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#ハマーズ競馬部 皐月賞回顧編

この記事、ほんとは皐月賞予想編と銘打って書きたかったんですけど、ダラダラしてると気がついたら日曜日の当日になってたので無理でした。ただ今年の牡馬戦線は相当面白そうなので、皐月賞について思ったことを書きます。

私は『3連勝』なるものを目指していた時期があって、ミッドウィークのヨーロッパリーグ→日曜3時の競馬→日曜夜のリーグ戦の3つ全部勝って『3連勝』という訳なんですけども。
皐月賞ウィークはリヨン戦勝ち→皐月賞ほんのちょっとプラス→バーンリー戦引き分けという具合でした。3連勝じゃなくて2勝1分だったんですけどまぁ悪くなかったです。それではレースを振り返っていきます。

レース結果

ご存知の通り1着はジオグリフ、2着はイクイノックス、3着はドウデュースでした。2着馬は3番人気で3着馬は1番人気でしたが勝馬は5番人気だったので、オッズだけ見れば伏兵が来たという感じでしょうか。ただジオグリフは早期デビューから重賞戦線で戦い続けていたエリートなので番狂わせ感はあまりない印象です。

レースは中山巧者アスクビクターモアがハナを切り、スタートでつまづいたデシエルトが2番手につけました。スプリングSを逃げ切ったビーアストニッシドは4番手からでその後ろイクイノックス、ダノンベルーガ、ジオグリフ、キラーアビリティと続き展開はスロー。1番人気ドウデュースは後方2番手からの競馬をしました。

中山芝コースは内の馬場が傷んでいたこともあって土曜日から外差しが決まりやすい馬場でした。そして皐月賞もまさに外から来た3頭で決まります。先行から早め抜け出しを狙うイクイノックス、それを見てイクイノックスをピッタリとマークしていたジオグリフが自慢の脚で差し切り1馬身差快勝。ドウデュースもいい脚を見せましたが後方からの競馬が響いたか3着入線でした。

騎手も馬も最高のレースをしたジオグリフ

ダノンベルーガを内に閉じ込めた後外に持ち出しマークしていたイクイノックスを捉えて力強く差し切り。いやー強かった。もともと素質のある馬ではありましたけど、まさかクラシック獲っちゃうとは。「仕上がりが良かったし祐一も超上手く乗ったなぁ」という感じです。そういえば2着馬の鞍上はかつての主戦ルメールですね。こういうのは痛快です。

お父さんはドレフォン。初重賞勝ちもジオグリフ(札幌2歳S)で初G1勝ちもジオグリフ(皐月賞)。去年のファーストシーズンサイアーランキンング1位で初年度産駒がクラシック勝ちという恐ろしい種牡馬です。アメリカのダート1200で無双してたゴリゴリの米スプリンターが日本の芝2000のG1ウィナーを出すんだから競馬は分からないですね。今年はマルシュロレーヌにつけたりしてるみたいでまだまだ楽しみな種牡馬ですし、Storm Cat直系なので数年後母系に入ったりしても面白そうです。

馬体の立派さも父譲りですね。米血統らしい迫力です。

お母さんはアロマティコ。キングカメハメハ×サンデーサイレンスという血統。こういうゴリゴリの主流血統繁殖とも問題なく交配できるのが種牡馬ドレフォンの魅了です。5歳時に勝った巴賞というOPが一番大きい勝ち鞍なのですが、ジェンティルドンナの秋華賞やメイショウマンボのエリザベス女王杯で3着に入ったことがある実力馬でした。短距離馬の父の産駒ながら距離が持ってるのは母系の影響かもしれませんね。

ジオグリフは喉鳴りと出遅れ癖のある馬だったのですが、湿度のあるコンディションで喉の疾患が緩和され、ゲート内でやや落ち着きがなかったものの鞍上が上手く出してスタートもオッケー。欠点を解消して長所を活かしたレースでした。喉鳴り持ちの皐月賞馬、どことなくダイワメジャーを想起させますね。ジオグリフは手術するのでしょうか。G1馬になって更に楽しみが増した馬です。

やっぱりこの馬は強い、イクイノックス

個人的には三冠を獲る器だと思っていたので負けたのは残念なのですが、次走に向けて大変期待の持てる内容だったと思います。大外枠が心配でしたが逆に当日の外の方が伸びる馬場を活かすことができました。この馬もジオグリフも木村哲也厩舎の所属で、今年の皐月賞はノーザンファーム美浦キムテツワンツー。

父はキタサンブラック。説明不要の名馬中の名馬。現役時代は中山と京都が得意コースでしたが種牡馬としては(初年度産駒だけのデータだけど)左回りの東京と中京が得意な傾向にあります。実際イクイノックスは新馬戦が新潟、2戦目が東スポ杯2歳Sでどっちも左回りです。

