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今週からはアメリカのプライベートカンパニーの監査に入ることになった。1ヶ月強の長いエンゲージメント(とはいえ超大企業の監査よりかは圧倒的に短い、と考える。断言できないのはGoogle等といった大企業の監査を経験したことが無いからである。)だ。チームはマネージャー、シニア、そしてアソシエイトの僕。

このエンゲージメントが決まる以前に日本人の先輩方が、アメリカ人のチームはめっちゃきついよ、と、きついの定義を明確にせずに僕を脅してきた。怯える必要性こそなかったが、そのせいで、ある程度より集中してコミットすることを覚悟していた。

さらに、英語ばかりの環境ということで幾ばくか緊張した。やっていけるのか心配だった。

でも蓋をあけてみれば、前回の日本人チームよりかはプレッシャーも少なく、英語という問題さえ除けばとても働きやすいチームだなと感じた。例えばWhen you at stopping point, you can call if for a night/log off というふうに、もう終わっていいよと伝えてくれたのは良かった。甘えではあるのかもしれないが、アソシエイトの自分はまだ監査の全体を理解できていないので、どの仕事が、どれくらい思考を必要として、どのくらいかかって、いつまでに何を終わらせるべきかを把握していなかった。プロジェクトマネジメントしてくれたシニアに感謝をしている。

シニアの名はアリアナ。カメラ越しにすら本人の姿を見ることはなかったがプロフィールの写真だけを見れば綺麗だった。彼氏の両親と食事に行く予定があると金曜日に言っていたので本人もある程度きれいなのだろう。別にどうでもいいのだが。

結局このエンゲージメントは途中から僕の仕事がなくなってしまってアリアナの補助業務みたいなことをしばらくしていたのだが、もう流石にすることがなくなったということで、4週間目の途中くらいから別のエンゲージメントの補助をすることになった。そこの会社はIPOをする予定の会社で、監査ファイルを開けてなんとなくクライアントの勢いみたいなのが伝わってきたような気がする。詳細は恐らく書けないので書かないのだが、初めて監査業務で楽しいと感じた(気がする)。結局やってることは同じくつまらない(ほとんどの人にとってという意味)し、なんならエクセルファイルにあるマークを別のファイルにコピペしろみたいな作業とただのタイアウトだけで10時間くらいしか働いてない気がする。でも、それでも楽しいと感じた。原因は2つ。チームとクライアントだろう。

僕はまだどのチームが良くてどのチームが悪い、みたいなことは理解できない。でもなんだか心地がいい、わるいみたいなのは感覚でわかる。英語はもちろんきつかった。ここのシニアは声が低くて早口。スマホのレコードアプリで文字を起こして後で何回も聞いた。もちろん何度も聞き返したりした。途中からチームにはいったからチームの一員感もあまり感じれなかった。

それでもなんだか心地よかった  ー でもそれが何かはよくわからない。僕より前から入っていたアソシエイトはすごく丁寧だし気を使ってくれているのを感じた。シニアは相変わらず早口だし、業務の説明もわりかし適当だった。おしなべて平均的でなないのだろうか?だからこそ理由がいまいちわからない。

強いて言うならば、一度ミーティングに参加したのだが、そのときみんなカメラオンだったからみんなの表情がわかった、というものだろうか、、、。

クライアントは上で説明したとおりである。付け加えて、連結決算も(おそらく)やるレベルの会社なので規模が大きかった。あくまでエクセルファイル上ではあるが、クライアントの事業規模、ダイナミックさ、社会に与える価値の大きさみたいなものを感じ取れた。そしてタイミングよくIPOをするということで、少しは監査的な不正をチェックするという業務がいくばくかはクライアントを助けているような気になっていたのもよかった。

今回ヘルプで入ったエンゲージメントで、また僕のキャリアに関する考えが更新された ー それも大幅に。視野が広がったという点ではかなりよかったのかな。僕はやっぱり運がいいヤツである。


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