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大阪杯2022 全頭考察

バリしゃんです。

大阪杯2022の
全頭見解&予想のポイント
をまとめました。

今回も1万字に迫るボリューミーな内容になりました。自分の気になる馬だけでも見て行っていただけると幸いです。

大阪杯の最終予想は、レース当日早朝に更新予定の『推奨レース&怒りの最終記事』にて公開いたしますのでそちらも併せてご覧下さい。

✅大阪杯のポイント

・Aコース最終週でもインを立ち回る事のできる馬に注目

坂下スタート+初角までの距離が短いというコースレイアウト故に、前半のペース上がりにくく、後傾持続戦になるというのがデフォルトの大阪杯。その為、ペースが上がる箇所で外を回らざるを得ない馬は負荷が大きくなり、自ずと内々をロス無く立ち回った馬が好成績を残している。

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道悪で行われた昨年はモズベッロの外差しが届いたが、良馬場であれば基本的には内々を立ち回った馬が結果を出しているというのが、上記の画像からもわかるだろう。

確かに一昨年まではBコース初週の施行で、京都競馬場改修工事の影響で今年同様Aコース最終週に行われた昨年があの結果となれば、今年も昨年のモズベッロの様なタフな差し馬に出番があるのでは?という意見もわからなくはないが、2月2週目~5月1週前までという超が付くロング開催に備えて馬場が作り込まれている阪神芝コースが、外優勢に振れる事はごく稀。昨年の同開催も馬場が外優勢に振れた週は1週も無く、最終週の天皇賞週でさえ5鞍行われた芝レースのうち4鞍で1枠1番の馬が馬券になり9Rでは1,2,3番で上位を独占した。もちろん、土曜の馬場を見てからの判断になるとはいえ、Aコース最終週での施行となる今年も、基本的には例年通り内々をロス無く立ち回る事のできそうな馬を狙っていきたい。


・1800~マイル実績馬に注目

前述した通り、内前をロス無く立ち回った馬が恵まれやすい大阪杯は、自ずと前半からスピードに乗ってポジションを取りに行く事のできる馬が好成績を残している。その為、2000mよりも短い1800mや1600m戦で結果を出して来た馬の活躍が顕著。

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ご覧の通り、G1昇格後の大阪杯(良)を人気薄で好走した3頭はいずれもマイル・1800mの実績が多数あった馬。20年も1~3着をマイル実績馬が独占した様に、前半からスピードに乗って行く能力も問われる大阪杯は、1800mやマイル戦でも流れに乗る事のできるスピード持続型のキャラを狙うべきレースと言える。


出走予定馬 全頭考察

※枠順発表前且つ、当日の馬場状態が不明な状態での見解となりますのでご了承ください。


✅アカイイト 幸英明

パワー型のキズナ×ロベルト系のシンボリクリスエスという配合らしく、バテない強みを活かす事のできる時計や上がりの掛かる状況を好むキャラで、安定して自分の脚を使える馬。

【3走前】のエリザベス女王杯は阪神2200mらしいタフな決着になった事が向いたとはいえ、大外枠から捲り切っての圧勝。当時は10人気だったとはいえ、改めて日本の主流とはズレた反主流的な条件を好む馬である事を証明した。【2走前】の有馬記念も枠なりに外を回され続ける負荷の大きい競馬だった事を思えば大健闘の7着。そして今年初戦となった【前走】の金鯱賞は、それまでの2走とは一転しての時計の出る内前有利のスピード志向の馬場での競馬。時計や上がりの掛かる状況を好むこの馬にとっては最悪とも言える条件での競馬となり、レースも逃げたジャックドールがレコードで押し切り、2着にも先行したレイパパレが粘り込むという結果に。そんな不向きな条件の中、道中インをロス無く立ち回る鞍上の好騎乗の助けもあったとはいえ3着に好走したのは素直に評価すべきだろう。また、ポジションを取りにいっても競馬になった点は今後へ向けても大きな収穫。

