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高松宮記念2022 全頭考察

バリしゃんです。

高松宮記念2022の
全頭見解&予想のポイント
をまとめました。

恐らくかなりの文量の記事になる事が予想されますので、こんなん読むのダルいわ!という方は自分の気になっている馬だけでも見て行ってください(笑)

・過去の◎本命馬成績
21年◎インディチャンプ3着
20年◎クリノガウディー15人気4着(1位入線...)


高松宮記念の最終予想は、レース当日早朝に更新予定の『推奨レース&怒りの最終記事』にて公開いたしますので、そちらも併せてご覧頂けると幸いです。


✅高松宮記念のポイント

・とにかく"内"有利

高松宮記念が行われる中京競馬場は、3,4角がスパイラルカーブ+下り坂になっている為、そこで外を回った馬は他のコース以上に負荷の大きい競馬を強いられる事に。その為、基本的に馬場がフラットであれば内枠の馬(正しくは内を立ち回った馬)が圧倒的に有利なコース。

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それに加えて今週から中京芝はBコース替わり。Aコースから3メートル外に内柵を設置し内の傷んだ部分が保護される為、より内が有利な状況になる事が予想される。

昨年は道悪の影響で外差し決着となった高松宮記念ですが、今年は改めて内枠・馬群を捌く事のできる馬・内への意識の強い騎手狙いに徹したい所。


・初1200mなどの距離短縮馬に注目

中京芝1200mは ・スタート地点が上り坂 ・初角までの距離が短い ・直線が長いという異質なコース形態。それ故に前半のペースが上がりにくく、スプリンターズSの行われる中山芝1200mなどで求められるスピードで雪崩れ込む能力よりも、脚を溜めて直線で末脚を伸ばす能力が求められる。

その為、スピード一辺倒の1200mベストの生粋のスプリンターよりも、1400~マイル等を主戦として来た馬の活躍が目立つレース。

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上記画像の通り、近2年で馬券になった6頭中4頭が距離短縮。それも今回が初の1200mでの競馬という馬だった。20年に15人気ながら1位入線(その後4着に降着)を果たしたクリノガウディーも距離短縮+今回が初の1200mという馬。

日本の短距離王を決めるレースでありながら、その実態は1400~マイルで活躍した馬の独壇場となっているという事。更に今年は週末に傘マークがついており、恐らく道悪での開催が濃厚。体力の要求値が上がるという意味でも、今年の高松宮記念は例年以上に距離短縮組・1400~マイルを主戦場としていた馬に注目していきたい。

とはいえ初の1200mの流れにある程度は乗って行く事のできる馬でないと勝負にならないのも事実で、上記した過去3年で好走した今回距離短縮馬の中に、前走4角8番手より後方(中団より後方)で競馬をした馬は一頭もいなかった。

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結論として、前走先行→今回距離短縮を軽く差しに回る形での競馬が叶う馬が一番の狙い目という事になりそうだ。


出走予定馬 全頭考察

※除外対象のカイザーメランジェ・ヴェントヴォーチェを除く出走予定馬18頭の見解です。枠順発表前且つ、当日の馬場状態が不明な状態での見解となりますのでご了承ください。


✅エイティーンガール

ヨハネスブルグ産駒らしい外々を一本調子に加速したいキャラで、時計の掛かる決着や外差し馬場を好む馬。

【6走前】の昨年の高松宮記念0.4秒差7着(道悪&外差し馬場)や【2走前】の京阪杯1着(外有利馬場)などがまさにこの馬の好走パターン。ただ、前述した通り内を立ち回った馬が恵まれると想定した際に、この手の外回し必須のキャラの馬は評価しづらいというのが本音。事実、このエイティーンガールはこれまで中京コースでは3戦して全て馬券外。その中には1人気ながら8着に敗れたレースも含まれている。

