見出し画像

銛を買う前に読んで欲しい   ~選び方とセッティングのコツ~

【銛ってなに?】
魚突きをするための必需品。シャフトと呼ばれる棒にゴムを付けて飛ばす。

「魚は銛がとるんじゃない!自分がとるんだ!」
という名言もあるが、実際のところ銛の性能で突ける魚は大きく変わる。

この記事では、僕が今まで使ってきた銛を具体的にあげながらその性能やセッティングについて書いていく。

魚突きを始めるなら 竹ヤス

魚突きを始めたい人におすすめなのが竹ヤス

画像1

釣具屋などで1000円前後で売っている。似たもので青ヤスというものがあるがサビるのでシャフトが竹でできたものを選ぼう。

長さは70cmくらいで銛先が3又から5又になっている。軽いので岩を撃っても壊れにくい。ガシガシ使って魚突きの基本を覚えよう。(魚突きの基本についての記事も後々投稿する)

竹ヤスは短いので扱いやすい。潜る邪魔にもならない。始めたてのうちは潜るだけでも精一杯で、魚が散ってしまって全然突けないことだろう。どうすれば逃げられないか?頭を使う訓練になる。

海は魚のフィールドで無策な人間では通用しない。こっそりと泳いだり、岩陰に隠れたり、穴の中に入った魚や寝ている魚を狙ったり、真剣に考えてみよう!魚は命懸けで逃げるんだから簡単には突けない。

僕たちの間では竹ヤスで10種突けたら長い銛を買ってもいいという暗黙のルールがある。10種突くのは意外と大変。ただ、1匹ずつ突ける魚が増えていく感覚は他では味わえない楽しみで魚突きにどんどん魅了されていくことだろう。道具をアップデートすることはできないので自分の腕を磨くしかない。ここが魚突きの醍醐味だ!

初心者からベテラン魚突き師まで 2~4m 万能銛

竹ヤスの扱いに慣れてくるとどうしても突けない魚が出てくる。例えばカンパチなどの回遊魚。距離感を測るのが上手くどうにも射程に入らない。そうなったら長い銛が欲しくなってくる。

僕はゴルフシャフトを使って銛を自作した。ジャックナイフさんに自作銛の製作マニュアルが載っていたのでそれを参考に2mの銛を作った。他にはネットで買うこともできる。僕のおすすめはファルコンや伊藤銛など3本継ぎの銛を2本継ぎで使うことだ。将来的に大型のヒラマサやクエを狙いたいと思ったら3本継ぎとして使うことができる。

長い銛を使うと感動することだろう。今までなんとか寄って突いてた魚が簡単に突けるようになる。ただし、ここで間違って欲しくないのが最初の格言。「魚は銛がとるんじゃない!自分がとるんだ!」だ。

銛が長くなってもバシャバシャ泳いでたら魚は散るし、どこに魚がいそうか考えられなければそもそも魚に会うことさえできない。竹ヤスで学んだ基礎があってこそ射程の長さが活きてくる。

もしかするとこの長さの銛が一番万能かもしれない。穴の中にいるイシダイやクエを狙いやすいし、カンパチやブリなど寄ってくる回遊魚も突ける。何より水中で振り回すことができて使っていてストレスがない。僕もヒラマサシーズンが終わったらこの長さにすることもある。

対大型魚専用 4~5m 長尺銛

この長さになると途端に扱いづらくなる。水中で横に振れば銛がしなって真っ直ぐ飛ばないし穴を覗こうとしても銛が引っかかってしまう。

ではどうして、銛をこんなに長くするのか?それは、警戒心の高い魚をとるためだ。

大型の回遊魚やクエ、スジアラは非常に警戒心が強くなかなか近寄ることができない。身が分厚く貫通することも難しくなる。そこでもっと射程の長い銛が欲しくなる。

僕は自作銛を最初2mで作って浅場でオカズ突きをしていた。イシダイやキジハタなどを突いて楽しんでいたが一緒に潜る仲間が60cmくらいのカンパチやときにはメーターオーバーのヒラマサを突いてきて本当に同じ海に潜っているのか疑問になるほど羨ましかったし悔しかった。

