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冬のニッカウヰスキー、北海道蒸留所

小樽に訪れたことは何度もあったが、なかなかニッカウヰスキーの蒸留所に訪れる機会に恵まれず、今回ようやく念願かなって訪れることができた。
しかも、今回は滞在している赤井川村から往路は送迎してもらい、復路は村営バスということで見学ツアー後に試飲もできたし、蒸留所のバーで貴重なウィスキーを飲むこともできた。

蒸留所の見学ツアーは前日までにウェブページから申し込まなければならないが、スノーボードツアーに没頭していたために失念。当日、電話するもつながらず、受付で事情を話すと電話がつながらないのは施設が停電しているため、そして当日、雪の影響で札幌から小樽までの交通機関が復旧するまで申し込んだ人も来ない。手配しますのでお待ちくださいと伝えられ数分後、自分ひとりのために案内してくれる女性が現れた。完全VIP待遇だ!
ウィスキーの蒸留所見学はサントリーの白州、キリンの富士御殿場に次いで3つ目だ。行程は大まかに理解していたもののピートの風味がなぜあのようにを知ったのは今回が始めてだった。

ウィスキーの蒸留行程

当初、余市川の底から採取できるピートを活用して実際にこの蒸留所で乾燥の行程が行われていたが、現在は北海道蒸留所で乾燥、大麦に含んだ水分をとばすために行程は現在行われておらず、ピートで香りづけされた大麦がイギリス(連合王国)から輸入されている。これは生産量が多くなった昨今、蒸留所の設備ではおいつかなくなったためのようだ。この設備は流通製品には使用されていないが、研修などで使用されているようでその際は石狩川で採取できるピートを使用したりするようだ。ちなみにウィスキーで使用されるのは二条大麦。六条麦茶で使用されているのが六条麦。いろいろ種類があるのだろう。というところまで理解した。

麦の乾燥工程で使用される建物
ニッカウヰスキーの前身、大日本果汁時代から使用されている蒸留所内最古の建物
冬季は落雪の恐れがあるため中に入れず。乾燥された麦の粉砕行程。地下の管を通りポットスチルへ送られる。
ポットスチルに火を入れるときに石炭を使用しているのは日本で唯一
余市と宮城経ではポットスチルの形状に違いがある。これによって味わいにも違いがでるのだ。
貯蔵庫は年代によってその時代の建築様式が採用されてる
貯蔵庫の中、創業当初のものもそのまま使用されている。
お楽しみの試飲は余市、スーパーニッカ、アップルワイン
味を吟味しているとあっという間に時間がたってしまう。
ミュージアム展示物より、蒸留所は余市川のすぐそばに立地している。
スーパーニッカ、こんな素敵なストーリーがあったとは知らなかった。
試飲以上に楽しみにしていた蒸留所のバー。
シングルカスク余市10年(原酒)、シングルモルト余市2000s、シングルモルト余市10年
個人的には2000sが一番好みだった。原酒は塩味を思わせる味が海の近くだからか?など
妄想にふけることのできた3杯だった。
移築された旧竹鶴邸。和洋折衷でこの外見で障子が使用されていたりする。
公開されているのは右側の玄関ホールのみ
和洋折衷の建築様式だが趣があって良い

ウィスキーの蒸留所として3か所目の見学であったが、年数が経つにつれ知見が深まるし、歳も重ねているので思うことは都度大きく変わってくるが、マッサンがウヰスキーを作りたい思いを体現したその場所を目にし、そのストーリーに出てくる今なお現存する建物を目にすることができたことは感慨深かった。また雪がない季節にも訪れてみたいと思う。
そして、当日にもかかわらず、時間帯で見学希望者が1名だったにもかかわらずご対応頂いた関係者の皆様にも感謝したい。