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VPIP50%の人の対策(OOP編)

1. はじめに

 前回VPIP50%の人のポジションを取っているときの話を書きました。実はその記事を書いた後に、アミューズメントカジノに行ってVPIP100%のおじさんにポジションを取られてしてやられました。

 さて、おじさんのポジションを取っていたときの対策はしていたのですが、おじさんにポジションを取られているときにどうしたらいいのかは全く対策を立てていませんでした。硬くopenしてもレイズ権が戻ってこないのでしんどいなぁと思っていたのですが、よくよく考えたらRFIは raise first in なので raise です。open sizeを可変させることについては全然自分で気が付かなかったので、変えてみるという発想が生まれたことは目からウロコでした。

2. Villanの特徴

ここで、おじさんの特徴をまとめておきます。

  • VPIP80%↑ 3Bet0%

  • 「当たったら全弾取ってやる」

  • flopを見てhit or foldで、CB fold率高め

 つまり、(off)suited connector, one (two, three) gapper, pocket大好きでいつもcallしており、もし3Betされたときは確実にKK+が出てくるでしょう。flopを見てからポジションを使って打ってくるおじさんには、高いflop見物料を払わせてやるのがいいのではないでしょうか。実際に、SPRが高ければ高いほどIPで投機的ハンドをcallしてflopを見に行くことが正当化されます。ですのでそういったハンドでcallしたくなくなるようなbet sizeでopenすることがcounter strategyとして有用かどうか検討してきたいと思います。

3. ベットサイズを可変させることは有用か

 次に検討しなければならないことは、こちらがbet sizeを大きくしたことによるVillanのrangeの変化についてです。普段僕たちは、2.5bb~3bb openに慣れすぎていて、普段使わないbet sizeでopenされたときに異様に警戒していると思います。
 少なくとも僕のクソコラを笑ってくれた方は、ハンドの強さでopen sizeを変えることはEV lossでしか無いこと、sizing tellを防ぐためにopen sizeを統一している、といった共通認識をお持ちだと思います。では、こちらがopen sizeを変えたことでVillanのレンジに変化があるのでしょうか。Villanより後ろに人がいる状況で、自分がopen sizeを上げることは均衡から外れてしまうため、慎重に検討したいです。

  • こちらがopen sizeを可変させることでVillanのrangeは狭くなるのか?

  • もし狭くならないなら、bet sizeを上げることがexploitとして成立するか?

  • しかしながら、流石にこちらがdirect all inをしたら普段callしている64oなどではcallできないだろう。ならばVillanのrangeはlinearに狭くなるわけではなく、どこかで極端にcallしなくなるような閾値があるはず。

 これらの仮説をもとに検証していこうと思います。

4. 仮説の検証

4.1. open sizeが変化したときのVillanのrangeについて

  hand historyからVPIP>40, VPIP-PFR>12, Limp>2, hands>100のplayerのみを抽出して、まとめて検討してみました。

オンラインでVPIP40を超えていると相当な参加率なので、今回想定するVillanと同じcategoryのplayerとして考えて良さそうです。ここで注目していただきたいのが、Call Vs xbbの部分で、ハンド数の影響でCall Vs 2bbは33%となっていますが、それ以外はおおむね40%前後を維持しています。つまり、多少のopen sizeの変化について、Villanは全く気にしていないことが読み取れます。

Villanはこちらのopen sizeによってrangeを狭くするという認識はなさそうである。

4.2. open sizeを大きくすることは、fixed call rangeを持つVillanに対して有用か

 今回はBTNにVPIP80%のVillanを置き、CO, SB, BBにバランスのとれたプレイヤーがいる状態で、自身がHJにいる5maxでシミュレーションしてみました。Villanのexploitのために自分が均衡から外れたプレイをするので、IP, OOPの適切なプレイができるプレイヤーに攻撃されるリスクもあるため、上記のような状況にしてます。
自分のopen sizeは2.5bb, 5bb, 20bbの3種類を用意して、それに対応したレンジでCOは攻撃してきます。BTNは20%foldでnodelockし、COの3betが入らなかった場合はcallしてくるようにしています。rakeに関してはpokerstars 50NLz(5% 4bb cap)にしてあります。

この状態でsolverを回したところ、均衡の戦略を取ってくるCO, SB, BBがいるにも関わらず、狭いレンジで20bb openを取る純粋戦略になりました。

なので、相手がloose callerであるならば、こちらのopen sizeをできる限り大きくすることが有用であるようです。ただし、どれくらいのサイズで相手のレンジがどう変化するというのは本当に人によると思います。

flopを見たがるloose callerに対しては、open sizeを高くすることで搾取することが有用である。

5. 結論

 以上の検証から、どうやら何でもかんでもcallして参加してくるloose callerには、RFIのサイズを大きくしてふるいにかけるのが良さそうですね。ただ、postflopでこちらのCbetにcallされたら、相当警戒したほうがよさそうですね。

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