですが、どうも私は「自分の感覚任せ」でプレイすることが多いようで、その感覚がずれていたとき(自分の感覚的な環境認識が誤りだったとき)に修正する術を持っていませんでした。そのため、今回勝ちきれなかったのは今まで見て見ぬふりをしてきた自らの欠点が如実に響いた結果ということもできます。
 これを踏まえて、具体的な反省点及び解決策について話を進めていきます。


3.大局観の不足

 まずは、自分が使用していたデッキの情報を基に考察します。第16期後半戦で私が主に使用したデッキは、AFネメシスラストワードネクロマンサーです。今環境において最も使用されていた2デッキ、すなわちTier1デッキと言っていいでしょう。序盤こそアクセラレートロキサス背徳バアルヴァンパイア清浄ビショップなども使用していましたが、20回程度の使用でそれらに見切りをつけ、比較的早い段階でデッキを固定しました。それぞれのデッキの戦績は下の通りです。

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 ...決して勝率が低すぎるというわけではないものの、レート杯進出ライン(65%弱は最低でも必要だと思われる)には達していません。そもそもネクロマンサーに至っては総合勝率が60%にも達していないため、明確な敗因がありそうです。因みにネクロマンサーの使用回数がネメシスの約半分なのは、デッキを固定する前の持ち込みが「AFネメシス+ネクロマンサー以外のデッキ」だったからです。


3.1 AFネメシス

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 第16期後半戦において私が最も長く使い続けたデッキであり、勝率も最も高かったデッキです。上のリストは最終的に使っていたものであり、このリストになる前はガジェットユーザーが2枚ほど肉球シュートに変更されていたり、始原の竜・バハムート1枚が水銀の遮断になっていたりしました。(今思うと、何故ガジェットユーザーを削っていたのかがよく分かりません。余分なバハムートギガスファクトリーといった事故札を入れ替えて手札の質を安定させることが出来ますし、本体のカードパワーも高い上に序盤の動きにもなるので、いいことだらけです。肉球シュートを採用するにしても、デバイスチューナー水銀の遮断を削るべきでした。)

 しかし、本題は構築ではありません。上の戦績を見て分かるように、ネクロマンサーネメシスという2大巨頭に対して勝率が60%を割っています。試合数に差こそありますが、他の対面と比べても露骨に勝率が低いです。したがって、Tier1デッキに対する大局観が確立できていなかった可能性は高いといえます。では、何が出来ていなかったのでしょうか。ずばり、

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ギガスファクトリーです。このカードを上手く使ってやれませんでした。正しくは、このカードの有無がどれだけ対ネクロマンサーの勝率に直結するのか分かっていませんでした。置くだけで無限のリソースと毎ターンの盤面処理、更にはPP回復まで約束してくれるカードですから、当時の私でもこのカードが対ネクロマンサーではキープ対象だということくらいは分かりました。ですが、相手の盤面が強いと感じた時に、置くのが怖くなって盤面処理をした試合が多かったように感じます。盤面を放置したら次のターン確定で負けてしまうような状況(例:ナイトメアイーターが5体並んだ状態)ならともかく、死門を繋ぐ者ゴシックリーパー+αのような盤面でギガスファクトリーを置くのを躊躇していたら、勝てる試合も勝てません。

 例え返しのターン(先6)でセレスト・マグナがプレイされたとしても、アームメカニック終末の番人・スピネガジェットユーザーがあれば盤面処理自体は可能です。またセレスト・マグナがプレイされない状況(相手の盤面が埋まっているときや、ネメシスが先行のとき)であれば、例え残り体力が1点のところからでも逆転しうるパワーを秘めています。パラダイムシフトを既に複数枚持っているときには、盤面全処理+エッジアーティファクトによる体力回復+プロテクトアーティファクトミスティックアーティファクトによる守護展開までを1ターンで出来てしまうのですから、恐ろしいカードです。これが決まってしまえば勝利は目前です。セレスト・マグナなど置けたものではありません。

 よって、ネクロマンサー対面では「ギガスファクトリーを意地でも置かなければいけない」という信念が足りなかったことが主な敗因といえそうです。しかし、ネメシス対面ではどうでしょうか。今期のAFネメシスミラーは、明確な先行有利であると言われています。実際にレートでミラーマッチをやってみたところ、上の戦績が示すように先後差は歴然でした(先行勝率77.41%、後攻勝率32.14%)。これ、もう少しどうにかならなかったのでしょうか?

