終わりのない追憶

秋が去ってしまう速度よりもずっとはやく
駆け抜けていった僕らの季節
宙の星よりも高いところから 碧い煇を投げかける
透明な水色で 水銀みたくきらきらで
恥ずかしくなるくらいあたたかくて
悲しくなるくらいやさしくて
僕らの全部を持っていった
あの季節の名前 もう二度と思い出すことができない

永遠を僕の詩の中に閉じこめて
僕はその上に腰かけて
泣くんでも ため息つくんでもなく
瞼の裏に浮かんでる 深緑の輪郭のもやもやを眺めていよう
ずうっとうずくまっていよう
誰かが僕の肩に手をかけて
そうして僕が生まれるまで

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