時計の掛かる決着を好む馬なだけに、週末の雨予報は歓迎だが、最後方付近から大外を回る競馬になる事はほぼ確実。当日外が使える馬場である否かが焦点。

✅キルロード

前向きなスピード志向の強いロードカナロア産駒に多い、スムーズに先行できるか否かが結果に直結するキャラ。

これまで芝1200mで得意の先行策が叶った際は5戦4勝。ただ唯一馬券外に敗れたのが【前走】のオーシャンS。しかも当時の中山芝は内前断然優勢の馬場傾向で、このレースも上位のほとんどが逃げor内枠の馬だった。そんなレースでスムーズに先行する事ができたにも関わらず6着に惨敗。これは力負け以外の何物でもないだろう。こういった内前を取れる馬が恵まれて大穴馬券になるのが高松宮記念なだけに一定の警戒は必要だが、さすがにここでは能力が足りない印象は否めない。血統と脚質から良馬場の内枠が理想か。

✅クリノガウディー

スクリーンヒーロー産駒らしい気分屋な馬。距離延長や壁を作る事のできない外枠では暴走気味に掛かる事も珍しくなく、距離短縮やロベルト系らしく時計の掛かる馬場を好む。またモタれ癖があり左回りがベター。

近4走は不向きな右回り&距離延長ローテなだけに度外視という見方もできるが、【前走】の阪急杯にしても勝負所で早々に手応えを無くし大凡走を喫したという全く見せ場なしの内容。現状は気分屋な馬らしく、気持ちがレースの方向を向いていない印象。◎を打った一昨年と同じ、時計の掛かる馬場に距離短縮で向かうという理想的なローテーションとはいえ、当時とはメンタル面が雲泥の差にあるというのが個人的な見解。条件・臨戦面は理想的だが、今の精神状態でまともなレースができるかどうか。人気は全くないだけに、余裕のある方は3連系の紐くらいなら拾ってみても。

✅グレナディアガーズ

フランケル産駒らしく非常に気性が前向きで、距離短縮やスピード任せに押し切れる馬場を好む馬。

【4走前】のNHKマイルCでは、当時のやや外有利の馬場で後にスプリンターズSを押し切るスプリンター・ピクシーナイトがハイペースを刻んだ事で、先行勢には厳しいレースとなり、結果的に外を回った差し馬が上位の多くを占める事に。そのレースで、やや掛かり気味に4角一列目の一番外を回るという負荷の大きい競馬を強いられたのがこの⑨グレナディアガーズ。それでも勝ち馬シュネルマイスター、2着ソングラインをはじめとする差し馬の恰好の的になりながら3着を確保した競馬内容は、まさに負けて強しの一語。当時外差し馬場&短縮臨戦の恩恵をフルに活かして勝利したシュネルマイスターが、その後毎日王冠を勝利し、マイルCSでも馬場の悪い内を突きながらあわやの2着に好走した実力馬だった事を思えば、この馬のポテンシャルも十分超GⅠ級と言っていいだろう。

【2走前】のマイルCSでは、その前の京成杯AHで差し競馬に徹した事で、本来の先行策に転じてもスムーズに折り合いを付ける事ができると見て◎を託すも、外目の枠で壁が作れなかった事に加えレースが超が付くスローペースで流れた事で暴走気味に折り合いを欠く形に。結果NHKマイルC同様、早めに動かざるを得ない競馬を強いられ残り1Fで失速。あの競馬内容からも、現状は気性面から1600mは長いと言わざるを得ない。

そして久々の1400mに距離を短縮した【前走】の阪神C。序場は久々の1400mの流れに戸惑いやや位置取りを下げるも、距離短縮を利してスムーズに折り合いを付けて差し切り勝ち。確かに当時の外優勢の馬場の恩恵を受けたとはいえ、折り合いさえ付けばGⅠ級の脚力を発揮できる事を結果で証明した。

今回は初の1200mへの更なる距離短縮。鞍上には中京のスペシャリスト福永祐一騎手。まず中京のセオリーに反した騎乗をされる事もないだろう。

とはいえ、レースのポイントでも話した通り、近年距離短縮(初の1200m)ローテで活躍している馬は、前走の今回より長い距離のレースで流れに乗て競馬が出来ていたのに対し、この馬は前走の阪神Cでも前半流れに戸惑う様な所があった点は気掛かり。本質的に時計勝負を好む馬なだけに週末の雨予報はマイナスか。