父を彷彿とさせるような美しい馬体です。Twitterを見てたら外国人の競馬ファンからもベタ褒めされてました。ただまだまだ成長の余地がありそうです。実際東スポ杯から皐月賞に直行なんて無茶苦茶なローテを組んだのも馬が全然出来上がってないからだそうですし。

というか改めて考えると東スポ杯から皐月賞に直行、皐月賞がキャリア3戦目なのに2着に来るとか無茶苦茶ですね。ただレース後ルメールが「馬の後ろで我慢させることができませんでした」と語っていましたし、長期休養明けで2着に来たのはすごいですがやはりレース経験の少なさがジオグリフとの差の一つになったかもしれません。

母のシャトーブランシュはG3マーメイドSを勝った父キングヘイローの牝馬です。キングヘイローは去年から母父として突然猛威を振るい始めましたね。キングヘイロー自身良血の中の良血みたいな血統をしてる馬なので結果が出ているのも不思議ではないかも。Haloのクロスが効いてるみたいな話もあったりしますね。シャトーブランシュの産駒はイクイノックスの他にもヴァイスメテオール(父キングカメハメハ)も重賞を勝っています。

次走以降に向け8分の仕上げで来ていたであろう皐月賞で2着を確保してみせたイクイノックスの実力は本物と見ていいでしょう。大目標であろうダービーは驚愕の上がり32.9の豪脚を使って勝った東スポ杯と同じ東京コースで行われます。ただ体質の都合であまり使ってこられなかった馬なので、皐月賞から間隔が12週間のダービーに良いコンディションで挑めるのか?という不安はあります。能力は素晴らしいですが馬券的には取捨に困る馬。真の怪物かどうか、次走分かります。ちなみにもう放牧に出てるみたいです。

ドウデュース、末脚は凄まじかっただけに…

G1馬、前走2着は不利を受けてのもの、仕上がりが抜群であったことから1番人気に推されたドウデュース。大外一気でメンバー最速の上がり33.8を叩き出しただけに位置取りがもう少し前だったなら…と思わせるレース。豊さんも「ポジションが結果的に後ろだったかもしれません」と話しています。

父はハーツクライ。種牡馬を引退したことで後継争いが激化しており、ドウデュースには将来的にここに割って入ることが期待されます。母のダストアンドダイヤモンズは現役時代にアメリカでG2とG3を勝利。実は日本でデビューしている3頭の産駒の内ドウデュース以外の2頭はダートで勝っています。

ツヤッツヤですね。このムキムキさはたしかに母産駒らしさが出ていると言えるかもしれません。芝馬ですがこの馬体で走り方もピッチ走法ですし、ダートでも通用してしまいそうです。

今後はダービー→凱旋門賞というローテとのこと。個人的にはこの馬はロンシャンのターフに合わないと思うのですが、3歳は負担重量も軽いですし走ってみないことには分かりません。出走が決まればもちろん応援しようと思います。

馬券圏内逃すも本番はダービー、ダノンベルーガ

2番人気の支持を得たものの4着に敗れてしまいました。最内枠を引けたのに当日まさかの外枠有利の馬場だったのは不運だったかもしれません。皐月賞と相性のいい共同通信杯を勝った馬ですが、その共同通信杯でダノンベルーガの2着に敗れたジオグリフが皐月賞を勝つという…

父はハーツクライ。種牡馬としてまだ皐月賞馬を出せておらず今年はドウデュースとダノンベルーガを含む4頭を春の中山芝2000に送りこみましたが初勝利はならず。母のコーステッドは初仔が本馬。母父父Tiznowの名前は三冠馬コントレイルの血統表にもあります。

幼駒の頃から右トモが弱いため右回りコースに不安を抱えており当初はダービーに狙いを絞るプランもあったものの「使わない理由はない」と鞍上の助言で皐月賞へ。発展途上ながらもまぁまぁ仕上がってた感がありましたが、レースでは荒れに荒れた内を通らされてしまい(福永が上手く蓋した)ダノンベルーガも頑張りましたが外から来た馬に抜け出されてしまいました。

皐月賞はやや期待を裏切る形になってしまいましたが陣営は大目標のダービーに向けて皐月賞以上の最高の仕上げで来るはず。左回りで直線が広く長いコースもこの馬向きでしょう。野田オーナーはまだクラシックを勝ったことがありません。栄冠を届けるのは本馬になるでしょうか。

夢は府中の大舞台へ、オニャンコポン

可愛らしい馬名で話題になった馬ですが、実力があるというところを見せられたレースだったなと思います。

結果は6着でしたが、直線しっかりと伸びたところを評価したいです。スタートも上手く決めて中段から進めることが出来ました。既に重賞ウィナーではありますが、もう一つ二つ獲れる馬だと思います。