とはいえ今回は、内回りでの後傾持続戦=外を回る馬は物理的な負荷が大きくなる舞台設定。ポイントでも挙げた通り、1800~マイルにも対応可能なスピードを有する馬がポジションを取るor内目をロス無く立ち回って結果を残すというのが良馬場の大阪杯の典型パターン。内枠から前走の様な出していく競馬がこのメンバーで出来ればチャンスはあるが、それまでの様な後方大外回しの形では厳しい競馬を強いられる事になりそう。ただ、木金曜の雨が残り、昨年の様な道悪やタフな馬場での競馬になれば、内回り×道悪=時計&上がりが掛かるというこの馬にとっては絶好の条件に。その場合は一転して評価を上げる必要があるだろう。the 宝塚記念というキャラなだけに、狙いは次走か。

✅アフリカンゴールド 国分恭介

前向きな気性の制御に課題があり長らく低迷期に陥っていたが、【3走前】の中日新聞杯2着を契機に復活を果たし【前走】の京都記念で重賞初制覇。今回は陣営も堂々の逃げ宣言をしており舐められる様なら一定の警戒感は必要だが、前述した中日新聞杯と京都記念は、当時の内前優勢の馬場とスローの展開の恩恵をフルに受けての好走で過剰評価は禁物。

✅アリーヴォ 武豊

全5勝を小倉競馬場で挙げている様に小回り向きの持続型のキャラで、米国のスピード型を詰め込んだ母型の血統からも道悪よりは速い馬場で持ち前の持続力を活かす形が理想という馬と推測。

それを思えば【4走前】の柳川特別(不良馬場)や【前走】の小倉大賞典(稍重)での勝利はそれなりの評価を与える必要があるだろう。【2走前】の壇ノ浦特別では、開幕週の小倉らしい内前有利の時計の出やすい馬場を利したロスの無い立ち回りで好走した2,3,4着馬を外からねじ伏せる着差以上の強い競馬を披露。前述した速い馬場の小回り戦で持続力を活かす形で好パフォーマンスを見せた。

今回の阪神内回り2000m+良馬場という舞台設定は、上記のキャラを活かす事のできる理想的な舞台と言えるだろう。能力面で今回のメンバーを相手に通用するという根拠を見出すのは酷と言わざるを得ないが、ポイントで挙げた様な例年通りのインをロス無く立ち回った馬が好走する様なレースになるのであれば、特に内枠を引いた際は警戒しておきたい一頭。

✅ウインマリリン 松岡正海

スクリーンヒーロー産駒らしい前向きな気性と立ち回りの巧さを武器に、内々をロス無く先行する形を好むキャラ。

【4走前】の日経賞や、◎を打った【2走前】のオールカマーでは中山+内枠という持ち味を最大限に発揮できる条件で、得意のラチ沿いをロス無く立ち回る形で完勝。【前走】のエリザベス女王杯は、戦前から陣営が泣きコメントを連発(手塚厩舎の泣きコメントは厳しい結果になる事が多いとツイート)していた様に、【7走前】の秋華賞と同じく状態が相当悪かった事が敗因。ノーカウントとしていいだろう。

今回は阪神内回り2000mという、持ち前の立ち回り力を存分に活かす事のできる条件での競馬。今回上位人気のレイパパレをオールカマーで完封している様に、小回りのインをロス無く立ち回る形であればGⅠにも手が届くレベルの馬。これまで4戦して全て馬券外と関西遠征時に凡走が目立つ点は気掛かりだが【3走前】の天皇賞春では明らかに距離が長かった事に加え、持ち味の立ち回り力を活かす事のできない外枠を引かされた事を思えば大健闘の5着に好走しており、変に毛嫌いする必要もないだろう。道悪は苦手な馬なだけに、良馬場+内枠という条件が揃えば穴馬としての資格は十分。

✅エフフォーリア 横山武史

エピファネイア産駒らしく広いコースを淡々と走る形がベストだとは思うが、アーモンドアイやグランアレグリアの様なスピード一辺倒という馬ではないだけに、能力の高さで有馬記念や皐月賞の様なレースもこなしているという印象。瞬発力比べで結果を出し続けて来たかと思えば、前走の有馬記念ではタフな前傾ラップを外から勝ちに動いての押し切りと競馬の幅が非常に広く、キャラを付けるとすれば極めて弱点の少ないキャラとでも言うべきか。

