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☆2020.10.21白い魔法使いからのお手紙

おはようございます。

昨日の占い、熱の為お休みしました。体調がいまいちな時って本を読むこともしんどい、音楽も五月蝿く感じる・・無音だと退屈・・そんな退屈を引き裂いてくれるもの、あなたにとっては何ですか?私は子供の頃から入院当たり前みたいな身体の弱さを抱えて生きてきたので、この退屈を引き裂く方法というのはすごーく重要だったのです。時間は刻々と過ぎてゆくけども、自分は病室のべッドの上で点滴やら何やらに繋がれて窓の外を見ているしかないのか・・と考え始めると、どうしようもなくみじめな気持ちに覆われてしまうということをたぶん、健やかな子供たち(?)より少し多く知ってたはずです。

というわけで、昨日は一日中部屋を暗くして映画を観てました。

ウォン・カーウァイ監督作ー『花様年華』ー。この映画、刺激、全くありません(笑)。

ただただ時間が過ぎてゆく、動かない人間関係、止まったままの空間。カメラは、路地の角の奥からだったり、窓の外から室内を窺う位置から、ずっとその「動かない時間」を映しています、執拗なほどに。「変化してゆくことだけを望む時間が潰えた人間関係」を撮りたかったのかな・・監督。と思いました。

この監督の作品は「毎秒、人も街も動いている」「流動性の中で誰かと誰かが一瞬すれ違う、一瞬人生が交差する、そしてまた何もなかったように時間も街も動き始める美しさ」というスタイリッシュな側面と、その半面「変化、というものにいつも付きまとう儚さという暴力」「変化してゆく事の隙間で忘れ去られた未完のこと」その両方の側面を鮮やかに際立たせるのです。だから映像の色彩はいつも極彩色。これがモノクロームだとしたらきっとこの監督の作品は上品になりすぎてしまうなあ・・と思いながら観ていました。倦怠や怠惰、甘美を映像として残したいだけならきっとモノクロームのほうが「美」として賞賛されるでしょう。けれども何故、極彩色で彩られるのか?きっとそこには「それでも生きる」という覚悟みたいなものがあるのかな?と思います。ー『花様年華』ー、大人の恋愛を撮ったものですが、見方を変えれば「退屈を引き裂くために登場人物たちは、わざわざ劇中に無理矢理にでも入り込んでゆく」ようなそういう没入感すら抱いてしまいます。

個人的にはこの映画の中に漂う雰囲気には「潔白であろうとする姿」も垣間見られて、そこがまた素晴らしいというか痛々しいというか・・好きです(笑)興味がある方は是非ご覧になって下さいね。

音楽も素敵です。


ちょっとしたネタバレですが、トニー・レオンが“書斎がわりに”と借りたホテルの部屋ナンバーは「2046」です。もちろん2004年の映画『2046』と関連があり、『花様年華』のチャウ(トニー・レオン)が、とあるホテルの2046号室で「2046」という近未来小説を書き始め…というのが『2046』の設定となっています。

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今日の占いです。

ー目の前を美しく彩って 過ぎ去った過去に色彩を齎すことができるのはあなただけ 過ぎ去ったこと・もう元には戻らない時間 それを忘れようとする努力はもしかするととてつもない労力の無駄使いなのかも知れません

それならば今あなたがあなたの目で見ているその景色を心の風景に彩りを

モノクロームでも構わない 倦怠や留まったままの時間でも構わない さらに奥へ突き進め その先へ 終わらない何かを手に入れるために 退屈を切り裂き先へ進め 

「生きることを諦めない」その為にありとあらゆる方法論で追求してきたこと まだ先がある まだ先を書き進めたいのならば 留まったままの時間 忘れ去られた時間の中にこそ自らのその手を差し込んで 未知のものに触れよう 

心と体は繋がっているから だからこそ「放り投げられたような生」の中で佇んだままではいられない 時間と同じく体も心も変化してゆくことそれだけは永久に変えられないのだから

「窓枠から生を眺めているしかなかった者の逆襲」として 

手を差し込んだ先で叫ぼう

「倦怠はもはや私が望むところではない」とー

 

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さて、独り言コーナーです。

「潔白であること」「純粋性を追い求める姿」ということを冒頭の映画のところで書きました。

好きな詩をひとつご紹介します。


ージャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud
中原中也訳 最初の聖体拝受 よりー

夜中目覚めて、窓はいやに白つぽかつた
灯火ひかりをうけたカーテンの青い睡気のその前に。
日曜日のあどけなさの幻影が彼女を捉へる
今の今迄真紅まつかな夢を見てゐたつけが、彼女は鼻血を出しました。

身の潔白を心に感じ身のか弱さを心に感じ
神様の温情みなさけをこころゆくまで味ははうとて、
心臓が、激昂たかぶつたりまた鎮まつたりする、夜を彼女は望んでゐました。
そのやさしい空の色をば心に想ひみながらも、

夜よる、触知しがたい聖なる母は、すべての若気を
灰色の沈黙しじまに浸してしまひます、
彼女は心が血を流し、声も立て得ぬ憤激が
捌はけ口見付ける強烈な夜よるを望んでゐたのです。

扨夜よるは、彼女を犠牲にへとしまた配偶となし、
その星は、燭火(あかり)手に持ち、見てました、
白い幽霊とも見える仕事着が干されてあつた中庭に
彼女が下り立ち、黒い妖怪おばけの屋根々々を取払ふのを。

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親愛なる全ての友へ 心に灯火を

愛するあなたへ 幸いあれ

星言葉紡ぎ屋 白い魔法使い

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