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【無料】フェブラリーS2022 全頭考察

バリしゃんです。

今週は22年のGⅠ開幕戦・フェブラリーSが行われます。

そこで今回はフェブラリーS2022 出走予定馬全頭の現時点での見解を書いてみました。ツイッターでRT等していただけると大変嬉しいです!(笑)

最終予想の方は、いつも通り週末の『推奨レース&怒りの最終記事』の方で公開しますのでお楽しみに。


それでは早速、見て行きましょう!


✅フェブラリーSのポイント

まずはバリしゃんが、毎年フェブラリーSを予想する上でもっとも重視するポイントについて。それは距離短縮組が圧倒的に優勢であるという点。

フェブラリーS過去10年 前走距離別成績

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過去10年で計6勝を挙げ、すべての数字で他の臨戦を圧倒している事がわかる。過去には距離短縮で挑んだ16人気のコパノリッキーが逃げ切りを決め、昨年も距離短縮組のワンツー決着となった。

これは偶然でも何でもなく
①芝スタート故に前半から締まった流れになりやすい
②冬場の乾燥したタフなダートで行われる
③チャンピオンズCをはじめハイレベル戦多数
④基本的に中距離馬>短距離馬

など、様々な要素が複合しての結果。

このレースを逃げ切った馬は過去10年でインティ(19年)のみで、それもサンライズソアやサクセスエナジーといった先行馬が易々とインティにハナを譲った事で、異例とも言えるスローペースを利しての物。

今年のフェブラリーSも前述した①②の条件が揃う良馬場で行われる様であれば、基本的には距離短縮組を重視する方向で予想を進めていきたい所。


出走予定馬 全頭考察

※サウジ遠征を予定しているテーオーケインズ・マルシュロレーヌを除いた賞金上位16頭の見解となります。枠順発表前且つ、当日の馬場も不明な状態での見解となりますのでご了承ください。


✅アルクトス (田辺裕信)

これまで脚抜きの良い馬場(稍重~不良)では【5.1.0.1】と無類の強さを誇るスピードを武器とする馬で、休み明けを好むという特徴も持ち合わせている。脚抜きの良い馬場(稍重以上)で唯一馬券外に敗れた昨年の根岸Sも直線で詰まる不利がありながらの4着と、脚抜きの良い馬場で持ち前のスピード性能を存分に活かす形で強さを見せるのが最大の特徴。

ただ、前述した通りフェブラリーSは距離短縮組の成績が優秀である事からもわかる通り、スピード性能では無くタフさや底力が問われるレース。自身の馬キャラを活かせるレースでは無いと言っていいだろう。事実、これまでフェブラリーSには二度出走し共に9着。2番人気に支持された昨年も、内有利の馬場で外々を強引に押し上げる負荷の大きい競馬だったとはいえ惨敗を喫している。

休み明けで挑むという点は当然高評価も、良馬場での競馬になるのであれば、自身のキャラとレースの特徴が相反するという意味で評価を下げざるを得ない。反対に、持ち前のスピードを活かせる脚抜きの良い馬場になれば急浮上。とはいえ、馬柱からも容易に読み取る事のできる道悪巧者なだけに剰人気は避けられないだろう。

✅インティ (武豊)

ポジション問わず揉まれず気分よく運ぶ形を好むキャラ

◎を打った前走のチャンピオンズCも、脚抜きの良い盛岡の高速マイルで差し遅れた直後の距離延長+内枠替わりという臨戦で、スムーズに先行する形が叶いあわやの4着。それ以前も、内有利の馬場で行われた昨年のフェブラリーSで外を回りながら6着に善戦したり、そもそもレベルの高かった近3年のチャンピオンズCで全て好走している様に地力の高さは現ダート界屈指。差し競馬を習得した事で、破壊力をは薄れたが徐々に安定感も増している印象。

今回は距離短縮ローテになる分、恐らく逃げ・先行という形での競馬は叶わない可能性が高いが、それでも揉まれずスムーズに差してくる形での競馬なら、チャンピオンズCに比べメンバーレベルも落ちる印象の今年のフェブラリーSであれば十分に勝負になると見る。とにかく気分よく競馬をしたいキャラなだけに、枠は外枠がベター。

✅エアスピネル M.デムーロ

かつて最強世代と謳われたマカヒキ世代の名脇役も今年で9歳。現在は、疲労が残りやすいキングカメハメハ産駒らしさが年を重ねた事で色濃く出て来ており、フレッシュな休み明けや、凡走後の疲労の少ない状況を好むキャラ。

