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vα-livのライブを見た話

去る3/31、vα-liv(ヴイアライヴ)の配信ライブを見まして。
とても面白かったし、良い体験をしたので珍しく備忘録というか感想をまとめておきたいなと思った次第です。

以降、決して100%の絶賛ではない、若干批判的な内容もあるのでその旨ご留意下さい。結論としてはとても好意的な感想を述べたい内容です。

そもそもお前は?

気づけば15年選手くらいになってきたPです。時期としてはL4Uくらいから。
最初のうちはニコマスとラジオをメインにコンテンツを追ってきて、デレアニと10周年西武ドームからどっぷりと。
AS、シンデレラ、ミリオン、SideMは担当有り、シャニは決めきれないままここまできてしまっています。
最近はリアルでいろいろなことがあって、ゲームとかの実コンテンツを触るのは割とご無沙汰気味。ライブは連番埋めとかで誘ってもらえる時は行く感じです。SideM8thは最高でしたね…。

vα-livについては立ち上げの配信は見ましたが、以降の個別配信は全然追っていませんでした。

vα-livって?

こんな泡沫記事にやってきてくれる方は多くないと思いますが一応。
vα-liv(ヴイ アライヴ:略称ヴイアラ)は、アイドルマスターシリーズの母体であるProject iM@Sがスタートさせたライバーアイドルプロジェクトです。
彼女たちは「アイドル候補生」の立場として1年間ライバー活動を行い、自分たちの技術を磨き、審査を乗り越えて正式なアイドルとしてデビューすることを目指していました。
「最近流行りのVtuber的なもののアイマス版」というのが、外側から見たときのざっくり理解としては間違っていないと思います。

3/31に開催されたライブはその「最終審査」という位置づけで、Web投票+ライブ動員(=チケット販売数)が各自5,000に届かなければPJ終了。彼女たちはアイドルになれずにそこで終わり…というなかなか過酷なプロジェクトだったのでした。

もう少し踏み込むと、彼女たちは定期配信の中でリアルの芸人さん達ともやりとりをするし、同時に既存アイマスのキャラクターともアイドル・アイドル候補生という形で共演をしています。
先日デレステとホロライブの星街すいせいさんのコラボで彼女がゲーム内ストーリーに登場したような、また765ASの萩原雪歩・菊地真がリアル会場でライブをしたような、そういった施策をもう1歩進めた「2次元と3次元、コンテンツとリアルの境界を曖昧にしていくための装置」としての側面があるプロジェクトであるという見方もできそうですね。既存コンテンツのアイドルたちの実在性を高めていく、彼ら彼女らが現実を侵食していく未来を担う先遣部隊でもあるというか。

そういう意味で、ヴイアラ=アイマスの"Vtuber"というのは、また微妙に的を外しているのかも。
・・・ややこしいですね、アイマスの外からこの記事に来てくださっている方がもしいたら、この辺は置いといて大丈夫です。

ヴイアラのとある配信のキャプチャ。彼女たちのパフォーマンスを評価するシーンで、アイマスのスタッフ陣と一緒に座る「先輩アイドル」としての天海春香の姿。これもまた、境界が曖昧になってアイドルの実在性が高まるというこのPJの面白さですね。


で、ライブどうだったのよ

いや、めちゃくちゃ面白かったですね!

冒頭にも書いた通り、これまでの歩みは全然見てなかったんです。数時間単位になる配信を常に追うのはしんどいなあというのと、配信って話芸の一種だと思っているので発展途上の拙い喋りを長々見てもなーとか思っていたのと(大変失礼な話だ)。このVtuber全盛の時代についていけてない人の繰り言だと思って下さい。

じゃあなんで見たの、と言われるとひとえに担当P達の必死の応援と広報活動を見たからとしか言いようが無く。義によって助太刀致す、じゃないけど、これがほんの少しでも彼らの願いの足しになるならチケット買おうやないかい、みたいな気持ちでした。
ニコマスから入ったということもあって、やっぱりアイマスの醍醐味はコンテンツの外側のプロデューサーコミュニティだし、前向きな勢いがある時の彼らの空気感がとても好きで。そういうのはやっぱり応援したいな、悲しい顔は見たくないなって思ったんですよね。

(まあ同時にP達の空気が逆回転を始めると大変なことになるというのも歴史上何度も起きて周知の事ではあるわけですが。ほんと良くこんなめんどくさい客層(含 自分)抱えて20年近くもやってますよねあの会社って思う。)

