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美容ビジネス〜韓国に学ぶ、美容マーケティング

なぜ、K-Beauty(韓国美容全般)が女性の心をつかんでいるのか。
僕は、韓国コスメや美容法に深く興味を持っています。
K-Beautyが作る最新トレンドについて理解するために、韓国コスメのデザインやコンセプト、プロモーション方法、美容法のエビデンスなどのマーケティング分析を行うことが多いです。
今回は、今後の美容ビジネスとして、K-Beautyトレンドについてと、韓国のエンタメから学ぶビジネストレンドについても、ケースステディとして書いていきます。

韓国コスメトレンド

韓国の消費者は、日本人に比べて、化粧品成分に対しての関心が高いという特徴があります。
カタツムリエキスシンエイク(毒蛇エキス)など、奇想天外に話題性を呼び、競争力を底上げした化粧品成分も、一定期間を過ぎると、一気に商品としての優位性を失ってしまうため、知恵を絞り、試行錯誤を繰り返して商品開発を行っているのが、韓国化粧品市場の特徴だと思います。
現在、韓国国内には、約3万ブランドが乱立していて、成分面におけるクオリティの底上げが常に行われていますが、各ブランドが差別化を図るために、新成分を配合したあらゆるタイプの商品が市場に溢れていますが、僕的には、皮膚再生に特化した成分配合の化粧品が強く感じます。

ここ10年くらいは、発酵成分を配合したスキンケア商品が増加、最近では、乳酸菌、ビフィズス菌配合の化粧品も注目されています。
プロバイオティクス成分を含んだ、肌再生も行える化粧品は、現在の小さなブームから業界のトレンドとなる予感がします。

容姿が重要な韓国社会

韓国は、化粧品や美容整形手術のレベルが高い「美容大国」というカテゴリーが確立し、韓国ドラマやK-POPの人気と共に、韓国美容が世界へと広まっています。
企業が、韓流スターたちを起用してマーケティングを行い、『K-Beauty』と打ち出した国策として、輸出を推し進めています。

韓国が美容大国と言われるようになった背景には、外見の劣等感から、国内で質の高い化粧品や美容が求められてきたからであると考えます。
ちなみに、韓国最大手検索ポータルNAVERでは、2014年11月から連載された『外見至上主義』という漫画が人気を博しました(現在、日本語にも翻訳され、LINEマンガでも公開されています)。

日本では、いくら仲が良くても、相手の容姿を悪く言う事はタブー傾向にあります。
しかしながら、韓国では、身体的な特徴をストレートに相手に伝える傾向があります。
明洞のコスメショップの販売員は、推しが強いだけでなく、お客様の容姿の悪いところを指摘し、商品を勧めるといった接客をします。
顔や体形などの容貌に関して触れることがごく普通であるために、必然的に容姿に対する意識は高くなり、韓国で美容分野が発展した理由に繋がっていると思います。

韓流ドラマに見る美容ビジネス

若者のトレンドスポットが、原宿から新大久保に変わっています。
K-POPや韓国のファッション、コスメ、食、韓流ドラマという複合型の要素が、若者向けポップカルチャーのひとつになりつつあり、「第4次韓流ブーム」と到来と言われています。

そんな中、韓流ドラマが化粧品などの美容市場に大きな影響を与えています。

韓国の映像コンテンツと言えば、『パラサイト』を筆頭に、骨太な社会派映画を推し、純愛至上主義な韓流ドラマは、女性の見るものと決めつけている日本の男性は多いと思います。


ちなみに僕は、『愛の不時着』など、今年に入って韓流ドラマにハマりました(筆者は梨泰院クラスがイチ押しですw)。

サイバーエージェントが運営する動画配信サービスABEMAの「韓流・華流チャンネル」という韓国コンテンツを配信するチャンネルは、中高年女性以外にも、若い10代~20代のユーザーが多く見られます。

もともと韓流ドラマの関係者は、『冬ソナ』から20年近く経ち、日本での韓国ドラマのファンの平均年齢が上がり、どうすれば若年層を開拓できるのか、試行錯誤していたそうです。
そこに若いユーザーを持つAbemaが、韓国での初放映から2,3年後に、韓流ドラマをライトユーザー層向けに配信、そして全世界同時配信権を買うNetflixが登場してきたことで、広い層に届くようになりました。

若者は、ドラマのイケメン俳優にハマると共に、美人で可愛い女優にもハマり、彼女たちのSNSをチェックします。
特に、アイドルから転向した女優は、若年層から支持を得ていますので、インフルエンサーマーケティングが成立します。

また、韓国の“美肌製造工場”と呼ばれるブランド「魔女工場」も日本に上陸しました。
専属モデルは、『愛の不時着』不動のヒロイン、女優ソン・イェジンさんで、説得力抜群です。

参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000061405.html

中高年女性以外に、若年層も男性もハマる韓ドラが、矢継ぎ早にドラマ市場に投入されれば、さらに日本美容市場に影響もたらすかもしれないと思います。

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