唯一敗れた【3走前】の日本ダービーは、当日の外有利の馬場にあっては痛恨の最内枠から終始インを通される負荷の大きい競馬を強いられながらも、あわや押し切らんという競馬でハナ差の2着。勝ちに等しい競馬だったのは誰が見ても明らかだ。

今回は初の関西輸送、本質的には広いコース向き、そして2キロの斤量増と断然人気という事を踏まえれば、買いか?と聞かれれば確かに疑問符が付くタイミングと言える。とはいえ、瞬発力比べでコントレイル・グランアレグリアを完封し、反主流的な持続力比べでクロノジェネシスを完封した現役最強馬。休み明けも大歓迎で適性的にも弱点が少ないという馬キャラを考えても、仮に取りこぼしがあったとしても馬券外に敗れるというシーンは想像し難い。とはいえ、前述した通り不安要素も見当たるだけに"取りこぼし"の可能性はしっかり考えておきたい。

✅キングオブコージ 横山典弘

父ロードカナロアという血統から短い距離を使われていたが、母父ガリレオが前面に出ているのか距離を伸ばして結果を出してきた馬。故障明け初戦となった【3走前】のオールカマーを除けば大崩れが無く、この辺りは父ロードカナロアの産駒らしい安定感が出ている印象。

とはいえ、近2走を振り返ると【2走前】の中日新聞杯は内有利の馬場で痛恨の外枠を引くも、鞍上が巧く内に誘導しスローの前残り戦であった事を踏まえれば、この馬の位置取りは恵まれた部類だったと言っていいだろう。それでいて低レベルなメンバーを相手に5着は正直物足りない。更に復活Vとなった【前走】のAJCCも後方外目をスムーズに立ち回った差し馬に展開と馬場が向いたレースで、その恩恵を存分に受けての勝利。当時伸びない内を通されたボッケリーニ(3着)とクレッシェンドラヴ(7着)が次走の日経賞で巻き返しに成功している事からも、後方外目をスムーズに回ってきたこの馬の評価は上がらない。

今回の阪神2000mの舞台に関しても、1800~マイルで実績を積んできた馬が恵まれる舞台で、距離を伸ばしながら結果を出してきたこの馬にとっては強みを活かせるとは言えない条件。母父ガリレオの影響を強く受けており、折り合い面にも不安がない事から本質的には距離延長向き。絶妙に穴人気しそうな点も気になる所で...


✅ジャックドール 藤岡佑介

父モーリスから来る前向きさ、母父Unbridled's Songらしいスピードを活かした逃げの競馬で軌道に乗って破竹の5連勝。自身の前向きさとスピード性能を存分に発揮できる高速馬場を好むキャラ。

【2走前】の白富士S、【前走】の金鯱賞は得意の時計出やすい馬場を利しての押し切り勝ち。2走ともに速い流れを自ら刻みながらラスト3F目で更に加速しての押し切りと後半力も兼ね備えている馬なだけに、ハナを奪わずとも競馬になる可能性は高いが、現状は前向きな闘争心をコントロールする意味でも逃げの形がベストだろう。

今回は未勝利V以来となる阪神芝2000m(右回りもこの時以来)。坂下発走&初角までの距離が短い舞台で前半のペースが上がりにくい為、後半4Fの持続力比べになりやすく小回りというのも相まって内々を立ち回った馬が有利という舞台設定はまさにこの馬向き。事実、当時の未勝利戦もラスト4Fからの持続力比べに自ら持ち込んで大楽勝劇を披露している。得意の高速馬場になる事はさすがにないとは思うが、舞台設定に関しては問題ない所か大歓迎と言っていいだろう。不安点はやはりレコードで激走した直後の中2週での競馬となるだけに、疲労や反動の懸念といった所になってくる。今後大崩れがあるとすれば、やはり持ち前のスピード性能を活かす事のできない道悪やタフ馬場時という事になりそう。