昨年のフェブラリーSでは、確かに内有利の馬場の恩恵をフルに活かす鞍上の好騎乗もあったとはいえ2着に好走。武蔵野Sではソリストサンダーの2着に敗れたものの、直線で前4頭が壁になる痛恨の不利。スムーズなら逆転、少なくとも際どい勝負には持ち込めていたはずで、地力という意味では現ダート界でも一線級にあると言っていいだろう。前走のチャンピオンズCはこの馬の凡走ターンである激走後。そもそも1800mは若干距離が長い印象で、やや掛かりながらの競馬となり9着に敗れた。

今回は得意の凡走後且つフレッシュんで疲労の心配の無い休み明けでのレース。馬自身はしっかり動けるタイミングと見ていいだろう。昨年同様、チャンピオンズCからの距離短縮というローテーションで挑める点も、前述したフェブラリーSの性質を思えば当然プラス材料。加齢による衰えはもちろん考慮するべきだが、馬個体で見ればここは巻き返しの可能性十分の一戦。

✅カフェファラオ 福永祐一

American Pharoah産駒らしい揉まれ弱い馬で、広いコースを淡々と走ってこそというキャラ。そういった意味では、広い東京のワンターンという舞台設定で行われるフェブラリーSはベストに近いレースと言える。

3走前は小回りの内枠、2走前は芝&小回りの内枠、前走のチャンピオンズCは揉まれない外枠だった事を思えばやや情けないパフォーマンスに映るが、中京1800mの大外枠という酷な条件だった事を思えば情状酌量の余地はあり、ここ数戦の敗因(というか敗れた5戦全て)は明らか。

ベスト舞台のここでスムーズな競馬が叶えば、能力に衰えさえ無ければ巻き返してくる可能性は高いだろう。ただ、これまで2,3着が一度も無い事からもわかる通り、American Pharoah産駒らしい気分屋な馬でそもそもアテにしづらいタイプ。昨年よりリズムも悪くディフェンディングチャンピオンという立場故に人気にも支持されるであろうここで、積極的に狙いたいかと言われれば... そもそも昨年の勝利も内有利だった当時の馬場の恩恵をモロに受けての物だった点も忘れてはならない。

✅ケイティブレイブ 菅原明良

高齢牡馬らしく近走の好走歴は休み明け&揉まれない外枠時だが、近走の成績からはさすがに衰えを隠し切れない。5走前から清水英克厩舎に転厩するも、これと言ったパフォーマンスは見せられていない。16人気ながら2着に好走2年前のフェブラリーSと同じ川崎記念からの距離短縮というローテは好感も....

✅サンライズノヴァ 松若風馬

ポジションを取りに行くと持ち味の活きない差し一辺倒のキャラ。

3走前のJBCスプリントではスタート後に両隣の馬に挟まれるような形でポジションを下げるも、地元・吉原騎手の神がかり的なイン付きで2着。2走前のチャンピオンズCも内で死んだフリをして溜めに溜めての5着。前走の東京大賞典は、タダでさえタフな大井2000mの良馬場の大外枠と、さすがに体力面で厳しかった印象。

距離短縮ローテは前述した通り歓迎で、東京ダ1600mもこれまで幾度となく結果を出して来た決め手を活かすにはこれ以上ない舞台設定と言える。昨年のフェブラリーSが、かなりの内有利馬場で外を回る形になったとはいえ、余りにも情けなかった点は気になるが、過去四度のフェブラリーSに比べ一気に人気が落ちるであろう今回は圏内=高配当という事になりそうなだけに、展開が向いた際の3連単の紐くらいには入れてみても。

✅サンライズホープ 幸英明

マジェスティックウォリアー産駒らしく、揉まれずスムーズに先行できるかが好凡走に直結するキャラ。

2走前のチャンピオンズCは、相手強化+距離短縮+内枠というこの手の馬にとっては最悪とも言える条件で、案の定不向きな揉まれる形になり惨敗。一転して、大外枠替わりでスムーズに先行する理想的な形が叶った前走で4着に巻き返しに成功。とはいえ、馬キャラからベストに近い競馬が叶った中での競馬だった事を思えば4着は少々物足りない印象。ダートGⅠ級の馬達とはやや力差を感じる内容だった。

今回は距離短縮で挑むキャリア二度目のマイル戦。揉まれない位置を取れるか否かが結果に直結する馬なだけに、距離短縮という前走比で流れが速くなる(=スムーズに先行しづらい)臨戦はマイナス。そもそもの地力も前走の競馬を見る限り一線級からは一枚劣るイメージがあるだけに、ここは厳しい競馬になると想定。枠はもちろん外枠希望。