 AFネメシスミラーの先行側は、基本的に序盤からマナカーブ通りに動いてパラダイムシフトを集め、パラダイムシフトのコストが十分に下がった段階でブリッツアーティファクトを連打するだけで大体勝利してしまいます。バハムートがあれば更に楽になります。先3のアーティファクトシップアクセラレートなど、後攻側が盤面に干渉しにくくなるカードがプレイされると体力がどんどん削られるため、後攻を引いたときに「気づいたら相手の盤面がそこまで強くないのにギガスファクトリーが置けない」状況になることも多かったです。

 また、相手の「ブリッツアーティファクトバハムート」のリーサルを回避するためにはプロテクトアーティファクトなどの守護を立てる必要があります。しかし相手が既にギガスファクトリーを置いているときには最早ただの的でしかなく、リーサルがなかったとしても次のターンにこちらがリーサルをとれることはほとんどありません(パラダイムシフトを防御に使ってしまっているため)。しかも、こちらがギガスファクトリーを置けていないと簡単にリソース切れを起こしてしまいます。そのため、かなり限定的な立ち回りになります。それでも反逆の命・ミリアムで守護が悪用されることもあり、「後攻側はほとんどの場合何かしら割り切らなければ勝てないだろう」というのが正直な感想です。

 ではどんなときに後攻側が勝利できるのでしょうか。思いつく限りでは、

1.先行側の序盤の動きが弱く、先後が逆転する(要するに手札事故を祈る)。
2.先行側がギガスファクトリーを置いた返しのターンにこちらもギガスファクトリーを置き、相手の展開に合わせてアーティファクトを当てていって、先行側よりも早くリーサル札を揃える。
3.先行側がブリッツアーティファクトで早めに決着をつけにきたとき(大体ギガスファクトリーバハムートも持っていないとき)に、エッジアーティファクトを大量に出してリソース勝ちを狙う。
4.先行側がブリッツアーティファクトバハムートでのリーサルを狙っていて、尚且つギガスファクトリーを持っていないときに、プロテクトアーティファクトを連打してリーサル札を枯らす。
5.先行側の盤面を放置して後5でギガスファクトリーを置き、後6でパラダイムシフトのコストを下げながら「エッジアーティファクトまで出して」リーサルから逃れ、後7以降でリーサルを狙う。なお、相手がギガスファクトリーを持っていないことが前提である。
6.肉球シュート暗獄の遣い・ジャスパーを採用して盤面の主導権を握り、ギガスファクトリーを置かせないようにする(先後が逆転するのが望ましい)。

などが挙げられます(もし他にあれば、是非教えて下さい)。恐らく現実的なのは1、2、6ですが、1.に関しては完全に運で、こちらの介入の余地がありません。また、6.に関してですが、肉球シュートの場合は先行のときの事故率が上がり、むしろ先攻を引けたときに1.の条件を満たしてしまう可能性が上がるため、難しいところです(因みに、暗獄の遣い・ジャスパーをレートが終わった後に採用してみたところ、感触はかなり良いものでした。今は「少なくともどちらかのカードは採用した方が、BO3の勝率は上がる」と考えています)。ここでは、状況として発生しやすい2.について考えていきます。

 先程から何回も取り上げられているギガスファクトリーですが、ミラーマッチの場合基本的には後置きが有効です。先に置いた方はパラダイムシフトのコストを下げるためにアーティファクトを展開しなければいけませんが、相手の盤面が空の場合動きがかなり制限されます。一方、後に置いた方は盤面に的があるため、それを利用してパラダイムシフトのコストを下げつつ空または少ない盤面で返すことが出来ます。したがって、後に置いた方がパラダイムシフトのコストを下げきれるため、早くリーサルをとれることが多いです。因みに、私はレートで「先5でアームメカニックを持っており、テンポよく攻め続けられる状態」のときにギガスファクトリーを置いてしまったことが何度かあり、そういう時は大体後5ギガスファクトリーによるカウンターが成立してまくられていました。反省します。

 話をまとめると、結局のところAFネメシスミラーの後攻勝率を上げるのはかなり難しいことが分かります。上の5.に至っては、あまりに手札の要求値が高いです。しかし、上に挙げたようなパターンのどれに該当するかを毎試合考え、適切に相手の動きを割り切っていくことが、後攻では重要だと考えられます。そこが不十分だった可能性は高いです。


