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Stop to Start ~ 立ち止まる場所

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人はみな走っている
自分の証を刻むため
自分の家族を養うため
時の流れとともに、精一杯走っている

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人はみな登っている
より上の場所へ
より上の地位へと
今の居場所を見つめずに
ただ上を目指している

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でも、走っているだけでは息切れする
周りの景色も見えなくなる
疲れと怒りがたまっていき
自分の居場所を見失い
自分自身を忘れてしまう...

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...立ち止まってみないか
今という時を、今という場所を、
今の自分を見つめてみないか
周りの景色を眺めてみないか
道行く人と話をしないか
立ち止まって
いろいろなことを考えてみないか

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そこには驚きがあるだろう
自分がここまで走ったことへの
自分がここまで登ったことへの

そして人は気づくだろう
道ばたのきれいな花に
道行くたくさんの仲間たちに
そして今いる自分の場所に

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立ち止まって
人は初めて周りを見渡す
そしてそれから自分を見つめる
自分はあとどれくらい走るのか
どれくらい登るのか
今の居場所を確かめて
今の自分を確かめて
そして再び走り出す

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いつか再び人が立ち止まる時
昔立ち止まったその場所は
懐かしの思い出の場となるだろう
精一杯走って、立ち止まって
人は思い出の数を増やしていく

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…立ち止まってみないか
今という場所を
今という景色を眺めてみないか
それはきっと何時の日か
素晴らしい思い出となるのだから

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※この詩は、1996年の第47回駒場祭のキャッチコピーの元になった詩です。

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