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1月の移籍市場の話をしやす

こんにちは、Japan Hammers FZです。初コラムは現在開かれている「1月の移籍市場」についてです。

ハマーズこと我らがウェストハムはこれまで21試合をプレーし降格圏スレスレの16位。なんともTypical West Hamなシーズンですが、リーグ開幕時の目標はEL出場権獲得でしたので到底納得のいく内容ではありません。ホームで二軍のレスター相手に敗北した後ペジェグリーニが解任され、翌日にクラブはモイーズを後任に指名。スコットランド出身監督の下、シーズン後半戦での巻き返しを狙うには1月の移籍市場での補強が必要です。

書き始めた時はポジションごとにどういう補強が必要そうかについて書こうと思っていたのですが、少し変えて強化部とこの1月の市場での動きの現状について書いてみようと思います。以下よろしくお願いします。

ハマーズの強化部はどうなってる?

ハマーズの補強はDirector of Football、縮めてDoFという役職が中心になって進みます。クラブによってはSports Directorという名前になっているところもありますね。要するにチーム強化の責任者です。DoFは監督とコミュニケーションを取りながら補強ポジションについて議論し、各地にスカウトを送ります。予算を考慮した上で狙いを絞り、選手の獲得交渉が始まるとDoF・監督・首脳陣の三者で相手クラブと移籍金やオプションについて交渉、選手の代理人と待遇や給与について話し合いを行います。上位進出を目指すこのクラブにとって、補強のカギを握るこの役職は非常に重要なわけです。

でもってDoFを務めているのはどういう人かというと……実は現在DoFの座は空席になっています。不思議ですね、確か『シーズン後半戦での巻き返しを狙うには1月の移籍市場でのスカッドの補強が必要』なのにこのクラブには強化部の責任者がいません。解任してすぐに新しく優秀な人を呼ぶのが難しいのはわかっていますが、DoF不在で1月の移籍市場を上手に立ち回れるのでしょうか?

いやね、いたんですよ、先月までは。マリオ・ウシージョスというすごく優秀な人がDoFだったんですよ。18-19シーズンにペジェグリーニとともにクラブにやってきた彼はフェリペ・アンデルソンや、フォルナルス、アレーら人気銘柄との契約を実現させ、現在中心選手のファビアンスキとバルブエナを格安で獲得するなど多くの移籍を手がけてきました。さらに彼にはスペイン・ポルトガル方面にコネクションを開拓した功績もあります。失敗といえば、流暢な英語くらいしか長所がないロベルトとコロンビアン山田哲人ことサンチェスの2人を獲得したことくらいです。ウシージョスは本当に目利きの敏腕スカウトだったのですが、ペジェの解任とともに彼もクラブから去ることになってしまいました。

1月の補強はどう進む?

ExWHUemployeeというクラブの内部情報にとても詳しい人がいるんですけど、彼によると新しいDoFを迎えるのはシーズン終了後の夏になりそうで、それまではクラブに昔からあるメソッドで補強を進めるようです。つまり1月はモイーズと首脳陣が中心になってスカッド強化を進めるということですね。これがどう影響するかというと、若手有望株を中心に獲得していくという補強ポリシーを捨てアレンやジルーなど「数年前に獲得しとけよ…」感のある選手が獲得候補に挙がりやすくなります。彼らは素晴らしい選手ではあるのですが、今我々に必要な補強とは言えないでしょう。必要なのは即先発争いに割り込めるくらいのフレッシュな選手です。とはいえ冬はそういった選手の獲得が難しいので、今問題になる前に夏獲得しておいて欲しかったんですけどね。

ネガティブな要素を挙げましたが実はモイーズ、補強が必要なポジションを見抜く力は高いんです。17-18シーズンの冬に監督職を引き受けた時も彼はボックストゥボックスの獲得が必要と考えレアンデル・デンドンケル(当時アンデルレヒト所属)の獲得を要求しました。実際そういうタイプの選手が必要という声が多かったですし、若いデンドンケルは納得のいく獲得候補でした。ですが彼はその半年後にウルヴズに移籍しています。なぜあの時我々は彼を獲得し損ねたか、それはケチ首脳陣が十分な予算を用意せず交渉をまとめられなかったからです。