そして、これは個人的な競馬観の話にはなるが、距離短縮がプラスに作用するタイミングは前走折り合いを欠くなどしていた馬が、今回距離短縮(=基本的には前走よりペースアップ)を利して折り合いを付けて能力を発揮するというパターンがほとんどと考えている。つまり今回のグレナディアガーズは、折り合いを欠き凡走→短縮で折り合いを付けて好走という距離短縮ローテの恩恵をすでに前走で受けてしまっているという事になる。なので、馬個体で今回の距離短縮ローテがパフォーマンスアップに繋がるとは個人的には思っていない。折り合いを欠いて凡走したマイルCSから、今回距離短縮で高松宮記念に向かうローテーションが個人的な競馬観においては理想的という結論。

✅サリオス

2歳時からマイルの速い流れに乗って競馬が出来ていた様に、晩成傾向にあるハーツクライ産駒の中では異質な存在。現状はマイルでもやや折り合いを欠いたり、逃げたりという競馬になっているだけに、気性面から現状は1400m辺りが理想というのが個人的な見解。

【2走前】のマイルCSでは、ブリンカーが効きすぎたという様な雰囲気で序盤から掛かりながら先行し6着。続く【前走】の香港マイルはブリンカーを外すも、内が荒れた馬場の最内枠という不利な状況から不本意な逃げる形に。それでも3着に粘る辺りが地力の高さの証明だが、やはりマイルでは道中掛かり気味になってしまうのがこの馬の現状。

今回は距離短縮。再三話している通り、マイルでは現状掛かりながらの競馬になってしまうだけに距離短縮は折り合い面ではプラスに作用するだろう。1400~マイルを主戦場としていた馬が活躍を見せるというレース質もこの馬にはマッチ。距離短縮を差しに回る形で折り合いを付ける事が叶えば前進は見込める局面。問題はいきなりの2F短縮で1200mの流れに乗れるかどうか。より1400~マイル志向の能力が問われた方が走りやすく、マイルを使っていたという体力面での優位性を活かす意味でも道悪が理想か。

✅サンライズオネスト

ダイワメジャー産駒らしい安定した先行力が売りの馬。

【前走】の阪急杯は距離延長+内枠という、当時の内前有利の馬場に挑むにあたっては理想的な臨戦過程で挑むも1,2着馬に2馬身離されての3着。これは力負けと言わざるを得ない内容。2走前の競馬を見ても、短縮で挑む1200mではポジションを取れそうに無い点も先行力が売りのキャラという点を踏まえるとマイナス。ここで速い流れを経験して、次走距離延長で挑む1400m戦が狙い目か。

✅シャインガーネット

オルフェーヴル産駒らしい前向きな気性の持ち主で、気性を制御するという意味で距離短縮や壁の作りやすい内枠向きの馬。

【前走】は得意の距離短縮と、8枠から巧く内に誘導し壁を作る鞍上の好騎乗も相まってスムーズに折り合いを付けて2着に好走。この形がこの馬の好走パターン。インを立ち回る事のできるキャラなだけに中京との相性は良く、道悪も結果を出しているだけに内枠を引けば条件として文句なし。とはいえ開幕週の内有利馬場で1枠からインを立ち回る完璧な競馬が叶った【3走前】のセントウルSでも6着に敗れているだけに、地力面でやや見劣る感は否めない。まずは内枠が欲しい。

✅ジャンダルム

時計の出る馬場を好む馬で、内を器用に立ち回る事のできる内枠向きのキャラ。

【4走前】のセントウルSは内を立ち回った勝ち馬レシステンシアを、8枠から枠なりに外に振られ続け2着に敗れたピクシーナイトが本番で逆転した事からもわかる通り、開幕週らしい内有利の馬場。そんな馬場で出遅れ+中京の鋭角&下り坂のコーナーの一番外を回りながら僅差の4着という衝撃の競馬を披露。上がり32.6秒は驚愕に値する物で、そのパフォーマンスは一言GⅠ級と言っていいだろう。【3走前】のスプリンターズSでは、ブリンカー着用を契機に復活を遂げた経緯があるにも関わらず、ゲート不安の要因がブリンカーにあると踏んでブリンカーを外しての競馬。結果、スタートを決める事には成功したが、ローテーション的にも追い込み+連戦続きで上積みが見込めない中、内有利の馬場で終始外に振られる厳しい形。これは凡走止む無しと見ていいだろう。【2走前】のシルクロードSは課題のゲートを決め先行したものの、結果的にレースは差し決着。中京の外枠で枠なりに外に振られる形も厳しかった印象。【前走】のオーシャンSは時計の出る内有利馬場+内枠というこの馬にとって理想的な条件。課題のゲートを決めて内目をスムーズに先行しての押し切り勝ち。改めてインを器用に立ち回る形が叶えば重賞・GⅠレベルである事を証明した。