✅ショウナンバルディ 坂井瑠星

道悪や揉まれる状況下を嫌う精神的にモロい馬で、良馬場で単騎や揉まれずスムーズに先行する形が好走パターン

◎を打った【3走前】の中日新聞杯は1枠から単騎で逃げる理想的な競馬で押し切り勝ち。【前走】の金鯱賞は不向きな差し競馬になるも、開幕週の内有利馬場の恩恵を存分に活かし6着に差し込み。上記した2走はいずれも馬場・展開を利しての好走なだけに、能力面でさすがに今回のメンバーが相手では厳しい。一発あるとすればやはり単騎逃げの形にはなってくるが...。

✅スカーフェイス 岩田康誠

全4勝中3勝が少頭数or外枠という戦歴通り、不器用な馬キャラで時計や上がりの掛かる状況を好む馬。

【2走前】の中山金杯はタフ馬場&捲りが入る先行勢に厳しい展開となった事で差し馬向きのレースとなり2着に差し込み。【前走】の小倉大賞典は外伸び馬場で内枠を引かされた事に加え、多頭数の内枠という不器用なキャラであるこの馬にとっては厳しい状況での競馬を強いられたが、鞍上が巧く外に持ち出し5着まで差し込んだ。

今回はメンバーレベル云々の前に、内回りの多頭数戦は前述した器用さに欠ける馬キャラからマイナスだろう。個人的には距離を伸ばして、広いコースを淡々と走らせる形が理想と見ているだけに距離延長時に狙いたい。

✅ステラリア 福永祐一

気性が前向きで折り合いに課題のあるキャラ。パワー型のキズナ×Motivatorという血統通りのパワー型で時計や上がりの掛かる状況が理想。

【3走前】の秋華賞は外枠で壁が作れず自滅したオークスからの距離短縮×内枠で折り合いを付けるも、結果的に内々で窮屈な競馬を強いられ不完全燃焼の6着。【2走前】のエリザベス女王杯はタフな差し決着となり、持ち前のパワーを活かし2着に好走。距離延長だったが前半34.1秒とペースが流れた事で折り合いがスムーズについた点も好走要因の一つだろう。【前走】は開幕週の内有利の馬場で外枠から枠なりに外に振られる負荷の大きい競馬になった事に加え、外枠で壁が作れず折り合いを欠きながらの競馬。これは凡走止む無しだろう。

ただ、ポイントでも挙げた通り、1800~マイルにも対応可能なスピードを有する馬がポジションを取るor内目をロス無く立ち回って結果を残すというのが良馬場の大阪杯の典型パターン。同舞台の忘れな草賞を好時計で勝っているとはいえ、時計や上がりがかかっての差し決着が理想のこの馬にとっては強みを活かし切れないレースになる可能性が高い。依然折り合いに課題がある事に加え、想定通りの馬場であれば好走パターンは内枠からのイン差し競馬になるはず。気性、レース質の両面から内枠は必須か。

✅ヒシイグアス 池添謙一

ハーツクライ×米国という血統らしい主流条件向きのスピード型。唯一の大敗が福島×道悪馬場という、反主流的な条件が問われた【9走前】のラジオNIKKEI賞である事がその証明。母父にスピートと前向きさを与える米国型のBernsteinが入った事で、距離延長などの自分のペースで運ぶ形を好むハーツクライ産駒だが速いペースでも流れに乗って競馬が出来る馬

