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日本ダービー2022 全頭考察

どうも、バリしゃんです。

今週は日本ダービーという事で久しぶりに全頭考察記事を執筆しました。

計9000文字に迫る記事になっています。自分の気になる馬だけでもチェックして頂ければと思います(笑)

それでは早速見ていきましょう!

1.アスクワイルドモア 岩田望来

キズナ産駒らしい不器用でタフな差し馬。

【前走】の京都新聞杯は差しの決まりやすい中京2200mへの距離延長という絶好のローテーションに加え、開幕週の中京×ハイペースという内でロスなく脚を溜めた差し馬向きの条件を利しての差し切り勝ち。内有利馬場のハイペース戦で8枠から強引に勝ちに動く負荷の大きい競馬を強いられた2着ヴェローナシチーの方が内容的には上で、そちらをぜひダービーで狙おう思っていたのだが無念の除外に...

話を戻します。大箱の東京へ替わるのは不器用な馬キャラからも歓迎だが、前述した通りのタフな差し馬なだけに理想は時計や上りの掛かる競馬。何より前走が展開、馬場の恩恵をフルに受けての勝利で、それ以前の競馬内容では到底このメンバーに通用するとは思えず...


2.セイウンハーデス 幸英明

産駒の全勝ち鞍29勝中25勝が4角5番手以内という前向きな気性とSPを武器とする産駒を多く輩出するシルバーステート。このセイウンハーデスも例に漏れず、これまで全レースで4角5番手以内の競馬をしている典型的な先行持続型のキャラ。加えて【2走前】の毎日杯のレース後に鞍上が「ずっと馬を嫌がってい3,4角で外に逃げていた」とコメントを残している様に馬群での競馬や揉まれる形は好まない。

【3走前】のこぶし賞は、揉まれない逃げの競馬は叶ったものの、ペースを緩め過ぎた事で後のオークス2着馬スタニングローズにキレ負け。しかし【前走】のプリンシパルSはインで脚を溜めるこれまでのイメージを一新する馬群での競馬に対応しての押し切り勝ちを披露し、気性面での成長が伺えた。

ただ、その前走のプリンシパルSはラスト4F目から加速しての持続力が問われたこの馬にとってはお誂え向きの競馬だった印象。更に2着キングズパレは道悪で結果を出した馬で全姉にも重馬場のオパールSを制したリバティハイツがいるという馬で、3着のマイネルクリソーラに至ってはスクリーンヒーロー×Silver Hawk系×サッカーボーイという福島や小倉の道悪がベストといった血統の馬だった様に、プリンシパルS自体がダービーに直結するレースだったとは思えない。そもそものメンバーレベルにも疑問が残るだけに...


3.アスクビクターモア 田辺裕信

デビューから常に折り合い面での不安を抱えており、キレる脚の無い持続力が売りの馬。

【2走前】の弥生賞も8枠で壁を作る事ができず例によって掛かりながらの競馬に。それでも得意の中山&2,4着馬が3角で斜行の煽りを受けた事もあり何とか押し切った。【前走】の皐月賞は逃げる形で気性をコントロール。展開に恵まれた側面もあるとはいえ、馬場の悪い内を通された事を思えば5着は健闘の部類と言えるだろう。

ただ、今回のダービーへ向けてという意味で言えば、折り合いに専念せず馬の気に任せた逃げの競馬をした直後の距離延長となるだけに折り合いを欠く可能性が極めて高くなったと言える。母型の血統と馬キャラから東京に替わる点も過去の戦歴からわかる通りマイナスで、更なる上積みを見込むのは酷だろう。