3.2 ラストワードネクロマンサー

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AFネメシスとは打って変わって、周りの流行に合わせて使用したものの勝率が伸びなかったデッキです。上のリストは最終的に使っていたもので、このリストになる前は人外魔境・クリストフが3枚、ボーンフリークが1枚入っているリストを使っていました。上の戦績を見てみると、ネクロマンサーミラーでは3分の2(66.66%)、主にギガスファクトリーのせいで微不利であると考えているネメシス対面では60%の勝率であることから、大局観が大きくずれていたわけではなかったと考えられます(細かい反省点は後述)。

 では、何故勝率が落ち込んでしまったのでしょうか。戦績をよく見てみると、1つだけ勝率37.5%の対面がありました。そう、ドラゴンです。合計16回と数は少ないですが、明らかに負けています。第16期後半戦の最中にネクロマンサーに強いデッキとして庭園ドラゴンが台頭し始めたので、対面のドラゴンはほとんど庭園ドラゴンでした。ネクロマンサーを役割対象としたデッキですから、不利マッチだという認識で強気に戦っていればまだ勝率を維持できたかもしれません。しかし、なんと当時の私は

対庭園ドラゴンに関してそもそも不利マッチだと思っておらず、適当に「死期を視る者・グレモリー」を起動させて「トリニティモンスターズ」をプレイすれば勝てると思っていた。

こんな感じでした。さすがに適当すぎるのではないでしょうか。最低でも庭園ドラゴンに大敗を喫した後、有力デッキの一つとして対策を講じておくべきでした。
 庭園ドラゴンは竜食らう禁忌ティアマト・マグナゲオルギウスを筆頭に中盤以降の盤面処理が強力なデッキタイプです。しかし、ネクロマンサーは空中打点をネクロインパルスに依存しているため、それ以外では盤面から点数を出すしかありません。その準備が整う前に、庭園ドラゴン側のリーサル札が揃うことが多かった気がします。
 
 また、中盤の竜食らう禁忌がネクロマンサーに対して強力で、ゴシックリーパー王墓の骸から出る隠された財宝が消滅されると墓場やリソースがごっそり奪われるため、ケアしないとそれだけで負けてしまいます。私はレートで庭園ドラゴンと戦った際、何回も竜食らう禁忌のケアを忘れて墓場とリソースが吹っ飛んでいきました(例:万華の鳳凰に進化を切られる前に王墓の骸をプレイしたものの、相手のPPが10になることを失念していたため、公開情報の竜食らう禁忌にアミュレットが消された)。

 そのため、結局は「竜食らう禁忌などの妨害札を警戒しながらドローを進めて早めのグレモリー起動を目指し、相手のリーサルパターン(古今独歩の大拳豪・ガンダゴウザ×2など)をできる限りケアして盤面勝ちを狙う」ことが主な勝ち筋になりそうです。鳳凰の庭園が2枚置かれてしまうとOTKが容易になるため、割り切らなければいけないときもあるとは思いますが、実際に反省点を書いてみて「あくまでグレモリー起動後の盤面で勝負する姿勢」は崩さないほうが良いという結論に達しました。トリニティモンスターズ+αによる盤面であれば、庭園ドラゴン側の《世界》・ゼルガネイアティアマト・マグナによる大量回復でも盤面を捌ききれないため、ネクロインパルスでリーサルをとりやすくなります。

話をまとめると、対庭園ドラゴンに関しては「最速でグレモリー起動を狙う」べきだったと考えられます。当時の私の考えも「当たらずとも遠からず」といった感じですが、庭園が置かれる前にドローを回してでも早めのグレモリー起動を狙う意識はありませんでした。

 次に、ネクロマンサーミラーや対ネメシスの話に移りますが、こちらはある程度反省点が共通していたように感じます。というのも、

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このカードを過信しすぎました。カードテキスト自体は強力で、対面のデッキによっては、ラストワードを持ったフォロワーを10体破壊してこのカードを出すだけで勝ってしまいます。しかし、ネクロマンサーミラーでは強力な場面がグレモリー起動後に限られ、対ネメシスではそもそもそこまで重要でないことに気付いていませんでした。