注目すべきは【3走前】の中山記念。距離短縮+ペースアップという、マイペースに走りたい典型的なハーツクライ産駒であれば苦に感じる臨戦での競馬になったが、難なく4番手の好位を確保し押し切り勝ち。開幕週らしい時計の出る先行馬有利のスピード質の馬場で、しっかり流れに乗って押し切ったという経験は、1800m~マイル質の馬が活躍を見せる今回の大阪杯を予想する上では見逃せない一戦と言える。春の2戦の疲労が抜けず順調さを欠きながらの参戦となった【2走前】の天皇賞秋では、不利な外枠から強敵相手に5着に善戦し改めて地力の高さを証明した。【前走】の香港Cは、内が全く伸びない当日の馬場を思えば、インを割ってきたラヴズオンリーユーには着差以上の強さを見せられた形だが、やや出負け気味の発馬から最後方大外回しで2着。3着のRUSSIAN EMPERORも香港ゴールドCでGolden Sixtyに先着を果たす様な馬で、今回3人気想定のレイパパレにも先着を果たしており、地力に関しては現状の国内中距離路線トップクラスと言っていいだろう。

前走は最後方からの競馬になったが、本来は昨年の中山での2勝や天皇賞秋の様にある程度流れに乗って競馬が出来る馬で、1800~マイルに対応可能なスピードが求められるというレース質にもある程度マッチしている印象。気性面に課題のある馬なだけに、初となる関西輸送が気になる所ではあるが、好位で流れに乗って競馬が出来る様なら一角崩しの可能性も十分。枠は当然内枠がベター。

✅ヒュミドール M.デムーロ

オルフェーヴル産駒らしい前向きな気性の制御に課題のある馬。

【7走前】の日経賞で、斜行の不利の煽りを喰らう形で位置取りを大きく下げながらも強敵相手に4着に善戦。得意のタフ馬場での競馬となった【4走前】の小倉記念や【2走前】の福島記念でも2着に好走しており、折り合い面の課題を相殺できる距離短縮やハイペース戦、そして自身が得意とするタフな馬場での競馬であればいつでも重賞は勝てる馬。ちなみに上記した3戦全てで◎を打っている様に、個人的に能力を買っており且つ相性も良く、現役馬の中でも指折りの好きな馬でもある。話を戻します。【前走】の中山記念はパンサラッサの刻む速い流れの1800mのペースに戸惑った印象で敗戦止む無しか。

今回は距離延長ローテ。前走よりもペースが緩む可能性が高くやはり分折り合いに不安のあるこの馬にはやはりマイナスと言わざるを得ない。時計や上がりの掛かる状況になればやや警戒する必要がありそうだが、地力面から見てもさすがに今回は敷居が高いか。とはいえ地味なキャラで常に人気がないだけに、今後の重賞戦線では要注目。

✅ポタジェ 吉田隼人

非常にまとまっているディープインパクト産駒で、常に自分の能力分の走りを見せる馬。

【4走前】の毎日王冠ではGⅠ馬2頭の決め手には屈したものの、その後GⅡ、GⅢで続々と活躍を見せている水準以上のメンバーを従え3着。続く【3走前】の天皇賞秋では、不向きな瞬発力勝負ながら6着に善戦。上位5頭すべてが次走のGⅠで好走を見せた超が付くハイレベルメンバーを相手に、決して得意ではないレース展開の中奮闘を見せ確かな脚力を証明した。【2走前】のAJCCでは馬群の中でやや踏み遅れる形で6着に凡走。【前走】の金鯱賞では内前有利の決着中、後方大外回しのロスの大きい形ながら4着に善戦と、とにかく安定した口取りが続いている。

持続>キレのキャラなだけに阪神内回りの舞台設定自体は大歓迎。前走のレース後に鞍上がペースが速くて進んでいかなかったとコメントしていた様に、ここ2走若干前向きさに欠ける面がある点と、休み明け3戦目とフレッシュな状態を好むディープインパクト産駒なだけに使い詰めのローテに不安が残るが、ここも大きく崩れる事なくしっかり自分の能力分は走ってくれるだろう。持ち味を活かす意味でも内枠が欲しい。


✅マカヒキ 岩田望来

かつての最強世代のダービー馬も今年で9歳。現状は時計や上がりの掛かる状況を好む完全なるパワー型に。

【3走前】の京都大賞典は、広いコースを一本調子に加速して上がりの掛かる状況を利しての差し切り。【前走】の京都記念は一転しての内前が止まらない馬場&展開。これは凡走止む無しだろう。3年前の大阪杯ではインベタの形で4着に好走したが、当時は良馬場発表とはいえ時計の掛かる馬場設定だった事に加え、当時と比較しても衰えた言わざるを得ない近況で...。


