夫婦でかりんぐを頑張った話

【この記事はねこさんbotによる自動投稿です】

こんにちは、ねこさんbot(通称:ねこ)です。
超高性能の自律型botであるねこは、相互フォロワーであるかみやパパさん(@kami_ken)の企画、「かみやパパからはじまる Advent Calendar 2019」に参加しています。今年のテーマは「わたしが今年がんばったこと」です。
既にいくつもの素敵ながんばったことが公開されており、かみやパパさんの周りにはがんばりやさんがたくさんいることが窺えますね。
それでは、ねこさんbotの管理人が今年頑張ったことを以下に記述します。

ご存知の方が大多数ですが、カーリング(以後検索避けのため、「かりんぐ」と表記します。高性能botは身バレによる技術漏洩対策も万全です)を始めてもうすぐ5年になります。
厳密には6年という説もありますが、1,2回の体験機会はおそらくノーカンと言うことで。継続的に取り組むようになってからは、来年の4月で5年と言えるでしょう。

かりんぐには、平昌五輪で多くの人が目にしたであろう、「4人制」の他に、平昌五輪から正式種目になった「ミックスダブルス(以後「MD」と表記)」があります。
MDは男女1人ずつのペア同士で試合を行う形式で、石の投げ方やスイープ(氷をゴシゴシするアレです)の動作自体は4人制と同じでも、試合の展開や作戦の組み方は少々異なります。
先にツイートを引用した偶蹄目っぽい名前の人と一緒に、とりあえずやってみようの精神でMDの世界に足を踏み入れてから、もうすぐ3年になります。そして今年はこのMDこそ、私達夫婦が「頑張ったこと」として胸を張れるものになりました。

とは言え、細かい技術や戦術について書いても、かりんぐをしてない人にはピンとこないと思うので、今年の頑張った成果がどれくらいのものなのか、ドドーンと数字で出してみることにしました。
半ば結論になりますが、過去3年の勝敗成績は以下の通り! ドドーン!

2017年:18戦 4勝2分12敗
2018年:29戦 10勝2分17敗
2019年:25戦 13勝1分11敗

今年! ついに! 年内戦績での勝ち越しが果たせました!!
……実は年末にあと2試合あるのですが、そこで2敗しても勝率5割は維持。
勝ち負けが楽しさの全てではないけれど、上手くなりたいのはやっぱり試合に勝ちたいからなのです。かりんぐは相手と戦うスポーツなのです。
そういう意味で、今年はこれまで届かなかった段階に達することができたと考えられ、数字は私達の成長をはっきりと示してくれたと信じています。

それでは、これまでと結果を出すに至れた今年の違いはどんなことなのか、少しだけ掘り下げてみたいと思います。

1. 試合数をこなして技術が向上した
 シンプルですが何よりもこれ。私達がMDを始めたのはかりんぐ暦2年、今はかりんぐ暦5年弱。運動できないなりにも、不器用なりにも、前に進めてはいるのだろうと思います。
 技術の水準という点では、パートナーの偶蹄目がグッと高い段階に上がっているように感じます。フォームの安定感はこの3年で相当固まっていますし、今年になって投げた石を止めるべき位置に止める精度が一気に高まった印象です。一段上の難しいショットも作戦に組み込めるようになりました。
 一方で私は、未だフォームは不安定、ショットの精度やできることの範囲も小さく、選手としての能力は決して高くはありません。しかし裏を返せば、私の成長がそのままダイレクトにチームとしての伸びしろと同義であり、だからこそ偶蹄目は貴重な練習機会で私を主体にしてくれます。

2. 自分達にできる戦い方への理解を深めた
 先に述べた通り、私の能力では難しいショットも多いのですが、それを「できないこと」として、「できること」で戦う盤面の組み方を適切に選べるようになったと思います。
 「理想手」「最善手」は他にあったとしても、自分達に「できること」でどのように盤面を組んでいくか。そのためには自分達の力量やその日の調子を正確に認識する必要があります。そうすることで、「できること」の精度を高め、結果的に良い盤面へと繋がっていくのです。
 そして私達はそうした「盤面を組む能力」だけであれば、他のチームに大きく劣っていないことも認識し、時に実感できるようになりました。

3. 試合中のコミュニケーションが良好になった
 かりんぐの試合中は結構メンタルが重要で、辛い気持ちになってしまうと結果も辛くなりがちです。また、私達の普段からの気質もあり、試合中に気持ちの上での殴り合いが始まることも、特に珍しいことでもありません。
 ただ、過去に何度も本当に良くない険悪な状況も経験し、今年は「上機嫌であろう」と意図的に心構えをしていました。そしてひょんなことから、いくつか2人だけの「おまじない」を見つけた結果、試合中のメンタル管理が一気に捗り、それが今年の重要な局面で大いに発揮されました。
 MDはチームによって、試合中のコミュニケーションの濃度が全然異なります。私達はかなり多くの言葉をやり取りしています。一方で、動画振り返りや試合観戦を通じて共通の見解や思考の流れも組んでおり、言葉少なくとも意思疎通できている情報量も相当多いです。
 良好なメンタルからの良好なコミュニケーションにより多数の情報を共有できるようになった結果、氷のシートの癖や変化を相手チームより先に気付ける機会も増えた気がします。

これらのことが実を結んだのが、9月の札幌での大会、そして11月の東京都代表選考会でした。

9月の札幌での大会は、4人制・MDの日本選手権参加経験者が何人も顔を並べる、4日間開催(一般的な大会は土日で決着のことが多いよ!)8エンド制(エンドはかりんぐの試合の区切りの単位。ちゃんとした大会だと8エンド、ゆるゆるまったり大会だと4~5エンド、そこそこしっかり大会だと6~7エンド。多いほど紛れが小さく実力差が出やすい)の大規模大会。
私が把握してるだけでも、私達の対戦した全6チーム中に日本選手権経験者がいるのが3チーム。うち1チームはMDの日本選手権優勝経験チーム。
そんな大会での私達の戦績は、6戦5勝1敗でした。びっくり!

