【短編小説】『三途の川食堂へようこそ!』第3話【全8話】
第三話 賽の河原の積みハンバーグ
賽の河原と言えば、親より先に死んだ子供が父母の供養のために石を積んでは鬼に崩されるという責め苦を受ける場所と言われていた。
三途の川が観光地化した今は、縦横三十センチ、厚み五センチの軽石を、定期的に現れる鬼に崩されるまでにどれだけ高く積めるか競い合う人気のアトラクションになっている。
『昔は怖がられたもんだが、今じゃキャーキャー黄色い声援が来るからなぁ』
『鬼の一生わからんものよなぁ』
『石が軽石になったのと同じで俺たちの存在も軽く