インを器用に立ち回る事のできるキャラは中京との相性が良いだけに、中京適性は相当高いと推測。脚力がGⅠに手が届くレベルにある事は4走前のセントウルSからも明らかで、内が使える馬場でインを器用に立ち回る得意の形が叶えば一発があっても不思議ない一頭。ただ、前述した通り時計の出る馬場が理想なだけに、週末の雨予報はマイナスと言わざるを得ない。今回は絶妙に人気の盲点になりそうな気配があり、馬場次第では積極的に狙いたい。

✅ダイアトニック

ロードカナロア産駒らしく高次元でまとまっており、内を器用に立ち回る事のできるイン差し可能なキャラ。

故障からの長期休養明けとなった【3走前】のキーンランドCこそ凡走を喫したが、続く【2走前】の京都金杯は開幕週の中京で内枠引きと、内を器用に立ち回る事のできるこの馬にとっては理想的な条件で4着。続く【前走】の阪急杯も内有利の馬場でインを突く持ち味をフルに活かす競馬で復活。不利が無ければ1着まであったであろう【7走前】の高松宮記念も同様の競馬で結果を出しており、現状はこの形がベストだろう。

今回は距離短縮+中京替わり。1400~マイルを主戦場としていた馬なだけに、レース質的にはピタリとマッチする印象(一昨年の激走がその証明)。インを器用に立ち回る事のできるキャラは中京向きで、例年通りの内有利馬場で内枠を引く事ができれば今年も軽視はできないだろう。ただ、反対に道悪で馬場が悪化し外有利の馬場になったり、外枠から枠なりに外を回る力任せの競馬になるとやや劣る感は否めないのも事実。アタマを想定するには馬場(内有利)や枠(内枠)の恩恵が欲しい。

✅ダイメイフジ

かつては連闘などの間隔詰めローテや、ショック(芝→ダートや距離変化など)を好むキャラだったが、近走の内容からさすがに衰えたと言わざるを得ない。

✅トゥラヴェスーラ

ドリームジャーニー産駒らしく馬群の中も苦にしないキャラで小回りや内枠からイン差しする形が好走パターン。

【3走前】の高松宮記念では、いくら道悪馬場や外伸びの馬場に乗ってきたとはいえ勝ち馬と0.2秒差の4着と激走。直線でやや進路取りに苦労するシーンがあった事と上位陣の顔ぶれを思えば、今回のメンバーに入れば堂々と威張れる内容。【2走前】の京王杯SCも前残り決着をただ1頭後方から差し込む負けて強しの競馬で2着。脚力が短距離重賞級である事はこの2走からも明白だろう。そして内回り+最内枠という馬キャラを活かす理想的な条件が揃い◎を打った【前走】の阪急杯は、イン有利の馬場の恩恵を受けたとはいえ、最内枠から終始ラチ沿いを追走する得意のイン差し競馬であわやの2着に好走した。

今回は中京替わり。イン差しのできるキャラは中京向きで、父ステイゴールド系らしく道悪も歓迎の馬なだけに週末の雨予報もプラスと条件的には文句なし。道悪は歓迎とはいえ、昨年の様な外差し場よりもイン差し可能なキャラを活かせる内有利の馬場で内枠を引く形が理想だろう。脚力は間違いなくここでも通用レベル。今回も人気にはならなそうなだけに、当然警戒必須。

✅ナランフレグ

堅実な末脚を武器とする馬で、馬場や展開などを選ぶキャラ。

近走の充実ぶりは目覚ましく【3走前】のタンザナイトSでは先行馬有利の緩い流れだった事に加え不向きな右回り。更に直線でほとんど進路が無く、最後までノーステッキという不完全燃焼の競馬ながら差し切り勝ち。まさにここでは力が一枚上という内容で、右回りで結果を出したという点も大きな収穫。更に【前走】のオーシャンSも、当時の内有利の馬場に反してただ1頭外を回る形で2着に好走と内容は勝ち馬以上。

