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髪がフサフサだった私がカツラを着けた理由/かつら・ウィッグ専門店経営

私はオーダーメイドのメンズウィッグ・男性用カツラの専門店を経営しております。今回は2008年の創業年以来、私がカツラを着けて生活をしている理由を書きたいと思います。

創業当時の私の自毛はフサフサでしたので、思い切ってバリカンで剃りました。文章に「創業当時の」と書かなければならないのが悔しいです。つい最近、ツムジ付近の毛が、薄く細くなっていたことに気付きました。

今までずっと、自分の髪は薄くないと思い込んでおりました。鏡で何度も確認し、光の加減か?寝癖か?と、良い方に良い方にと考えましたが、スタッフにツムジの写真を撮られて見せられた時はビックリしました。何か証拠を突きつけられた感じでした。

これは剃りたての姿です。多少髪が伸びてもカツラを着けられるので、毎日剃ることはしません。


では、本題に入ります。
何故、私がカツラを着けての生活を始めたかというと、お客様からの要望で「実際に人の頭に着けているところを見たい」との声があったからです。本当にその通りですよね。売り手側がカツラを手に持って「このオーダーメイドカツラは自然です、いいモノです」といくら熱弁しても、お客様の心には響かなかったと思います。

当店に相談にいらしたお客様には、カツラやウィッグの試着をしていただきます。しかし、試着用のカツラやウィッグは、お客様に合わせて作った製品ではないので、本当のオーダーメイドの良さは伝わらないと思いました。その点私のカツラは私に合わせて作ったものなので、それを見ていただく事はとても意味があると思いました。

お店をオープンし、試行錯誤していたそんな時に、テレビでよく売れる実演販売を見ました。値段が高めの台所用品が飛ぶように売れるのを見て「よし!カツラをやろう、剃ろう」と決めました。まぁ、そのお客さんはサクラだったかもしれませんが。

下の画像は、カツラを着け始めた頃の私です。今よりも長めで、剃る以前の髪型もこんな感じだったと思います。

カツラを着けて接客した結果、アートリイドのオーダーメイドカツラの自然さや良さをアピールできたと同時に、カツラ生活における適切なアドバイスも積極的に自信を持ってできるようになりました。

それまでは、お客様から何を質問されても、人から聞いた知識と想像でしか答えられませんでしたが、自分自身がカツラ生活を送ることで、アドバイスに正確さが増し、より具体的にできるようになったのは大きな収穫でした。

勇気を出して剃った甲斐がありました。「カツラを着けて良かった」と心の底から思いました。大袈裟にも「心の底から」と書いたのは、経営者としての必死さを込めたからです。東日本大震災、コロナ禍と、もう本当に色々あって大変でしたので。

創業以来ずっとアートリイドを利用してくださっているお客様も多く、本当にありがたいです。
今後は、カツラやウィッグ生活での注意点や感想などを書きたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。