4.マテンロウレオ 横山和生

【4走前】のホープフルSで態勢が決してから突っ込んできた様に、エンジンの掛かりが遅いが持続的な脚を繰り出す事のできるハーツクライ産駒。

この手のハーツクライ産駒が追走に苦労しパフォーマンスを下げるのが皐月賞というレース。その【前走】の皐月賞は横山典らしい溜めに溜める競馬でメンバー2位の決め手を繰り出すも展開が向かず12着。ゴール後のパトロールビデオでは突き抜けていた様に完全に脚を余しての敗戦。【2走前】の弥生賞にしても脚の無い前の2頭(ラーグルフ、メイショゲキリン)が壁になり後方インで閉じ込められる様な形で不完全燃焼と、ここ2走はいずれも力を出し切っていない。

溜める競馬がけている事に加えハーツクライ産駒という点からも距離延長は大歓迎で巻き返しがあっても。息子・横山和生に乗り替わって少しでも積極的な競馬を見せてくれば。ただ、理想は高速馬場よりは時計や上りが掛かってこそという馬。高速馬場の東京に替わる点はマイナスと言わざるを得ない。


5.ピースオブエイト 藤岡佑介

父スクリーンヒーローに母父はイギリスマイルGⅠ馬のOasis Dream。その奥にはSadler's Wellsの血が見える様に、典型的な反主流条件に強いタフさが売りの馬。

道悪で行われた【前走】の毎日杯を逃げ切る辺りがその証明な訳だが、今回の舞台は究極の主流力が求められる日本ダービー。某血統予想家の方が口酸っぱく話す、"競走馬の能力の方向性は一定ではない"という言葉が自分の競馬予想の根幹なだけに、相反する能力に秀でているであろうこの馬をダービーで買う事はできない。


6.プラダリア 池添謙一

折り合いに不安が無く長く良い脚を使うキャラで如何にも距離延長ローテを好む馬。

【4走前】の新馬戦では直線で包まれる様な形、【3走前】の未勝利戦ではドスローの競馬で前残りを許したが、いずれも距離不足の2000m&中京2000mらしいスロー戦で自身の持ち味を発揮できない条件故の取りこぼしという印象。そして初の距離延長+広いコース替わりでの競馬となった【2走前】の未勝利戦では最内枠から早めに外に誘導すると、最後は後続を7馬身置き去りに。続く【前走】の青葉賞は前半からポジションを取りに行くも折り合いを欠く様な所はまるで見られず、内々を器用に立ち回っての押し切り勝ち。前述した通り折り合いに不安が無く長く良い脚を使うキャラはまさに東京2400m向きと言えるだろう。

今回の課題は2つ。まずは何と言っても青葉賞からのローテーション。ご存知の通り、青葉賞からダービーを制した馬はこれまで一頭もいない。これは東京2400mというレースを中3週で二度も走らなければいけない点で蓄積疲労を露呈する事が要因だろう。その点で言えば、青葉賞以前が全て未勝利戦で厳しい競馬を経験していないプラダリアは過去の青葉賞組の馬たちに比べれば疲労面での心配は少ない印象を受ける。ちなみに青葉賞が重賞に昇格した93年以降でも僅か3頭で勝ち馬はこのプラダリアのみ。過去の青葉賞組に比べれば疲労面での懸念は少ないと言っていいだろう。あとは地力面がこのメンバー相手に通用するのかどうか。お世辞にも青葉賞のレベルが高かったとは言えないだけに、馬場や展開の恩恵を味方にどこまでといった所。


7.オニャンコポン 菅原明良

エイシンフラッシュ×ヴィクトワールピサという配合で、祖母にイギリスマイルGⅠを3勝し日本のマイルCSでも3着に好走したサプレザがいる血統。現状はその血統の字面通り、時計や上りの掛かる状況を好む差し馬。

【2走前】の京成杯は外目をスムーズに加速した差し馬に展開や馬場が向いた一戦でその恩恵を受ける形での差し切り。冬場のタフな中山の馬場も合っていた印象。外目をスムーズに加速した差し馬が上位を占める中、不向きな小回りの内枠という状況から前が壁になりながらも3着まで押し上げたヴェローナシチーの方が内容は上で、不器用さを補う事のできる広いコースであればオニャンコポンも逆転可能と見ていただけにぜひダービーで狙おう思っていたのだが無念の除...(以下省略)

【前走】の皐月賞も1角でルメールにポジションを取られて一列ポジションを下げざるを得ない競馬にはなったが京成杯同様の外差し競馬で6着と一定の脚力は示したが、唯一の東京での競馬となった百日草特別が超が付く低レベルメンバー&ドスローの番手追走と恵まれた割には案外な走りだった事を踏まえると、やはり東京の速い馬場ではスピード不足と言わざるを得ないだけに...