脚力はGⅠのここでも通用レベルで、更に今回は得意の左回り。展開や馬場の恩恵が欲しい所だが、イン差し可能な中京向きのキャラでもあり、渋った馬場も問題ないだけに今回へ向けてのマイナス要素は非常に少ない印象。シルクロードSで賞金加算に失敗し、一戦余分にレースを使わざるを得なかった感は否めないが、ここも要警戒の一頭。トゥラヴェスーラ同様、インが使える馬場の内枠が理想。

✅ファストフォース

CBC賞の日本レコードでの逃げ切りからもわかる通り時計の速い馬場を好む馬で、前向きなスピード志向の強いロードカナロア産駒に多いスムーズに先行できるか否かが結果に直結するキャラ。

【3走前】の京阪杯ではこの手の馬が最もパフォーマンスを上げる非逃げ→逃げという理想の形が叶ったとはいえ、当時の外差し優勢の馬場で内枠から逃げるというTBに反する負荷の大きい競馬で3着に善戦。続く【2走前】の阪神Cは1F長い1400m+これまた外差し馬場で内枠から逃げる競馬という負荷の大きい形ながら7着と、自分の形に持ち込めばそうは止まらないという事を証明し続けている。【前走】は距離短縮ローテの影響もあってか、序盤からポジションが取れず控える競馬に。これは凡走止む無しだろう。

距離短縮の影響でポジションを取る事ができず終始揉まれる競馬だった前走から、今回一転しての逃げる競馬が叶えば、明確に苦→楽の臨戦。逃げられそうなメンバー・並びであれば要警戒の一頭だが、血統・戦歴からスピード勝負でこそのキャラなだけに週末の雨予報は痛恨。良馬場は絶対条件か。

✅メイケイエール

ミッキーアイル産駒らしくとにかく気性の制御に難のある馬。

とはいえ脚力、ポテンシャルの高さは疑いようのない所で、【2走前】のスプリンターズSでは典型的な内決着の中、ただ1頭大外から差し込む負けて強しの競馬を披露。【前走】はやや掛かる面を見せたとはいえ近走に比べれば雲泥の差。折り合いが付けば能力上位は明白なだけに押し切りも納得。ここも前走同様、折り合いを付けて競馬ができれば当然勝ち負けレベルだが、常に暴走し自滅のリスクを抱えるこの馬を"上位人気"で買うのはどうしても気が引けるというのが個人的な見解。正直、厄介な馬(褒め言葉)というのが本音。

✅ライトオンキュー

時計や上がりの掛かる道悪などの状況を好むキャラ。

【5走前】のキーンランドCでは道悪のハイペース戦を外から強気に勝ちに動き、前を掃除した所を後方のエイティーンガールに漁夫の利をさらわれた形でレースぶりとしては勝ちに等しい内容。【3走前】のシルクロードSも直前まで稍重発表のタフな馬場。ラチ沿いを走りたい快速・モズスーパーフレアでさえも内を開けて走る程の外有利馬場で、1枠から荒れた内を突く負荷の大きい競馬になるも僅差の2着。当時の勝ち馬シヴァージが昨年のスプリンターズSで3着。自身のキャラを活かす事のできる時計や上がりの掛かる馬場であれば、十分この馬もGⅠで一発穴を開けてもおかしくない実力の持ち主と言えるだろう。【2走前】の高松宮記念は鼻出血でノーカウント。【前走】は8カ月の休み明け(それも鼻出血明け)+トップハンデの58キロだった事を思えば情状酌量の余地はある。

GⅠで一発穴を開けるとすれば、やはりこれまで自身が高パフォーマンスを示してきた道悪の恩恵が欲しい中で今週末は雨予報。ここ2走の敗戦の影響で恐らく今回は最下位に近い人気になるはずで、これまで道悪時の示して来たパフォーマンスがここで発揮できる様ならチャンスあり。道悪であればしっかり押さえておきたい一頭。