そこで銛をどんどん長くして自作銛で4.6mまで伸ばした。この長さにしてどんどん練習したらカンパチやワラサは突けるようになったがメーターオーバーのヒラマサはどうにも突けず、最後はシャフトの強度に見合わない強いゴムを引いて銛がバキバキに折れてしまった。

そこで手にしたのが伊藤銛だった。長さは同じですぐに手に馴染んだ。しかしゴムのセッティングが決まらなかった。それは今までの自作銛の感覚が残っていて強いゴムを引くのが怖かったからだ。これ以上引いたら折れるんじゃないか?巻き引きってこれでいいのか?そんなことをどこかで考えてしまっていた。

しかし、魚突きの師匠から「伊藤銛ならゴムをもっと詰めた方がいい。ゴムにはその性能を発揮できるベストなセッティングがある!」と言われ思い切って11mmで120cmあったゴムを10cmほど詰めた。

※ゴムの性能を発揮するには3倍以上伸ばして撃ちたい。ゴムは張り切った状態でないと性能をほとんど発揮できない。後端シャフトからゴムの長さ×3倍の位置にレストタブを作るのがおすすめ

伊藤銛はとても頑丈でかなりゴムをきつくしてもしならず、初速・貫通力ともに最高の銛になった。それから2週間ほどして初めてのヒラマサを突くことができた。

伊藤銛の他にも長い銛は色々ある。ここでは僕が今まで使っていた伊藤銛とファルコンの使用感やおすすめのセッティングについて書いていく。

ジャイアントキリング 超頑丈 伊藤銛

まずは基本スペック
・長さ 前後シャフト180cm中間シャフト100cmの合計460cm。
・重さ バージョンによって様々だが1100g前後。
・強度 質の高いカーボンを使っていてとても頑丈。11mmのゴムを2本引きで巻き引きしなくてもしならない。
・値段 65000円
・シャフトの太さ 17mmでかなり太く握りやすい。強力なゴムを引く際に握りやすさはとても重要

僕なりのセッティング
対ヒラマサのぶっ飛びセッティングを紹介しよう。

ゴムはライフの11mmを2本引き。
ゴムの長さは110cmでレストタブは後端から330cmのところに付けている。そこから15cmほど伸ばして撃つので3倍強伸ばす計算になる。

押し棒は64チタンを愛用している。64チタンは非常に軽く初速が高まる。伊藤銛はシャフトが重いので押し棒は軽くしている。64チタンを8mm50cm、6mm50cmで繋いで垂れないようにしつつ長くしている。ここにチョッキ銛先がつくので全長は約570cmになる。

動画を見てもらえれば分かるがおよそ6m先の巨大ヒラマサを貫通する射程と貫通力が出る。

何でもござれ 超万能 ファルコン

基本スペック
・長さ 前後シャフト180cm中間シャフト90cmの合計450cm。友人がオーダーメイドで長さを調整してもらった
・重さ 850g前後
・強度 頑丈。11mmのゴムを2本引きで使ったところ巻き引きすればしならず真っ直ぐに飛んだ。
・値段 80000円(オーダーメイドの長さのため割高だったらしい)

僕なりのセッティング
40kg級のヒラマサに伊藤銛を持っていかれてしまったため購入し対ヒラマサへのリベンジ用にセッティングした。

ゴムの種類や太さ、長さ、レストタブの位置は伊藤銛と同じ。

押し棒はピアノ線というとても重い鋼材を1mで使用。シャフトが軽いので押し棒を重くして貫通力を上げた。10kg級のヒラマサなら貫通したが、20kg級になってくると近くへ寄っても貫通できなかった(背骨にうまく引っかかって回収できた)

あなたの好きな魚はなんですか?

この他にも銛はたくさんあるが、とにかく自分が突きたい魚に合わせることが重要だと思う。同じ銛でもセッティング次第で万能にもできるし対象魚に特化させることもできる。キラキラ塗装をして魚を寄せるなんてことも面白い。自分だけの銛で魚がとれたらそんな幸せなことはない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?