このクラブの補強における最大の難所は「アホ首脳陣がカネを出すか」といっても過言ではありません。ここ数年前線の選手の獲得にはクラブレコードの移籍金を注ぎ込み続けていますが、その前線のタレントを支える中盤やディフェンダーにほとんど出資をしてくれません。最近はディオプに£22mを費やしましたが、本当に彼くらいです。サイドバックに至っては15-16シーズンの冬に加入したバイラムが最後に移籍金を支払って獲得した選手です。ハマーズは彼をリーズから£4mほどで獲得し、昨夏ノリッジに£740kで売却しています。獲得時と売却時の金額を見るとわかると思うのですが、選手の売却も下手です。選手の獲得と売却で損失が出るのはよくあることですが、さすがにこれは出過ぎでしょ。アルナウトヴィッチと喧嘩別れした時も£40m以上じゃないと売らないと言いながら妥協して£22.5mで売ってましたからね。無茶苦茶です。

中盤の補強と「フェルナンデス事件」

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この1月のトッププライオリティは2年前と変わらずボックストゥボックスの獲得なのですが、早速ベンフィカ所属のジェジソン・フェルナンデスを逃しそうです。21歳のポルトガル人ミッドフィルダーは優れたキープ力と中盤での守備力を持っていて、ライスの相方にするにはうってつけの人材。彼の母親がロンドン在住、アカデミーに彼の友人が何人かいることからフェルナンデスはハマーズ移籍に前向きだったのですが、モタモタしていたらスパーズに交渉を『ハイジャック』されました。いくつかの大手メディアと有力記者が一斉にスパーズ移籍を報道しており、彼の移籍先候補からウェストハムの名前は消えたでしょう。

アホです…どこのクラブも欲しがる中盤の逸材を£35m前後の買い取りオプションを付き18ヶ月ローンで獲得できるチャンス、しかも本人も乗り気だっただけに損失はかなり大きいです。もはや事件ですよ、「フェルナンデス事件」。代替候補には同じく逸材と言われるヘンク所属のベルゲが挙がっていますが、彼にも首脳陣お得意のナメた金額のオファーをしたらしく雲行きは怪しいと見られています。果たしてモイーズの望む中盤の強化はうまくいくのでしょうか。

不安が募りますが…

獲得がほぼ決まりのランドルフが2回のメディカルを必要としたためなかなか契約がまとまらず、ターゲットの1人であるガビゴウとの交渉も膠着状態。ライトバックの補強も今のところ進展がなく、1月の市場の開幕から10日ほどが経ちましたが補強はうまく進んでいません。これから上位陣との対戦が続きますが、ハマーズは大丈夫なのでしょうか。降格圏がすぐそこに見えているのに、クラブからはあまり焦りが感じられません。

とはいえ市場が閉まる2月まで全く時間がないわけではありませんし、むしろまだ3週間あります。昨年の夏の補強のように突然噂に上がった選手がとんとん拍子で加入決定、ということもありえるわけです。根拠に乏しいですが、たぶんなんとかなります。移籍期間を笑って終われることを祈りましょう。

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初コラムいかがだったでしょうか。この前始まったと思っていたシーズンも折り返し地点を過ぎて後半戦突入です。好スタートを切ったかと思えば急ブレーキがかかり、遅すぎたペジェ解任の後にやって来たのがまさかのモイーズ、1月に入るなりフェルナンデス獲得に近づくも失敗したりとジェットコースターのようなシーズンですが、1月にそれなりな補強をして5月には残留している姿を見られることを期待しましょう。2年前のモイーズハマーズもかなり厳しい時期がありましたがなんだかんだで残留しましたからね笑。また彼が仕事してくれるでしょう。

それではこの辺で。Come On You Irons!!