(5)私が親友の女の子への10年間の片想いを拗らせた話

続きです。

仕事を紹介してくれた身内の人や、いい感じになった彼もいて、もう彼女は大丈夫そうだ、と思っていたのだけれど、
実は本当はずっと大丈夫なんかじゃなかったのだ。
あーもう私なんか必要ないじゃんか、と(いやしばらく会っていない立場で何を言っているのだ)、私がふてくされて、彼女はもう大丈夫なのだと、そう思いたかっただけ、というのもあったのかもしれない。

中学の頃から、私と彼女とあと2人の、4人で仲の良かった子たちがいた。今でも、ごくたまに連絡をとっていて、ずっと、会おうね会おうねと言いながら、でもなかなか会えていなかった。
それが、やっと会えるという話になった。

けれど、彼女はこの時仕事を辞めていて、お金がどうしてもないから行けない…もう少し後なら大丈夫だ、とのことで、4人での集まりは次の月に延期することになった。

私はこの時、なぜなのかよくわからないけれど、どうしても、彼女に会わなきゃいけないような気がした。延期が決まった少し後に、むしろ4人で会う予定だった日の前日くらいに、その日彼女に会えないか連絡してみた。
それに、延期にした理由が本当に金欠だけなのかが気になった。

この連絡をするのにもとても悩んだ。あっちは住んでいる、というか彼と同棲している場所が私の住んでいるところとは遠い。だけど、本当に金欠だというなら私が彼女の住んでいる最寄りまで行けばいいと思った。なんならご飯くらい奢る、くらいの勢いでいた。
連絡するまでに本当に迷って、ちょっとキモくないか?そもそも会って何を話すんだ?と色々悩んだ末に、結局声をかけることにした。

そしてこの時、なんかもう、彼女のことを好きだったことを、言ってしまおうか、という気持ちがちらついていた。4人で会うことが決まった時点で、その日に言ってしまおうかとも、ぼんやり考えていた。
この気持ちは墓まで持ってく、とか思っていたのに。

というのもある時、
うわ、いつのまにか10年も経ってる、10年も彼女のことを好きだったのか?こんなに好きでいる予定じゃなかったのに。いや、でもほとんど会っていなかったじゃないか。もしかして、私が好きなのはあくまで昔の、中学生の時の彼女なんじゃないか?
もうあの頃の彼女はどこにもいないんじゃないか?今の彼女のことは、何にも知らないじゃないか、これって好きって言うのか?なのになんでいつまでも引きずってるんだ?バカじゃないのか?
もういい加減、私もこんな呪いに縛られてないで前に進むべきだ、そうだ、いっそのこと振ってもらおうか、
とか、色々なことを考えた。

彼女に伝えてしまって失う方が、友達としてすらいられなくなる方が怖いと、ずっと思っていたけれど、
彼女と離れていた間、彼女とは全く関係ない、夢中になれることを見つけたり、そこで仲良くなった人たちがいたり、その時ばかりは彼女のことを少しでも忘れられていた気がして、
ああ、彼女がいなくても、私大丈夫じゃん、だったらもう別に言って良くないか、そんなに失うことを恐れなくてもいいんじゃないか、と思うようになっていた。

でも、好きだな、という気持ちは消えていなさそうだったから、ちゃんと何かきっかけがないと終われないんじゃないか、とも思った。

それに、
私もこれまでたくさんのことを見たり聞いたり、経験してきて、
そして、
そんなこととは縁遠いと勝手に思い込んでいた私だって彼女だって、心を病んだりするわけで、

当然のようにあるものでも、いつ無くなるかなんてわからないし、当たり前って、いつ崩れるかわからないんだなあ、ということを、私はあまりにも身をもって実感しすぎてしまった。

それから、
私は休職したことがあるという話に少し触れたけれど、
その時に、結構マジで、死のうかなあと考えた時期があった。
私は正直、少しでも気持ちが落ち込むと、すぐに、死にたい死にたいと、日常的に言うような人間ではあった。でもこの時はかなり参っていて、
薬やお酒を使って楽に死ねる方法を、一晩中一生懸命調べたり、
死ぬ前にこれだけはやっておきたいと思うことを考えて、リストアップしたり、
実行し始めたり、
そういうことをしていた。
死ぬのなら、もうお金はいらないよな、と突然散財したりもした。
結局のところ、流石に自殺未遂とかまでは行かなかったけれど。
この時に、死ぬ前にやっておきたいこととして、「あぁ、死ぬんだったら、その前に彼女に好きだったこと、言いたいなあ」とも考えていた。

つまり、いつ死ぬかわからないし、いつ死んでしまってもいいようにしておきたい。
死なないとしてもいつ会えなくなるかわからないし、もし好きだったことを伝えられずに会えなくなってしまったら、あれ?私、それだけは本当に、間違いなく死ぬほど後悔するな、と思った。実際、当然4人で久しぶりに会えると思っていた日も会えなくなったわけだ。
だったら、いつ会えなくなっても死んでもいいように、彼女に、言ってしまった方が良くないだろうか?という思考にたどり着いた。

なんだかもう、好きというより、固執してるような、執着しているような、依存しているのか、なんなのかもうよくわからない。

でも、こうやって色々なことを今思い出して、まとまってはいないけれどちゃんと言葉にできてるのも、色々考えたりするのも、
最近彼女と久しぶりに会ったり連絡とったりするようになったからで、
こんなに誰かのことで頭が一杯になるのも、彼女くらいなんだよな、と思ってしまうと、本当に自分でもよくわからない。

友達4人で会えなかった日に会いたい、と連絡をしてみた話は結局、
金欠というのも確かにそうだけれど、やっぱり、本当は体調も不安だからという理由だった。
だから、私と会うのもその日朝起きてみたときの体調によると思う、とのことだった。
私はこの日、何も予定はなかったし、きっとそういう感じだろうと、予想はついていたから、
ドタキャンでもいいし、すっぽかしちゃっても全然いいよ、この時間くらいまでに連絡くれたら動けるよ、とだけ伝えた。
結局その時間を1時間くらいすぎてから連絡が来て、結局この日は会えなかった。

ここで、あぁやっぱり、会いたくても会えない状況になることってあるんだ、
やっぱり伝えられる時にちゃんと伝えなきゃいけないかもな、と少し焦った。

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