【短編小説】『三途の川食堂へようこそ!』第7話【全8話】
第七話 最期の晩餐 とろふわ親子丼
あっという間に一年が過ぎ去った。店はそれなりに上手く回り、壺から一文銭があふれそうになっているので、残りの一週間は全品無料で提供することにした。
『閉店まで、あと七日かー。寂しくなるわー。何とか続けられない?』
『無理を言って困らせてはダメだよ。まぁ、僕も続けて欲しいんだけど』
奪衣婆と懸衣翁は、毎日一緒に食べに来るようになっていた。別々の料理を頼んで仲良く分け合う姿が実は少々うらやましい。
『本当になぁ。ずっと続けてもらえないも