✅レイハリア

前向きなスピード志向の強いロードカナロア産駒。

4連勝で重賞を2勝という戦歴を歩むも、【3走前】の葵Sはハナ差の2着馬ヨカヨカが出遅れ&直線で進路を無くすシーンがあった事に助けられた中での勝利である事に加え超が付く低レベルメンバーが相手だった。【2走前】のキーンランドCもお世辞にもGⅠレベルと呼べるメンバーではなかった。【前走】の原因不明の大敗からしっかりリフレッシュしてきた点は好感が持てるが、現状の地力では格落ちの感が否めず。

✅レシステンシア

ダイワメジャー産駒らしい安定した先行力と持続力が武器。

【5走前】の高松宮記念では初の1200mの流れに戸惑う様な所を見せ、生涯で初となる控える競馬になるもハナ差の2着。道悪の影響で外差しが届くシチュエーションになり、より1400~マイルを主戦場としていた馬が走りやすい状況になったのも事実だが、差す形でも崩れず走る事ができた点は大きな収穫だろう。【3走前】のセントウルSは開幕週のイン有利の馬場の恩恵を存分に活かしての押し切り勝ち。続く【2走前】のスプリンターズSは、前走のセントウルSで開幕週の馬場の恩恵を存分に活かしたレシステンシアに対し、8枠から枠なりに外に振られる厳しい形を強いられたピクシーナイトが一転して当時の中山の内有利の馬場で内枠から完璧な立ち回りを見せて押し切ったレース。そんなレースで外目の枠から外を回りながらの2着は十分評価できる。レース後に『道中忙しそうだった』と話していた様に、真のスプリント能力の問われる中山芝1200mの究極のスピード勝負は本質的には向かない印象だ。

前述した高松宮記念のポイントでも挙げた通り、こういった理想は1400mという馬が最も能力を発揮するのがこの中京芝1200m=高松宮記念というレース。馬場の恩恵もあったとはいえ、中京1200mで行われたセントウルSではピクシーナイトに勝利したものの、中山1200mではあっさり逆転を許した事が何よりの証明だろう。気性面から休み明けにも不安は無く、上記した通りレース質にもピタリとアテはまる1400m~マイルで実績を積んで来たスピード馬。断然人気必至だがここは逆らえないか。

✅ロータスランド

ロベルト系らしい持続力、タフさが売りの馬で道悪時の好成績がその証明。

【2走前】のマイルCSは外目の枠で壁を作る事が出来ず掛かりながらの競馬に。続く【前走】の京都牝馬Sでは、距離短縮を利して折り合いを付けての押し切り勝ち。馬場や展開に恵まれての勝利とはいえ、これまで結果を出せずにいた時計の速い馬場での重賞勝利なだけに、このメンバーでは地力が一枚上だったという印象。

再三話している通り、この手の1400~マイルを主戦場としていた馬が力を発揮するのが高松宮記念の特徴であり、更に今回は週末が雨予報で得意の道悪での競馬になる見込み。初の1200mにはなるが、グレナディアガーズとは異なり、前走1400mでしっかり先行策を取って競馬ができているだけに流れに乗れないという事はないはずで、近年好走している距離短縮ローテ馬と最もイメージが重なるのがこの馬。折り合いを欠き凡走→短縮で折り合いを付けて勝利という距離短縮ローテの恩恵をすでに前走で受けてしまっている(グレナディアガーズの考察で詳細は説明)が、この馬の場合は前走しっかり先行策を取っているだけに、更なる距離短縮を自然な形で差しに回る競馬になれば理想的な位置取りの変化を与える事ができる局面に。ソラを使う癖のある馬なだけに、相手強化というシチュエーションでこれまで以上の能力を発揮する可能性も十分考えられる。馬場・臨戦共に理想的でここは要警戒。


最後までご覧頂きありがとうございました。

コース形態と各馬のキャラを踏まえると、今年はとにかく枠順が重要になってきますね。どのレベルの道悪になるかによっても予想が大っく変わってきそうな印象です。

最終予想はレース当日早朝に公開予定の『推奨レース&怒りの最終』記事で公開いたしますので、そちらも併せてチェックして頂けると幸いです。

GⅠに関しては毎週この『全頭考察記事』を挙げていく予定ですのでお楽しみに!

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