 例えばネクロマンサーミラーにおいては、慌ててラストワードを10体分稼ぐよりも今までの環境と同じようにグレモリーの早期起動を狙った方が、「先にトリニティモンスターズを筆頭とした強力な盤面を押し付けられるため」有効です。いくら人外魔境・クリストフ+αの盤面が強力といっても、それは基本的にグレモリーが起動した後の話であり、グレモリーを差し置いて狙うべきものではありませんでした。トリニティモンスターズオミナスタイラントなど、盤面処理の手段がフォロワーの体力によらないのも大きいです。

 また対ネメシスでは、ギガスファクトリーを置かれていれば勿論的にされますし、置かれていなかったとしても結局反逆の命・ミリアムの的にされてしまいます。しかもセレスト・マグナを6コストでプレイすることがほぼ必須となる対面であるため、単純にプレイする暇がありません。レートでよくあった場面としては、

1.手札にセレスト・マグナ人外魔境・クリストフがあり、ラストワードも10体分稼げていたので、どちらをプレイするか迷った。なお、グレモリーは起動していない。
2.相手はコストの下がったパラダイムシフトを大量に抱えており、セレスト・マグナをプレイしないと次のターンでこちらが負ける可能性が極めて高かった。しかし、手札にネクロインパルスもあったので、今後のデッキトップ次第ではセレスト・マグナセレスト・マグナネクロインパルスのような流れが考えられ、十分に勝てる見込みがあった。しかも、忌まわしき再誕ソウルガイドで引きに行くこともできた。何より、相手の手札の大半がパラダイムシフトだったため、ろくに動けない可能性が高かった。
3.セレスト・マグナをプレイして打点が足りる気がしなかったため、「とりあえず」人外魔境・クリストフを選択→結果反逆の命・ミリアムorギガスファクトリーからの超展開で敗北した。

このような流れが挙げられます。ボーンフリーク一刀の幽鬼・カゲロウなど、(ゴシックリーパー以外で)低コストのラストワード持ちフォロワーが採用されていないため、基本的に人外魔境・クリストフのリーダー付与効果が発動するのは7ターン目以降になります。しかしそのころにはセレスト・マグナをプレイせざるを得ない段階になっていることがほとんどで、手札に人外魔境・クリストフを抱えたまま試合が終わることも多かったです。

以上の点から、第16期後半戦のBO3環境においては人外魔境・クリストフの枚数を減らし、1枚にするべきだったと考えられます。


 これで、大局観についての反省は以上...ではありませんでした。

 先程、ネクロマンサーやネメシスに対して人外魔境・クリストフがかなり重要であると誤解してしまったことが敗因の一つだと述べましたが、ネクロマンサーミラーに関してもう一つ反省点がありました。それは、「先行を引いたときにトリニティモンスターズを先出しした回数が極端に少ない」ことです。   

 最初にラストワードネクロマンサーの戦績を表示したとき、疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。「何故、先行有利なはずのネクロマンサーミラーで先行の方が勝率が低いのか?」と(先行勝率63.63%、後攻勝率70.58%)。理由は単純で、ネクロマンサーミラーのときに自分からはほとんど攻めなかったからです。つまり、相手の盤面形成を捌き続けて攻め札が切れるのを待たないと勝てないと誤解していたわけです。

 では実際に、自分から攻めないとどうなるのかを見てみましょう。例として、互いに7ターン目開始時グレモリーが直接召喚される状況を想定します。こちらが先行です。

先行7ターン目:さっさとトリニティモンスターズ+αで主導権を握ればいいものを、王墓の骸(エンハンス6)や人外魔境・クリストフ単体などで済ませて弱い盤面で返す。
後攻7ターン目:ここぞとばかりにトリニティモンスターズオミナスタイラントor人外魔境・クリストフがプレイされ、強力な盤面が形成される。
先行8ターン目:オミナスタイラントトリニティモンスターズ+αでしか盤面が返せないので、それらをプレイしてなんとか盤面処理をする。このとき、自分の盤面はほとんど空である。因みに、トリニティモンスターズだけでは相手のトリニティモンスターズのラストワードに引っかかってしまうため、十分な処理が出来ないことがある(そして当時の私は、相手の強力な札2枚に対してこちらは1枚で対応できたために優勢状況だと誤解している)。
後攻8ターン目:優勢状況だと思っていたところで、リーサルではない場合でもお構いなしに「リーダーの体力を削るため」ネクロインパルスがプレイされる。1枚であれば8点、2枚であれば14点削られ、こちらが真顔になり始める。何故なら、攻める択をとっていなかったために先行9ターン目のリーサルが無いからである。
先行9ターン目:回復しないと次のターンにトリニティモンスターズボーンドミネーター(またはその両方)のバーンダメージで負けてしまうため、記憶の軌跡ナイトメアイーターボーンドミネーターのアクセラレートなどで回復を試みる。しかし、相手の盤面が空であるため、フォロワーの破壊手段が制限されており、満足に回復できないことも多い。更に体力回復に専念しているため、盤面が比較的弱い。
後攻9ターン目以降:回復量が足りずにバーンダメージでリーサルとなるか、リーサルがなかったとしても体力のディスアドバンテージを背負ったまま戦い続けることになる。なお、実際にレートでこのような状況になったとき、勝利した記憶はほとんどない。