8.ビーアストニッシド 和田竜二

逃げた際に【9.3.10.16/38】で勝率23.7%、連対率31.6%、複勝率57.9%。回収率ベースで見ても単勝回収率370%、複勝回収率208%と抜群の数字を残しているアメリカンペイトリオット産駒。この馬も例に漏れず、これまで逃げた際は【1.1.1.0/3】と完璧な数字を残しておりこの3戦は全て重賞と荒れ狂う気性を逃げる形でコントロールする事が出来た際は中々の渋太さを見せる馬キャラ。

マイルへの距離短縮で挑んだ【4走前】のシンザン記念でさえ控える競馬では暴走気味に折り合いを欠いていただけに、現状は逃げるしかないと言っても過言ではないだろう。【前走】の皐月賞はスローペースを控えるこの手の馬にとっては最悪の競馬。これは凡走も止む無し。

気性的に距離延長は当然プラスとは言えないが、デシエルト同様非逃げ→逃げというこの手の馬が最もパフォーマンスを上げる臨戦を踏める可能性がある上にCコース替わりのダービーらしい内前決着になる様な事があれば、3着くらいなら残せる可能性が無いとは言い切れない。とにかくハナへ。まずはこれをクリアできるかどうかを枠の並びや陣営コメントなどから判断したい。


9.ジャスティンパレス デムーロ

半兄にステイヤーズS2着、阪神大賞典2着のアイアンバローズがいるという血統。デビューから追走ペースが上がる度にポジションを落としているいる事からも、本質は体力やタフさを武器とするキャラでより距離が伸びてこその馬と推測。

【前走】の皐月賞は出遅れの影響もあり最後方付近で初角に入り、直線ではオニャンコポンと接触し左にヨレる不利も重なる不運な競馬。力を出し切ったとは言い難い。

前述した馬キャラから距離延長ローテは歓迎で、スタートを決めてポジションを上げての競馬が叶えば巻き返しがあっても不思議ない一頭。とはいえ、冬場のタフな中山の馬場で結果を出した様に本質的にはやはり体力寄りの馬と見ているだけに、高速馬場ではスピード負けの懸念も付き纏う。


10.マテンロウオリオン 横山典弘

NHKマイルCから急遽参戦を表明。父ダイワメジャーの産駒は2000mを超える重賞を勝利した馬は一頭もおらず通算でも【0.7.10.112/129】という成績。この馬自身マイルでも掛かる様な所を見せる馬という事を踏まえても、祖母にオークス馬がレディパステルがいるとはいえさすがに800mの距離延長となる今回は....


11.ジャスティンロック 松山弘平

リオンディーズ産駒らしい前向きな気性の制御が課題という馬。

脚力が世代屈指のレベルである事は、典型的な阪神2000mらしい内前決着を強引に外からねじ伏せた【3走前】の京都2歳S、終始掛かり通しだった事に加え3角でロジハービンの斜行の煽りを喰らい大きく手綱を引かされる不利がありながら善戦した【2走前】の弥生賞、そして馬場の悪い内目を通されながら善戦した【前走】の皐月賞のレースぶりからも明らか。

ただ、やはりここ2戦の掛かりながらの競馬と血統から更なる距離延長はマイナスと言わざるを得ない。上がりが掛かった方が良さそうな印象で高速馬場も歓迎とは言えず。折り合い面からまずは内枠が必須となりそうだ。


