シルエットで分かるキャラクターは美しい


はじめに

拝啓 母上様
前略
中略
攻略
…さようなら


キャラクター造形概論を語れるほどの知識と技量はないので、
改めて「初音ミクってすげーな」と思った話を。


初音ミクの造形レベルの高さ

緑髪ツインテを描いただけで初音ミクになります。
なんなら立ち絵のシルエットですら同定可能なレベルで
特徴的なほど大げさなツインテールをしています。

華奢な体躯&過度な露出がないため宗教的なタブー要素がなく
これが世界中で愛されている要因ではないうかと思うわけです。
音楽シンセサイザーとして作られているからか、
イラストそのものにも露骨な媚びやセックスアピールがなく
あくまで「かわいい」キャラクターとしてのパッケージガールというのもポイントですね。
VOCALOIDとはそもそもなんぞや、という時代ですから、目の付きやすいもしくは親しみやすいキャラを設定するのは英断だと思います。
事実草創期~黎明期の楽曲は彼女の名を取り込んだ楽曲もあったくらいですし。
3月9日(ミクの語呂合わせ)と販売日(8月31日)で一年に2回盛り上がれる日があるのもこれまた素晴らしいなと。ただのソフトウェアだとここまで盛り上がることはまずないので、キャラクターそのものと楽曲が長年愛されている証拠ですね。ちなみに本日が8月31日なのを先ほど思い出しました。


余談:私が初音ミクという存在を知ったのは2007年のYahooのネット記事なわけですが(確か9月上旬~中旬)、その後にYoutubeで楽曲を聴いて度肝を抜かれたのを覚えています。人の声ですら代替可能なのかよ、と。
当時は音の薄いペラペラmidi音源に調声なしベタ打ちミク声のカバー楽曲が大量に投稿されていました。時代ですね。
当時波乗りジョニーのカバーとか聴いてたのを覚えています。検索したら恐らく当時聞いていた動画が出てきてビビりました。12年振りに聴いてます。
それもあり、音に厚みのあるオリジナル楽曲が余計に印象深かったです。
自分の声を当てたくないor女声を出せない方がミクに歌ってもらうというのは本当に革命だと思いました。比喩でもなんでもなく新しい時代の幕開けだと感じましたね。


対照的にDreamtonics株式会社で販売されているSynthesizer Vは
自社ボイスにキャラクター像を設定していません。
合成音声ソフトが浸透した今はこういう売り方もいいですね。
声のみなのでいい意味で手垢がつかないので。
SynthVに関してはクオリティが高すぎて仮歌依頼をしなくなったというプロの声をちらほら耳にします。
確かに私もMaiの歌声を聴いたときは本気でビビりました。



閑話休題。話がそれすぎて合成音声の歴史とかニコニコ動画に投稿されたVOCALOID楽曲の年ごとの推移とか話しそうになったので戻します。

ミクについて、通常頭身でないSDキャラでも間違えようがないフォルムは
非常に良く練られた造形だと感心するばかりです。
その場合ミクダヨーとかはちゅねミクみたいな派生キャラも存在しますが。

唯一無二の造形というのはどこの業界でも強みになると思います。
だからといって「俺は絶対一発で判別するキャラを作るぜ!」
といって奇をてらったキャラクターを作ると悲惨な結果になります。
中身を練らないとキャラの見た目先行で「ただ奇抜なキャラ」として
消費されて終わりですからね。
下手すれば消費されれば御の字、というものになったりします。


コスプレが遠目からでも判別できる

シルエットでもわかるレベルのキャラは遠目からでも判別できます。
特定の服を着たら一発で判別可能(うる星やつら:ラムちゃん)など、
髪と服装どっちも揃って特定できるキャラクターは数多くいるのですが
ただ緑髪でツインテにしただけで老若男女だれでも「ミクだ!」
となるのはかなり強いです。

シルエット:著名なキャラクターを考える

孫悟空(ドラゴンボール)
ボボボーボ・ボーボボ(ボボボーボ・ボーボボ)
骨川スネ夫(ドラえもん)
ミッキーマウス(Disney)
野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)

コブラ(COBRA)

何のポーズもしていないただの立ち絵として考えています。
デフォルメされたキャラクターはシルエットでも分かりやすいですね。
人でないキャラクターも基本的には特徴的です。おんねこちいかわとか
あとは動きがあればシルエットでも分かるキャラクターは結構います。
(ジャンプ中のマリオやロックバスターを掲げているロックマンなど)

今となってはキャラの立ち絵そのものが有名すぎてシルエットを貫通しているケースも比較的見受けられます。


やはりシルエットでキャラクターを特定する際に最も見られる場所は髪型ですね。次点で体型。
基本的にはキャラクターだけでの同定はあまりにも難しすぎるため付属品
(フリル・魔法のステッキ・大きい髪結いリボン・帽子・一緒に居る妖精)
などから考えるケースがほとんどですね。
スポーツ少年ならボール類もあったり。

キャラクターを作る際は必ずシルエットでもわかるキャラでなくてはならない、という話をするつもりは毛頭ないですが
「このキャラクターが特徴的な理由はどこにあるのだろう?」
という理由を考える際にはひとつの参考になると思います。

ポケモンだーれだ(Who is That Pokemon?)は特徴的なシルエットを活用したいい例ですね。

It's Pikachu!!!!!!!!!!!! [要出典]


色のみでもわかる明瞭さ

例として野原しんのすけをば。
漫画版は黄色のTシャツ、薄紫の短パンというスタイルで
アニメは赤色のTシャツ、黄色の短パンというスタイルです。
実は漫画とアニメで色味が違うというキャラクターは結構存在します。
例えば地獄先生ぬ~べ~の玉藻京介は原作は金髪、アニメは銀髪と、
セル画の問題でアニメで原作の色味を完全に再現しきれず泣く泣く変更……
という事情があったそうです。

話を戻して、数色のみでそのキャラクターを表現できるというのはかなりプラスに働きます。色味だけで連想させられるということですからね。
アニメ版のしんのすけはちょうどドイツ国旗と同じ色なのでたまにネタにされます。

画像を入れるのが面倒なので■←こいつにカラーコード何色かぶちこんで「この色の羅列はこのキャラクターに見えるよね!」ってやりたかったんですがどうやらnoteには文字色変更が存在しないらしく。かなしい。

赤色とオーバーオールの紺色を配置すると配管工になるし
赤と白のボーダーにするとよく探される人になるし
オレンジ・赤・緑の配色にすると7-23時までいい気分になりますし
もちろん初音ミクもここに当てはまります。

カラーパレット ○○(作品名かキャラクター名)で検索したらある程度解説してくれるサイトもどこかにあるのではないでしょうか。
何も調べてないので適当言ってますが。
「色だけでキャラクター」で調べたら私のやりたかったことをやってる先駆者がいたのでそちらを楽しんでください。案外答えられてびっくりします。


まとめ

・シルエットでわかるキャラしゅごい
・色を2,3点出したらわかるキャラしゅごい
・どっちにも該当するキャラんほおおおおしゅごいのおおおおおおおおおお


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