 ...これはあくまで一例ですが、散々な結果となることが分かります。さすがに当時の私でも、グレモリーが起動した先行7ターン目にトリニティモンスターズをプレイしない理由がないことには気づきました。明らかに押し付け得です。しかし、先行を引いてなお負けた試合は大体、「弱い盤面に対して強烈なカウンターが炸裂し、体力差を覆せなかった」試合だったと思われます。この一連の流れのポイントは後攻8ターン目で、こちらに苦しい処理をさせた後、リスクをほとんど負わずにこちらの体力を削ることに成功しています。

 実は、相手のネクロマンサーミラーにおける大局観が「盤面を作り続けて、ネクロインパルスは最後のリーサル手段として取っておく」という考え方であれば、対応は比較的容易です。相手にフォロワーの当たり先があれば、盤面処理と体力回復を両立することはさほど難しくありません。そのまま粘り続けて、ネクロインパルスによるリーサルがないまま相手のリソース切れまたは山札切れを狙えます。私が消極的なプレイをしていたにも関わらず、一応ミラーの全体勝率が66.66%だったのは、恐らくこのためです。

 これらの点から、ラストワードネクロマンサーミラーはライフレースであると考えられます。グレモリーを起動した後に強力な盤面を押し付け、相手に盤面処理を強制した上で積極的に打点となるカードをプレイしていくのが良さそうです。先行であれば強力な盤面を押し付ける展開になりやすいので、それを狙って積極的に攻めていくべきでした。

 ...最初に「細かい反省点」と言いましたが、全然細かくなかった気がします。今度こそ反省は以上です。

 ※先程「ネクロマンサーミラーはライフレースである」と述べましたが、デッキに常闇の花嫁・セレス《恋人》・ミルティオが採用されている場合(OTKプランが採用されている場合)はその限りではありません。私は第16期後半戦でそのデッキタイプを使用した経験がないため、OTKプランの所感については割愛させていただきます。



4.あとがき

 長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか。こうして反省点を言語化してみると、今では当たり前だと思っていることでも、当時はできていなかったのだと痛感させられます。今でこそなんとか自分の思考を整理したつもりですが、第16期のレート期間中に「デッキ毎の大局観について自らの思考を言語化し、整理する努力をしたか」と言われれば、答えはNoです。

 今回記事を作成してみて、私が今後取り組むべきことが少し見えてきました。来期のRatings for Shadowverseにおける勝率を上げるために、まずは

1.「Ratings for Shadowverseにおける、自らの環境認識や大局観」についてや「今の環境でおすすめのデッキ」についてなど、シャドウバースの記事をnoteで作成し、定期的に投稿する(主に自らの思考を言語化し、整理するために行う)。
2.自分1人の意見(固定観念)に囚われることなく、視野を広げて自らの環境認識及び大局観を更新し続けるために、シャドウバースのチームに所属して情報を共有する。

この2つに取り組むことから始めたいと思います。また今後の記事投稿に関しましては、来期(Renascent Chronicles / リナセント・クロニクル)が始まってから1週間以内に次の記事を投稿し、それ以降は週に1回のペースを目安に投稿していきたいと思っています。なお、環境末期(オフシーズン)に投稿するかどうかは未定です。

 本記事は以上となります。読んでいただき、ありがとうございました。

※今後も継続的に記事を投稿する関係上、出来るだけ多くのシャドウバースプレイヤーに記事を読んでいただきたいと思っています。そのため、この記事のツイートをいいねやリツイートしていただけると非常に嬉しいです。よろしくお願い致します。

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