12.ダノンベルーガ 川田将雅

東京コースではこれまで2戦2勝。そのどちらも圧巻のパフォーマンスで、世代最上位のポテンシャルを持ち合わせている事は明らかだろう。【3走前】の新馬戦、【2走前】の共同通信杯は共に世代限定戦の東京中距離戦らしいスローペース戦ながら、道中はやや促しながらの追走に。直線での弾け方は見た目・数字共に桁違いだが、道中の雰囲気は如何にもペースアップや急かされる競馬を嫌うこの時期のハーツクライ産駒らしい追走力に弱点がある馬といった印象。それ故にほとんどの馬が初めてのハイペース経験となる皐月賞ではパフォーマンスを下げると見て消しの評価を与えた。

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その【前走】の皐月賞は例年に比べペースが上がらなかった点と、先行意識の高い川田騎手の手綱という事もあり、前半から出して行って好位を取る事に成功。それでも終始馬場の悪い内を通ったロスと初めての中山&揉まれる競馬という事もあり4着に敗れた。確かに例年に比べれば流れが緩く、ハーツクライ産駒とはいえレースの流れに対応する事に苦労しなかったとはいえ、皐月賞NGの典型ハーツクライキャラという事を思えばダービーへ向けては上々の競馬だったと言えるだろう。当然、追走が楽になる距離延長も東京替わりも大歓迎で世間の評価通りここは巻き返しの番と見る。


13.ドウデュース 武豊

こちらもダノンベルーガ同様、皐月賞が毎年鬼門となるハーツクライ産駒。しかし、この馬は鞍上が常々話している通り気性が素直で非常に操作性の高い馬であり、多少外の差しが届く馬場の恩恵もあったとはいえ皐月賞馬ジオグリフが追走に苦労していたマイルの朝日杯FSを勝利したという経緯の持ち主。皐月賞のペースアップにも対応可能と見て▲3番手評価とした。

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しかし、その【前走】の皐月賞ではまさかの1角15番手という後方待機策。これはこのドウデュース自身が追走に苦労したという訳では無く、レース後に鞍上が「もっとレースが流れると思ったんだけど思ったより流れなかったね」と話していた通り、意図的に後方に下げる競馬を選択した事が要因。結果的には皐月賞としては異例と言ってもいいスローペースの前残り決着となった訳だが、掲示板に乗った馬の中では唯一後方から差し込んでの3着と負けて強しの競馬を披露した。一見すれば鞍上の判断ミスでの差し損ねと言えるレースだが、好位から勝ちに動いた他の4頭とは対照的に後方で折り合いに徹したという事実は、今回の2400への距離延長となる日本ダービーへ向けてという視点で見れば最も次に繋がる競馬をしたと言えるだろう。

皐月賞で溜めに溜める競馬を選択した事で距離延長となる今回も折り合い面への不安は無く、勝ちに行く競馬(ポジションを取りに行く)を選択したとしても折り合いを欠いて自滅する様な事はまずないだろう。距離延長を差し→先行に転じて押し切るというのはハーツクライ産駒が最も力を発揮するローテーションで、皐月賞では後方大外一気の競馬で4着に敗れたワンアンドオンリーが日本ダービーでは一転しての先行策で押し切り勝ちを決めたのも記憶に新しい。皐月賞1~4着のいわゆる4強の中で、最もダービーへ向けて上積みが見込めるのはこの馬だ。


14.デシエルト 岩田康誠

全弟ドゥラメンテ同様気性的に難しい所のあったアドマイヤセプターを母に持つデシエルト。この馬もこの一族らしく荒れ狂う気性の制御に課題のある馬で、ハイペースの差し決着を掛かりながら先行し押し切った【3走前】の1勝クラス戦や、逃げ切り勝ちを決めた【2走前】の若葉Sの様に、ハイペースor逃げる競馬で自分のペースで一本調子に走らせる事が好走パターン。

