『シンクロナイズドモンスター』感想(ネタバレあり)
「結論」
オスカー、お前カウンセリング受けてきなよ……
(ジャンル:ドラマ、コメディはどうかしてるよAmazonさん)
「ざっくりとしたあらすじ」
物語は、リストラされて酒に溺れ、遊び惚けるヒロイン(アン・ハサウェイ)に嫌気がさした彼氏(ティム)がヒロインを家から追い出すところから始まります。ヒロインは自宅に戻る道中で小学生時代の旧友(オスカー)と会い、彼の経営するバーでウエイトレスの仕事をすることで生計を立てることになるのですが、その生活を通し韓国に出現した巨大怪獣と自分が、一定条件下で完全にシンクロしていることに気づいてしまうのです。
そのことを旧友とバーの常連に打ち明けるのですが、なんと旧友も巨大ロボットとして韓国に降り立つことができることが判明します。強大な力を得てしまった二人、物語はどう進んでいくのか。
「感想」
①全体として:「何も分からん」
布石らしきバックグラウンドは存在するものの、大きく掘り下げられることなく、順番もなく雑に放ってあり、後になって「ああ、そういう話だったのか」と理解できるようになるのですが、それも完全ではなく、生煮えの理解で話が進むので何もかも飲み込みづらく、物語が都度何にフォーカスされ、どこに向かいたいのかがまるで分からない作品でした。それでいて絵的な派手さも特になく、巨大怪獣の動きも非常に軽く、チープな感じが出ていました。そこは狙っていたのかもしれませんが。(作品を観ながら残り時間をめっちゃ確認してしまうくらいには視聴継続が辛い)
後半では旧友がヒロインを縛るために力をチラつかせるものの、ヒロインを縛れないと判断した旧友が韓国の破壊を敢行、それを阻止すべくヒロインが行動する図式が出来上がるのですが、そもそもヒロインは作中でクズムーブを繰り返すために、それを反省してヒロイン性を獲得することもないですし、仮に旧友がメンヘラだったとしても、正義面して旧友の前に立ち塞がるのは無理があるように感じられました。そして、結局旧友がヒロインに固執する理由は最後まで示されず、その心理面での解消方法も示されないまま、最終的に物理で解決するので、どの方向にも気持ちよくない散漫な作品として終わった感じでした。(シンクロ能力の条件も、小学生の頃に作ったオブジェと人形、今は公園になっている土地と、そのときの不思議な体験が関係している模様なのですが、最終決戦の際に、韓国を攻撃しようとして公園の土地に入った旧友を、逆に韓国に降り立って、韓国からその公園に巨大怪獣として逆アクセスし、攻撃できたのも良く分からない)
②ヒロインについて
顔は良いが、頭が悪く自分勝手で、手癖も悪い、残念系ヒロインという印象でした。
巨大怪獣とシンクロしている間に動き回れば被害が出ることぐらい分かりそうなものなのですが、それはやらかしたあとに気付き、大きく後悔することになります。失業のきっかけになったライター業でのやらかしもお粗末なものであったことがあとで説明されるので、頭はあまり良くない描写が断片的になされます。(寧ろそっちを先に言ってくれないとアホさ加減にめちゃくちゃビビってしまう)
元カレに電話しまくったり、それでいて放置しまくったりで、言動も基本的にかなり自分本位ですし、信念のようなものも見えないので、共感できるポイントが全くなく、バーの常連に手を出したりもしますし、含めてルックスで色々解決してきた女性なのだろうか、という印象でした。ある意味メンヘラ的ではあるので、本作はメンヘラのハッピーセットと言えるかもしれません。
③旧友(オスカー)について
メンヘラが過ぎるがどうしたんだお前…カウンセリングに行こうな……
④その他感想
分からないポイント①
冒頭、彼氏(ティム)から追い出しを食らうもなぜか居残るヒロイン(茫然自失にしてもそこまで衝撃を受ける背景描写がないし、当然の報い)
分からないポイント②
ウェス・アンダーソンっぽいという喩え(どの辺が!?)
⑤良かった点
布団は英語でも"Futon"なのを知って嬉しくなりました。
以上です。
ここまでお読みいただき有難う御座いました。