石川 信雄『シネマ』より

復刻版, ながらみ書房, 2013. 底本は歌集茜書房, 1936.

われの眼のうしろに燃ゆるあをい火よ誰知るものもなく明日となる

悪口(あくこう)の投げあふテエプ青に黄に入れまじる空に今は見とれる

かなたから手はかざされぬいつかわれ真白い花のきもの着てゐる

ひとびとの寄つてたかつて投げつける黄の花のしたにうづもれて伏す

スポットで追はれてるやうなはにかみよ今日もあてどない街のさまよひ

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