それを思えば【前走】の皐月賞は外枠から出遅れてハナを切れなかった事に加え、番手外で終始折り合いを欠きながらの追走に。若葉Sを自分のペースで逃げ切った直後に外枠で無理やり控える形は馬自身相当苦に感じたはずで、最後は完全にレースを投げ出し大惨敗を喫した。この手の気性的に前向きな馬は我慢を強いられ嫌気が差した際はあっさりレースを投げ出す事が多いだけに、着順自体は全く気にする必要はないだろう。

今回はそこから更に400mの距離延長となるだけに兎にも角にも折り合いが鍵。控える形では恐らく掛かって自滅という未来しか待っていないだけに、多少強引にでもハナorハイペースに持ち込んで自分のペースで競馬をしたい。


15.ジオグリフ 福永祐一

全6勝中5勝を小回り&内回りコースで挙げた母アロマティコ譲りの持続力や高い小回り適性が売りの馬。

【3走前】の朝日杯FSは初のマイル戦、それもGⅠの流れに距離短縮ローテで挑むという臨戦という事もあり追走に苦労し道中は終始促しながらの競馬に。結果差し遅れる形で5着に敗れた。そこからの距離延長ローテで挑んだ【2走前】の共同通信杯は順当に巻き返し2着。勝ち馬ダノンベルーガに完敗とはいえ、向こうの土俵である東京での決め手比べ線だった事に加え、こちらは1キロ重い57キロの斤量を背負っていた事を思えば全く悲観する内容ではなかった。ちなみに共同通信杯過去15年で斤量57キロ背負って連対した馬は全て春の3歳GⅠを制覇している。このデータから言っても、十分クラシック級の能力を示した一戦と言えるだろう。

そして向かえた【前走】の皐月賞は実質的に初となる小回り(札幌を小回りと呼ぶか否かは人それぞれ)での競馬で大きくパフォーマンスを上げての差し切り勝ち。外優勢気味の馬場を味方につける事のできた枠と鞍上の好騎乗もあったとはいえ、血統通りの小回り適性の高さを証明した一戦と言える。

得意の小回りでの競馬となった前走から、広い東京への距離延長となる今回はさすがに前走以上のパフォーマンスは見込めないだろう。とはいえ、東京のデビュー戦の様な4~5Fの持続戦の様な形になれば対応は可能で、脚力だけで言えば上位人気が想定される3頭を除けば無論最上位なだけに、消すに消せないというのが本音。昨年の様な外を回った持続質の脚をもつ馬が間に合う展開・馬場が理想。



16.キラーアビリティ 横山武史

気性的に前向きでワンターンやスローペースでは折り合いを欠いてパフォーマンスを落とすキャラ。言い換えればハイペースや小回り、内枠などの条件で折り合いを付ける事が好走パターンと言える。

【3走前】の萩Sはワンターン×少頭数×スローペースというこの手の前向きな気性を持つ折り合いが課題の馬にとっては最悪とも言える条件での競馬。レースではやはり終始折り合いを欠き続け、強引に勝ちにいかざるを得ない苦しいレースになりながらも後のGⅠ馬ダノンスコーピオンとハナ差の競馬を披露。終始折り合いを欠き続けながらダノンSと接戦を演じる辺りはさすがの一言だが、緩い流れでの折り合いに不安を残したレースとも言える。その萩Sを経てペースアップ×多頭数内枠というベストに近い条件替わりでの競馬となった【2走前】のホープフルSでは前述したペースアップ×多頭数内枠を利してスムーズに折り合いを付け圧勝。

そしてそのホープフルSからの休み明けで挑んだ【前走】の皐月賞。スタートでやや後手を踏むとその後は終始馬場の悪い内を掛かりながら追走するという負荷の大きい競馬を強いられ13着に惨敗した。確かにデキ不足感は否めず、馬場の悪い内を掛かりながらの走り続けるという競馬だったとはいえさすがに負けすぎな印象。

前向きな気性故に2400mへの距離延長も歓迎とは言えない馬で、デビュー戦を叩いた未勝利戦で一変を見せただけに、叩き良化型のキャラという可能性も残されてはいるがそこに期待するには現状根拠が乏しく...