次走のダービーは父のエイシンフラッシュが上がり32.7の閃光のような脚で内から他馬を斬った舞台です。母父のヴィクトワールピサはそのエイシンフラッシュが勝ったダービーで3着に入りました。血統的にはこの舞台に適性があると見ていいでしょう。依然ライバルは手強いですが、府中でも自慢の脚を活かすことに期待です。

エイシンフラッシュよりヴィクトワールピサっぽい馬体です。しっかしこの馬の血統はすごいですね。母母はフランスの名牝サプレザです。サトノインプレッサが本馬の近親にあたります。

キラーアビリティ、着外も敗因明確

皐月賞と同じ中山芝2000mのG1ホープフルSを勝ったキラーアビリティでしたが、4番人気で13着という大敗を喫してしまいました。ここ数週間G1を人気馬で負け続けている武史にとってもかなり堪える結果だったでしょう。

なんといってもスタートでの遅れでしょう。中山芝2000mで出負けはなかなか厳しいです。気性が難しい馬だそうでゲートから上手く出すのが簡単ではないのだと思います。

レースは出遅れがあったので中段やや後ろから。内を通って直線に入りましたが前述の通り荒れた馬場で伸びがありませんでした。

ただ何故ダメだったのかはっきりしているレースでしたし、持ち味の弾けるような脚も直線が広く長い府中で活きるはず。父ディープインパクト×米血統の母はここ数年のダービーで結果の出ている組み合わせです。武史も去年の悔しさを晴らしたいと奮起するでしょう。皐月賞の結果で人気も落としそうですし次走で狙える一頭かもしれません。

美しい青鹿毛です。つき過ぎてるがなくバランスのいい筋肉ですね。まだまだ成長の余地がありそうです。

デシエルト、今後のプランは如何に

ダート2戦、芝1戦、破竹の3連勝でクラシックの舞台に来ましたが躓くようにゲートを出た後2番手についてレースを進めましたが、最後の直線では早々に後ろへ下がっていってしまいました。結果は16着。

初挑戦の重賞で着外に敗れてしまいましたが、陣営は次走をダービーに設定。ダービーは距離が伸びる上に逃げ切りが至難の業。この馬のスピード能力と激しい前進気勢を見るとマイルの方が向くのではないかというところではありますが、馬体を見てみると結構胴長な馬です。完成は先な印象を持たせますしここで東京芝2400mを試しておく価値は十分あります。

ダービーの結果次第で中距離路線を継続するか、マイルを試してみたりダートへ戻ってみたりするか考えることができると思います。まだまだこれからな馬です。楽しみに見てみましょう。

早めのダービー予想

最後にダービーの予想でも書いておこうと思います。
ダービーは皐月賞のメンバーが中心になってくるはずです。fzの◎はイクイノックスです。正直なところこの馬を本命にするのは皐月賞の前から決めていたのですが、クラシック1戦目の2着好走で期待が確信に変わりました。疲れが溜まりやすい馬とのことですが、ダービーを見据えての東スポ杯→皐月賞のローテなはずです、心配はいらないでしょう。この馬は歴史に名を残します。

○も世間の評価に逆らいません、ドウデュースです。やっぱりこの馬はいい馬で、ちゃんと言うことも聞くし凄まじい脚も使える。安定感がある馬だなと思います。ハーツクライ産駒ということで東京との相性も良いでしょう。背には日本ダービー最多勝ジョッキーが乗っています。ここでも好走を期待したいです。

▲はジオグリフです。イクイノックスにドウデュースにジオグリフ、自分でも思うくらいミーハーなチョイスですが、やっぱり皐月賞で良かった馬がここもいい勝負をしてくると思います。皐月賞馬のジオグリフですがやはり距離との戦いになりそうです。同世代相手なのでごまかしが効きそうですが、やはり本質的には2000くらいの馬だと思うので、どうか、というところですね。

△はダノンベルーガです。皐月賞では不利な内に閉じ込められながらも最善のレースをしたと思います。この馬の最も得意な戦術に持ち込むことさえできれば良い勝負をする可能性は高いです。

△もう一頭はキラーアビリティにしてみようと思います。皐月賞では残念な結果でしたがやっぱりこの馬の未勝利戦での圧巻の脚、萩Sでの伸びが忘れられません。東京2400では良いレースをしてくれるはずです。皐月賞があの馬の限界なんてことはないでしょう。

ということでハマーズと一切関係のない記事でしたが、みなさんの注目馬も教えていただければと思います。それではさらば。

ネットで拾った謎画像