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彼という人間のなかに内包された物語を。若くて潑剌としたジョブズが写っている。けっして激昂しているわけではないが、内に秘めた熱いもの、強い意志を感じさせる。とくに目に力がある。力がありながら深く澄んで美しい。こうした印象は彼のどの写真にも感じられる。何か繊細なものが写っている。激しさと同時に静けさが、強さとともに寂しさや悲しみが……そのなかを通奏低音のように流れている孤独を、ぼくの耳は否応なしに聞き取ってしまう。

片山恭一『あの日ジョブズは』、ワック株式会社、2021年、kindle4ページ引用



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