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内容証明郵便が出てきた

 USBメモリが必要になったので中を見てみると以前騒音が酷かった隣家に送りつけた内容証明郵便の中身が出てきた。
 我が家も隣家も一軒家で隣家は海外の高級外車を愛用しており、いい加減ウンザリしていた。2台持っており、家屋内の計測で普段使いは平日朝に60db超、お気に入りは週末の朝に80db出していて毎度5分以上暖気をさせていくからうるさくて仕方がなかった。
 証拠も充分揃ったし、そろそろ動くかということで手始めに送ったのが以下の内容証明郵便。

通知書

前略  私こと、らいとまんは、隣に住む者として貴殿に対し、次のとおりご通知します。
 貴殿は、少なくとも20yy年m月頃から現在にいたるまで、自動車による騒音を継続しています。
 今年のm月d日には新しく自動車も増え、騒音の頻度は増しており、乗車の度に継続して5分以上は騒音が続いています。最近ではほぼ毎日貴殿の出す騒音を強制的に聞かされている状態です。そのため、我が家は窓を開けて生活する権利が奪われています。
 騒音の事実につきましては客観的な記録が録音機および騒音計に残っており、第三者に説明可能な状態で揃っています。
 貴殿の所有されている駆動音の大きな自動車の2台あるうちの1台は屋内で音量を測定した際に64dbの音量を記録しています。これは十分に騒音と言い得る水準です。もう一台に至っては80dbに到達しており、これは人間が許容できる音量を超えています。
 現在の我が家の状況は毎日貴殿の出す騒音に怯えている状態であり、週末に至っては屋内での生活に著しい制限が加えられており、いつ騒音が始まるかと思うとまともに生活が送れない状態です。
 どちらの車両においても平穏な日常生活を破壊するのに十分な音量であり、違法状態であると言い得る状況のため是正を求めます。

 m月dd日を超えてもなお是正されない場合には、改善するつもりがないと判断し、民事訴訟等により厳重な法的措置を取らざるを得ないとの考えです。その旨ご理解頂きます様よろしくお願いいたします。
 また、防音対策を講じた際におきましても、十分な効果がなく、依然として違法状態が継続されていることが確認できた場合には同様に法的手段によって対抗させて頂きます。

草々

 怖!
 本名教えてない相手からこれが来たと考えると怖すぎ。夕方には届いて翌日謝罪があった。件の車は翌日には貸しガレージに移動した。普段使いは毎日使うのでしばらくはそのままだったが暖気は無くなった。
 2週間ほど経ったくらいに書面で謝罪があり、防音ガレージを建てる旨の連絡があった。貸しガレージを追い出されたんだな、と解釈。
 防音ガレージは単なる素のガレージでも2台収納出来るもので200万円必要で、そこから基礎と防音機能と電動シャッターだのオプションを加えると400万円にはなるだろうから工事開始までは半年ぐらいかかっていたな。
 防音ガレージといえども限界はある。防音性能は質量に比例するためどうしても防音性能を上げることが出来ない箇所がある。いくら壁を分厚くできてもシャッターは分厚くできない。シャッターの防音性能は30dbがせいぜい。80dbでていたのなら50dbに軽減されるだけ。違法じゃないが当然聞こえる。防音ガレージになった後も聞こえることはあった。
 ここで最後の一文が効いてくる。こっちは別にうるさいとも言わなかったが、自発的に音が出ないようしたようだ。今ではほとんど聞こえない。

 結果として我が家の問題は内容証明郵便を送ったことで解決した。相手が比較的常識人だったのだろうからこれで解決できたのだろうと思う。運が良かったと言える。
 内容証明郵便で騒音が止まらなかったら?その場合には訴訟に突入していた。その時は個人訴訟をするつもりだったけど、今考えると危うい。とはいえ弁護士に頼むと確実に赤字になるからやりたくはない。今なら行政に訴えることが出来る知識は身についたからそうするだろうけど。

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