✅スワーヴアラミス 松田大作

かつては弟のデッドアヘッド同様、揉まれ弱いという弱点を持っていたがブリンカー着用を契機に克服。5走前のエルムS、前走の東海Sでは、内枠からインでじっくり脚を溜める形で結果を残している。

この馬の今回のポイントはマイルへの距離短縮。1800mの前走でも、出ムチを入れても先行する事が出来なかっただけに、芝スタートの1600mに距離短縮でローテで挑むとなると、ポジションは相当下がる事になるだろう。

あとはこの馬が間に合うだけのタフな展開・馬場になるかどうかが焦点。純粋にスピード負けする可能性が高いだけに、脚抜きの良い馬場は避けたい所。

✅ソダシ 吉田隼人

母ブチコやその他のシラユキヒメ一族同様、非常に前向きな気性の持ち主で、気分を害される様な競馬になると明確にパフォーマンスを落とすキャラ。大幅距離延長+我慢を強いられる競馬となったオークスで大凡走を喫し、距離短縮+外枠でマイペースの競馬が叶った札幌記念で巻き返しに成功したのがその最たる例。

それを思えば、初ダートとなった前走のチャンピオンズCは逃げる競馬(=マイペースで気分よく運ぶ事ができた)と、初ダートの最内枠で揉まれるという最悪のシチュエーションを回避し、考え得る中で最高とも言える競馬が叶った印象。それでもペースにも恵まれたにも関わらず、4角では2番手のインティに早々に捕まり大敗を喫した。

シラユキヒイメ一族らしい気分屋な側面のある馬なだけに、前走の情けない敗戦から、現状は気持ちが切れてしまっているのはないかと推測。そもそも秋華賞の敗戦も、4角手前で早々に手応えを無くしての大惨敗と札幌記念でラヴズオンリーユーを封じ込めた馬とは思えない競馬ぶりだった。

血統からダート適性に関しては間違いなく秘めているはずで、芝スタートで持ち前のスピードを活かせるという意味でも今回の舞台替わりはプラスだが、現状はレースに気持ちが向いていない印象で、恐らく今回も過剰人気必至となるとやはり手は出し辛いというのが本音。気分良く競馬がしたいだけに当然外枠ベター。

✅ソリストサンダー 戸崎圭太

揉まれない位置から持ち前の体力や持続力を活かす形を好むキャラ。

タフな流れを自ら捲って加速ラップで押し切った7走前の門司Sや、大外枠でスムーズに運んだ5走前のかしわ記念などがこの馬の好走パターン。

昨年のフェブラリーSは前述したキャラを活かす事のできる外枠からスムーズに加速する形での競馬が叶うも8着。とはいえ、当時は超が付く内有利の馬場での競馬(事実、1~3着は全て内目を立ち回った馬)。そんな馬場で大外を回る負荷の大きい競馬だった事を思えば情状酌量の余地はある。

本質的に1400mは忙しいと見ていたが、体力が求められる馬場(=当該距離以上の距離で実績ある馬の好走目立つ)と、差し馬向きのレース傾向から◎を打った前走の根岸Sは、スタートで接触の不利があった事に加え、不向きな馬群の中でごちゃつく競馬に。休み明けという点を踏まえても、敗戦止む無しと言える。

トビーズコーナー産駒らしい前向きな気性の持ち主故に距離短縮ローテが理想ではあるが、外目の枠から揉まれずスムーズに加速する得意のパターンに持ち込む事ができれば、地力は十分通用レベル。巻き返しが期待できる一頭と言えるだろう。体力を活かしたいキャラで、前述した通り気性の制御にも課題があるタイプなだけに良馬場×ハイペースが理想。

✅タイムフライヤー 横山武史

2走前の霜月Sは、直線で完全に前が壁で追い出せたのは残り1Fからというチグハグな競馬ながらゴール前の伸び脚は見どころ十分だった。前走の根岸Sは直線でタガノビューティーに蓋を去れる様な形で、やや追い出しが遅れての6着と、3走前に芝1400mの速い流れを経験した事で馬が活性化し徐々に競馬ぶりが良化している印象。

とはいえ、ここ2戦の内容ではGⅠとなるとさすがに敷居が高いと言わざるを得ない。そもそも折り合いに課題のあるタイプなだけに、距離延長ローテもマイナスに作用する可能性が高い。差し決着を先行しただ1頭踏ん張る強い競馬を見せた2年前のフェブラリーSも、チャンピオンズCからの距離短縮ローテだっただけに...

