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「根管治療」で患者さんが知っておくべき4つの歯科医師との認識のズレとは?

お悩みが多い、根管治療

根管治療(歯内療法)の分野では、以下のお悩みがよく登場します。

・根管の状態が悪すぎて、抜歯するしかないといわれた。・・・でも、抜きたくない

・何回通院しても、何回治療をしても、一向に良くならない。

根管治療とは?

根管治療は、歯科治療の代表的な治療の1つです。歯のほぼ中央には根管という筒状の管があります。正常時はその管には神経や血管が内包されているのですが、そこに炎症が起きると激しい痛みを生じます。それこそ、夜間眠れないぐらい、仕事が手につかないぐらい、救急で歯医者に駆け込むぐらいの痛みです。さらに専門レベルのお話になりますと、「抜髄根管」と「感染根管」など根管の病態によって治療内容に違いが出るのですが、それはまた別の機会にお話します。

「患者さんの思い」「歯科医師の思い」

今回押さえていただきたいのは、歯の中央にある「根管」という管の治療のお話をするんだぞ、ということです。ただ、今回は治療の内容というよりは、「患者さんの思い」「歯科医師の思い」それぞれを知ってもらいたいという気持ちの部分ですね。

その根管治療に至る過程は様々ですが、最も多い原因が「虫歯が大きくなり過ぎた」「虫歯を長期間放置し過ぎた」結果、歯の中央にある根管にまでバイ菌が到達・侵入し、神経に炎症が起きるという経路です。

私個人の感覚ですが、この根管治療の分野が一般歯科で歯科医師-患者間で最もトラブルを抱えやすい領域かと思っています。歯科医師と患者さん側で体感的なギャップが大きい治療なのでしょう。


<患者さんの思い>

・根管という通常は見えない部位を触るため、治療内容がイメージしにくい

・根っこの治療とは聞いてはいるが、何回説明を受けても、どんな治療をしているのかさっぱりわからない。時には、歯科医師側がやっつけ仕事で説明をしているように思う

・根管治療は来院回数が多く、治るのにも時間がかかるにもかかわらず、身体的に進捗状況を実感しにくい

・患歯の痛み・再発を繰り返すことによる不信感

上記の内容は、実際患者さんからよくいただく体感・感想です。この内容を踏まえて、以下に記載する歯科医師側の目線との差異を比べてみて下さい。ここのすり合わせや理解がないと、いつまで経っても歯に対する見聞が深まらず、治療に対する不信感が払拭できないまま治療を受け続けることになります。そして、このような内容はおおよそ歯科医院のHPやブログからは得られないものです。貴重です。

4つの歯科医師との認識のズレとは?

<歯科医師の思い>

①根管治療は、診療報酬(保険点数)が低い

これはすなわち、丁寧に治療を行い回数をかければかけるほど儲からない治療であることを意味します。にもかかわらず、他の治療以上に手間もかかります。だから、わざと治療を引き延ばしたいだなんてとんでもない。むしろ、可能であればさっさと終わらせたい治療です。

②丁寧に説明をしているにもかかわらず、患者さんの理解に乏しく毎回同じ説明をする羽目になる

この根本には、説明を正しく理解する姿勢、もしくは受け入れる下地のない患者さんが一定数いることが原因です。両者間でこれが解消されない場合、徐々に歯科医師のモチベーションにも影響し、結果的に説明の質も低下していきます。歯科医師も人間ですから。

③治ったか治っていないのかの短期的な判別が困難

根管治療においては、治療が適切でもレントゲン像や症状に反映されるまでに時間を要することもあります(数週間~数ヶ月)。そのため、歯科医師によっては痛みが軽減~消失すればそれだけを指標に次のステップへ進んだり、逆に症状改善に乏しければ治療の停滞~抜歯の推奨へと終着する場合もあります。

④患者さん側は来院回数が多くて治るのに時間がかかると感じがち

しかし、多くの歯科医師が感じていることは真逆で、本来、何のしばりも制限もなければ、実際はもっと時間が欲しかったり回数をかけたいと思っています。

根管治療におけるお悩みの解決方法を探る

上記の認識のズレが歯科医師-患者間で発生している場合、信頼関係が築きにくかったり、歯科に対する不信感や転院につながるものと考えます。

そして、この根管治療の分野では、前半部に記載したお悩みがよく登場します。

・根管の状態が悪すぎて、抜歯するしかないといわれた。・・・でも、抜きたくない

・何回通院しても、何回治療をしても、一向に良くならない。

もしこれらのお悩みをかかえている方、過去にかかえていた方はこのnoteで継続的に歯の知識を身につけていってほしいと思います。また、今は何もなくても、いつ何時自分の歯がこのようなトラブルに見舞われるかもしれません。このnoteが皆さんの、その時のバイブルになることを願って止みません。

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