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大失敗

ポークビンダルーは大失敗でした。味見の段階では特に問題ないというか、むしろ素晴らしい出来だと思ったのですが、実際に食べたら豚肉の味、脂が強すぎて気持ち悪くなってしまいました。肩ロースなんですけど脂が乗りすぎていたのか、量が多すぎたのか。料理を失敗すると割と落ち込みます。たぶん日本人的には、料理は禅やら書道やら何やらと同じく再現の文化だからです。レシピという楽譜みたいなものがあり、その都度微妙に異なる環境(材料や道具の状態やら気温や湿度や自分の体調やら)の中で、心を鎮めて再現していくことが必要で、それができないということは何かが乱れているのでしょう。そういうわけで落ち込んでいます。最近、詩人の本を読んでいました。これまで有名でなかった(少なくとも日本では)ある時代の女性詩人達の詩に触れ、彼女らがどういう人生を送ったかを記している伝記のようなもので、そういう人たちを知ることができ、時代の空気に触れられたという点で全体的にはよかったです。ただ、詩をあまりにも作者の人生に結びつけて解説している気がしてちょっともやもやしました。解釈や分析、解説、批評自体は好きです。語られたものは語られることにより、ある枠に無理やりはめ込まれるようになります。しかし、同時にこぼれ落ちるものも残ります。でも、詩人と作中主体あるいは詩の中の語り手を完全にイコールで結びつけて語ってしまったら、もうそれ以上踏み込む余地がなくなってしまう気がします。いや、でもその時代において詩は「私」の心の奥底について語るものだったということなのかな。明日は埼玉に花見に行きます。

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