薄赤紫の夕空

僕の中には花園があり空があり小鳥が舞う。天使がいて透明なピアノがありみな踊る。真空状態、時は止まり。一呼吸ぶんの空気たりとも入ってこない。出ていかない。
(潔癖。内世界の清潔感に対する異常なまでの追求。外世界の穢れに対する異常なまでの恐怖、嫌悪。)
僕の中には地獄がある。ドロドロ。体温。湿度。身体が剥がれて、肉に押しつぶされる。窮屈だ。子宮の中だ。逃げろ、逃げろと必死に編んだ言葉の笹舟は誰かさんの本能とやらの急降下爆撃をくらって、一つ残らず沈む。
嫌いだ……。
幼稚と健気の間に流れる大河を泳ぐのは、それはとっても泳ぎがうまくなくてはいけない。あるいは、流れ流されて、地獄に堕ちるんだ。
いいか、世界っていうのは……いや……やめ……やめだ……くだらない……ぜん……ぜんぶ……結局は……いろいろな形の……地獄があるってだけさ……
僕らは必死に這うのだ、浮かぶのだ、泳ぐのだ、息をするのだ

くれぐれも

世界って言葉を使うな、それは、世界のふりをした、おまえさんの、ただの景色、違うか?

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