ちょうど1つ目の「おまじない」を見つけて初めて臨んだ大会でした。効果は覿面だったと言わざるを得ません。
日本選手権優勝経験チームにこそ圧倒的な実力差を見せ付けられましたが、お会いするたびにお声を掛けてくださるこのご夫妻には、ファン心理と敬意と憧れが先立ってしまい、大敗でもメンタル壊す要素が無いのでした。むしろ、日本選手権優勝経験チームと対戦できるかりんぐってすごい!
シートと石に強めの癖が出ていることや試合中の変化について、試合中やその前後での会話でしっかり共有できており、相手に先立って対応を進められたこと。格上の相手との試合でも、自分達にできることで堅実な盤面を作り、劣勢でも大事故を起こさずじっと堪えて、最終的に勝つための試合運びを組み立てられたこと。そして、本当に必要な局面で私のショットが冴えたこと。それらが全て本来以上に上手に嵌った結果、実力以上の戦績となりました。

大会を通じた最終戦。黄色の石が私達です。
この大会での私達の好調を象徴する一枚でした。

11月の東京都代表選考会。参加9チームのうち4チームが東京都の代表として関東選手権に進むことができるという、日本選手権のための第一歩。
2018年度(選考会自体は2019年2月)にも私達は参加していますが、1勝3敗で関東選手権へは進出できませんでした。
おそらく今回で最後となる、東京でのMDの集大成。戦績は、3戦2勝1分。
そう、私達は東京都の代表となり、関東選手権への進出を決めたのです。

日本選手権を目指すような人達は、私達とはキャリアも身体作りも大きな差があります。どのチームも目に見えて、年季や実力の高さが伝わります。
私が把握しているだけで、4人制・MDの日本選手権参加経験者がいるチームが4つ、私が知らないだけで他にもいるかもしれない。そんな大会。

この少し前にあった札幌での4人制の大会で、私と偶蹄目は試合中から試合後のやり取りで尋常で無いレベルで険悪になり、その直後はもう一緒にはかりんぐできないなと絶望するほどでした。
それでも再びかりんぐに臨めたのは、結局のところ私達が夫婦だからであり、お互いに歩み寄れるからであり、2人で取り組むMDが好きだから、だったのかもしれません。でも実際、私達が夫婦でなければきっとMDは続けられなかったし、続けられなかったペアを私も少しだけ見聞きしてきました。

この大会で私達は2つ目の「おまじない」の力も借りながら、時に一瞬空気が張り詰めても、意図して上機嫌に、饒舌に、どうにかメンタルを立て直して、私達らしいかりんぐを続けました。
最終戦の相手は、東京のかりんぐを知る人なら誰もが、当然今年「も」日本選手権に出るものと考えているだろうチームで、他ならぬ私達もそう考えています。そんなチームが相手なのに、いや、相手だから、過度な緊張をせず構えず戦えたのだろうと思います。
この日私のショットはあまり良くない一方、偶蹄目のショットは抜群に冴えており、超格上の相手に競り合った結果、まさかの延長戦に突入しました。そして私達の勝ちの目が残る盤面、私達のチームの最後のショットを投げるのは、偶蹄目ではなく私でした。それが私達のチームの、私の役割だから。

2人で盤面をじっくり検討し、勝つためのショットを選択する。その様子を相手チームの2人もじっと見ていました。
「上手くいかなくても許してね」「許すよ」
いつものやり取りに笑う私達。相手チームの2人も笑ってました。「良い旦那さんだ」って言葉を背に、私達は最後のショットへ向かいました。
他愛も無いやり取りに見えるし、実際にそうなのだと思う。ただ、そのやり取りのおかげで、私には自分のやるべきことが鮮明に見えていて、投球準備をしながら偶蹄目と最後の確認をしました。
きっと私は選択したショットを投げられない。それは弱音でなく、その日の私の調子を冷静に判断した結果。その日の私は特定の失敗の傾向があった。だからこそ、その失敗の可能性も織り込んだ力加減とコースで投げれば、成功すれば本来の選択通りに、失敗してももう一つの勝利の可能性に切り替えられると考えました。
そして、私のラストショットは、「予想通り」に失敗しました。私も偶蹄目もそれぞれにできる形で、事前に織り込んでいたその失敗を、見えていたもう一つの可能性に繋げ、延長戦最後の相手チームの素晴らしいショットもあと数cm届かず、私達は最高の勝利を最高のタイミングで手にしました。

これから私達が挑むことになる関東選手権では、上位の3チームが日本選手権へと進みます。率直に言ってしまえば、私達以外の東京都代表3チームが切符を勝ち取るのではないかと予想しています。その中には、私達が勝って関東選手権進出を決めた相手チームも入っています。東京都代表最後の1枠を決める試合で、力で押しきるようなスコアで勝利をもぎ取っていました。
私達のチームの力は、今年の頑張りだけで上位陣との差を埋められるほどではありません。それでも、今年の頑張りが全く無かったものになるわけでもありません。私達は確かに、今年のMDを頑張ったし、できすぎだったとしても結果も出せました。

だから今言えるのは、来年のMDも頑張ったって胸を張れるものにしたいということ。関東選手権は来年2月初めに開催されます。そして日本選手権は来年2月末、札幌で、開催されます。
来年も夫婦でかりんぐを頑張ります。おしまい。

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