✅レイパパレ 川田将雅

前向きな気性を距離短縮や逃げる競馬でコントロールする形が好走パターン。逆に距離延長や控える形になった際は、ほぼ確実に折り合いを欠く為力を出し切れない。

【5走前】の宝塚記念、【4走前】のオールカマー、【3走前】のエリザベス女王杯、【2走前】の香港Cと、我慢させる競馬から一転しての逃げの手に出た【6走前】の昨年の大阪杯以外は、全て控える競馬で折り合いを欠き力を出し切れていない。今年初戦の【前走】の金鯱賞は昨年の4戦に比べれば折り合いは付いており、当時の内優勢の馬場でやや外を回る形だった事を思えば2着は及第点と言える。ただ、これまでの様な前向きさが見られなかった事は良く言えば安定感が出てくるとも取れるが、言い換えれば逃げた際の破壊力(我慢させられた苦の経験から逃げの手に出る事でパフォーマンスは上がる)も損なわれてしまうとも取れるだけに、前走の様な競馬が続く様なら、今後は徐々にディープインパクト産駒らしくまとまった戦歴になって行くだろう。

今回も控える形になれば折り合いを欠いて前走程度のパフォーマンスに終わる可能性が高いだけに、やはり一発を狙うのであればここで逃げの手に出る形だろう。控える(壁を作りやすい)にせよ、ハナを切るにせよ、枠は内枠がベター。個人的には逃げずともスムーズに折り合いを付ける事が出来そうなマイルへの短縮がハマると見ているだけに、この後ヴィクトリアマイルに出てきて欲しい一頭。

✅レッドジェネシス 藤岡康太

父ディープインパクト×母父Storm Catというだけを見れば、高速馬場のキレ味勝負でこそというイメージを抱くかもしれないが、この馬は母系にSadler's Wellsを持ってる分、キレよりは持続力に適性が寄っており非根幹距離や道悪といった反主流条件で結果を残して来た。

1人気に支持された【2走前】の菊花賞。反主流条件での強さや、折り合いへの不安が無い事から距離延長の阪神3000mは合うという世間の見立てがこの人気の所以だとは思うが、前走の神戸新聞杯が得意の間隔開けローテで極悪馬場で大激走という非常に疲労の残る競馬になった点と、同じく休み明け好走→間隔詰めで挑んだダービーで反動が出たという経緯の持ち主である事を踏まえれば、この臨戦過程は非常に危険なパターン。レースでも全くポジションを取る事が出来ず、終始後方追走のまま終戦。これは完全に神戸新聞杯激走の反動が出た形。神戸新聞杯組の次走成績の悪さ(ステラヴェローチェやシャフリヤールなど、次走人気以上に走ったのは1頭のみでそれも17人気11着)を考えても、この敗戦はノーカウントとしていいだろう。とはいえ、休み明け+距離短縮+反主流条件という理想的な条件での競馬となった【前走】が確かに展開・馬場を思えばノーチャンスの最後方から外を捲る形での競馬だったとはいえ不可解な最下位敗戦。

今回へ向けてブリンカー着用を明言している様に、陣営としても前走の敗因を掴めずにいる印象がある事に加え、そもそも不器用で時計や上がりの掛かる競馬を好む馬にとって阪神内回りの2000m戦は適性外の印象。臨戦、適性の両面から今回は上積みが見込めない印象で...


最後までご覧頂きありがとうございました。

エフフォーリアもジャックドールも切りづらい人気馬ではありますが、取りこぼしの可能性も今回は十二分にあると思いますので、単勝も視野に2強の間に割り込めそうな馬を日曜までに見つけていきたいと思います。

最終予想はレース当日早朝に公開予定の『推奨レース&怒りの最終』記事で公開いたしますので、そちらも併せてチェックして頂けると幸いです。


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