17.ロードレゼル D.レーン

母エンジェルフェイスは現役時代に中山1800mのフラワーCを逃げ切り。近親にも中山牝馬Sを連覇したレディアルバローザや、阪神内回りの忘れな草賞や札幌のクイーンSを制したキャトルフィーユがいる一族の出身で、この馬も前向きさや立ち回り力を売りとする馬。デビューから阪神内回りと中山を器用に立ち回って結果を出した。

【前走】の青葉賞は広い東京に替わってどんな走りを見せるかと注目していたが、スタート直後から掛かりに掛かっていたディライトバローズに絡まれながら2番手を進み、ゴール寸前まで粘り込んでの2着。Cコース替わりで内前優勢の馬場になれば、こういったキャラの馬に出番が回ってくるのがダービーというレース。内枠を引いてロスの無い立ち回りが叶った際にチャンスは出てくる。とはいえい本質は小回りで前向きさや器用さを活かす形だろう。


18.イクイノックス ルメール

現状は折り合いに課題のある半兄ヴァイスメテールや1400mを逃げ切る程の前向きな気性とスピードが売りのミスビアンカ同様の前向きな気性の持ち主で広いコース向きのキャラという認識。半兄に稍重で行われたラジオNIKKEI賞を勝利するなど、全4勝中3勝を道悪で挙げるヴァイスメテオールがいる母系に父がキタサンブラック。この血統だけを聞けばタフな馬場でパワーを活かす様な馬が出てきそうな印象を抱くが、デビューからの2戦は共に新潟・東京で極上のキレを披露しての差し切り勝ちと、血統の印象とは真逆と言っても良い走りを見せている。如何にもノーザンF天栄育成の馬といった走りに思わず"血を育むのは人"なのだなと改めて痛感させられた。

初めての中山での競馬となった【前走】の皐月賞では、大外枠という事もあり前半からやや行きたがる様な素振り。そこから外を回して勝ちに動き一時は抜け出すシーンも作ったが、最後はジオグリフの強襲に合い2着に敗れた。ゴール前の失速に関しては馬場の悪い内に寄れたから、使える脚が一瞬だからな様々な意見が出ているが、個人的には大外枠で終始折り合いを欠きながらの競馬だった分最後は脚が上がってしまったと見ている。

上の2頭も折り合い面への不安を抱えていた事を思えば、やや距離延長に不安を覚える気もしなくはないが、デビューからの2戦を見ても広いコースに替わる点は歓迎だろう。内枠やハイペースで折り合い面への不安をカバーできればここも引き続き好勝負と基本的には見ているが、個人的な不安点は2つ。1つは初となる短い間隔でのレース起用。陣営も未だ体質が弱く詰めてレースを使えないという趣旨のコメントを残しているだけに、ノーザンF育成馬らしく激走後の間隔詰めローテでパフォーマンスを下げる可能性は十分考えられる。2つ目はこの血統の馬が"日本ダービー"を制すとはどうしても思えないという点。確かにレースぶりからは東京の速い馬場に替わる点に不安は感じないが、ディープインパクト×米国血統という今の日本競馬の究極の主流配合と言ってもいい馬が2年連続で勝利(そもそもダービーを勝つために日本競馬が動いているので当然と言えば当然だが)しているレースを父キタサンブラック、母父キングヘイローという血統の馬が勝利する事が出来るのかという疑問が、競馬予想に少なからず血統という要素を取り入れている人間としては付き纏う。



最後までご覧頂きありがとうございました。

最終予想に関してはnoteまたはBOOKERSで公開致しますのでそちらも併せてご覧頂ければと思います。

ダービー、楽しみましょう!


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