✅ダイワキャグニー 三浦皇成

初めてのダート挑戦となった2走前の武蔵野Sは、8着とはいえ厳しい流れの一列目の一番外に振られる負荷の大きい競馬だった事を思えば着順程悪い内容ではなかった。

精神的にモロいタイプなだけに、揉まれない大外枠という条件も良かった印象だが、芝で結果を出して来た馬なだけに、芝スタートを利してポジションを取る事が出来る東京ダ1600mはダートにおいては理想的なコース設定と言える。

好内容だったとはいえ武蔵野SのパフォーマンスではさすがにGⅠ級相手では基本的には厳しいと見るが、芝要素の問われる脚抜きの良い馬場で武蔵野S同様、揉まれずスムーズに先行する競馬が出来れば一発の可能性も。未だダートで揉まれた経験がなく、馬キャラ的にも揉まれる形は好まないだけに外枠は必須か。

✅テイエムサウスダン 岩田康誠

かつてはサウスヴィグラス産駒らしい気分屋で、外枠や地方等のスムーズな競馬が叶った際に高いパフォーマンスを発揮するキャラだったが、前走の根岸Sでは中団馬群できっちり折り合いを付けての差し切り勝ちと新境地を開拓。この形でも競馬が出来るのであれば、1400mであれば2,3歳時の様に大崩れをする事はないだろう。

この馬の今回のポイントは1600mへの距離延長の一点。3走前の武蔵野Sでは、内枠から掛かり気味に先行しゴール前失速という、如何にも気性面から1600mは長いという負け方だったが、前走の1400mで差し競馬に徹した事で、距離延長でも今回は3走前に比べれば折り合い面で進境を見せる可能性が高い。前走がフロック視され、今回も下位人気に甘んじるのであれば、目下の充実度も含めて警戒しておきたい一頭。

✅テオレーマ C.ルメール

ここ2戦は牝馬限定の交流重賞で外から力の違いで差し切るという競馬を見せているが、条件戦時代の走りから、本質は馬群の中で脚を溜める事のできる内枠や小回りでこそのキャラと見ている。その意味で内枠向きの長所を活かしきれない、少頭数が当たり前の交流重賞で結果を出しているという点はレース内容以上に評価する必要がある。あとはここでも足りるかどうか。個人的には、前述したインで脚を溜める事のできる馬キャラが輝くチャンピオンズCで見てみたい一頭。

✅ミューチャリー 御神本訓史

中央ダート初挑戦となった2年前のフェブラリーSで15人気ながら◎を打った様に、早くから中央GⅠ級の持ち主という評価をしていた馬

昨年のフェブラリーSでは、内有利の馬場で8枠を引かされ、後方外回しという負荷の大きい競馬ながら7着に善戦。展開や馬場の恩恵があれば、いつでも中央重賞・GⅠでも圏内に突入できるだけの脚力を持ち合わせていると断言できる。

地方馬故に経験の無い芝スタートでどうしてもここ2年は位置取りが下がってしまっていたが、3走前の白山大賞典から徐々にポジションを上げて競馬が出来る様にもなっており、成長した今なら仮に芝スタートで遅れを取ったとしてもここ2年よりはポジションを上げて競馬をする事もできるだろう。

さすがに脚抜きの良い馬場になると、中央馬のスピードについて行けず...という競馬になる可能性は高いが、長い距離で戦って来たタフさや体力を活かす事のできる良馬場での競馬が叶う様なら好走はもちろん勝ち負けまで期待できる一頭。ゴチャつく形は避けたいので外枠がベター。

✅レッドルゼル 川田将雅

ロードカナロア産駒らしく高次元でまとまっており、安定した決め手が売り。この馬に関しては、良くも悪くも特に語る事が無いと言うのが正直な所。

昨年のフェブラリーSは根岸Sを負荷のある競馬で差し切った直後という決して楽な臨戦ではなかった事に加え、川田騎手が上手く馬群に入れて多少はロスを防いだとはいえ、当時の内有利の馬場にあっては痛恨とも言える大外枠。それでも4着まで差し込む辺りはこの馬の能力の高さ故。

昨年とは異なり前哨戦を使わずぶっつけで挑むという点も好感。そもそもロードカナロア産駒らしく休み明けからしっかり走れるキャラ。高次元での話になるとはいえ、やはりベストは1400mなだけに、良馬場よりは脚抜きの良い馬場での競馬になった方が相対評価でもプラスだろう。


最後までご覧頂きありがとうございました。

人気馬の信頼度がそこまで高いレースだとは思っていないので、波乱も十二分にあると見ています。個人的には良馬場の波乱の可能性が高いと見ているので、なんとか週末の雨予報を回避して欲しい所です(笑)

最終的な予想に関しては、いつも通り週末の『推奨レース&怒りの最終記事』で公開しますので、そちらも併せてご覧頂ければと思います。

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