そんなわけで、彼女たちのパフォーマンスを見るのはこのライブがほぼ初見でした。

純粋なショーとして、パフォーマンスとしては、まあ拙い部分が多いなという感想。歌にせよダンスにせよまだまだ全然上手いという物ではないし、全体の体力配分や声域を考えたら選ぶ曲違うでしょ、みたいな点も沢山見える。全然興味がない人が見たら「これで4,000円?」って思う人もいる内容だったと思います。

でも、1曲1曲に文脈があって思い入れがある、だから多少の無理があってもここで歌われる意味がある。そしてなにより、そこから生まれるパフォーマンスに伸びしろや、コンテンツそのものの未来を感じる、その先をもっと見たくなる。そういう部分に価値を感じる人には4,000円は安いと感じるライブになったのでは。

とっちらかってますけど、なんかそういうすごくピーキーな。刺さる人には5億点みたいなイベントで、自分は刺さる側だったなあというのが概略としての感想でした。

まあでも最終審査の条件を踏まえると動員&投票で5,000ですから、ユニークで2,500~3,000くらい? 初代アイマス基準で言うなら、これはまさにアイドル候補生からアイドルに登るためのFランクオーディションだったのだと捉えるならそういう内容で妥当だし、Pにこそぶっ刺さるというのも順当だなあと。

さて、セトリごとというよりは候補生(もう"元"ですね)御三方ごとにまとめた感想を。

灯里愛夏さん

可愛らしい声と一風変わった挨拶。一番最初のお披露目をチラ見していた感じ、まあ流行りのVtuberの要素を作り込んできた感じの子なのかなって勝手に思っていました。

いやー見事に先入観をひっくり返されましたね!
かわいいからかっこいいまで行ける幅広さと、圧倒的な体力が凄まじい。特にハードな楽曲をソロとデュオの2曲連続でやってみせたり、一人放課後クライマックガールズをやったりと縦横無尽の活躍に度肝を抜かれました。ただ可愛いだけの子じゃないんだな、というか。

まあ実際キレイなというか他所行きのまとまったパフォーマンスを目指すなら、歌いきれていたか怪しい太陽キッスや、低音を出しきれていなかったwe're the oneは選曲として正しかったのかというのはあると思うんですよ。
果穂関連の曲をやるならもっと体力的に余裕のある曲がありそうだし、SideM系でももう半オクターブ上くらいの曲のほうが声が映えそうだなとも思うし。(というか、候補生3人ともえらい難易度の高い曲ばっかり選ぶなあっていうのは率直な感想。)

でもあの2曲をやってくれたおかげで、彼女が体力お化けであることや、かっこいい系が行けることを知れた。その可能性を見れたのがすごく良かったし、シンプルにライブ体験として面白かったなって思いました。

あとalwaysが顕著ですけど「歌に表現を乗せる」っていうっていう要素においては彼女が一番上手な感じがしました。発声の感じとか見ても、役者のバックボーンがある方なのかな?とか思ったり。

上水流宇宙さん

どうでも良いけど名前がやたら語呂良いですよね、かみずるこすも。声に出して言いたくなる。さておき、TLの受動喫煙でダンスが得意な子という情報は持っていたので、さてさてどんなもんだねと思いながら見ていました。

歌と合わせた時にはまだまだ発展途上の要素はあるにせよ、間違いなく"ちゃんと踊れる"人ですよね、すごくかっこいい。
特にデュオで他の子と並ぶと技術面の差が顕著に見えて、肘とか手首から先とか、膝から下とか、末端の動きがちゃんとしてるんですよね。指先まで柔らかいんだけど芯が通ってる感じというか。何かしらダンス系の教育を受けていたことがあるのかしら。

逆にボーカルはまだこれから、という印象で。
正直眠り姫を課題に持ってくるのはあまりにもスパルタというか、歌い切れただけで偉業みたいな感じはありますよね…。配信中に並行で見ていた某所の実況で「過去の課題の中で歌いきれなかったリベンジ」である旨も見たんですが、良くぞ今回やりきったなあ、やりきれるところまで成長したんだなと。1年間追ってきた方は感涙物だったのではないでしょうか。

ただ、彼女の戦場が本当にここなのか…?とも思って。
ライブ後に配信見たりもしているんですが、通常時の話し声がすごく素敵なんですよね。配信でだけじゃなくて、DLSiteでASMR作品とか作ってほしい感じ。
というところで、眠り姫みたいなスーパーハイトーンの難曲に挑むのも成長課題としては良いのかもですが、もう少し低めのバラードとか彼女の声の良さを活かせる音域の曲も聞いてみたいなあとも思いました。

レトラさん

正式表記する場合はこれで良いのかしら…歌川レトラさんになるんですかね? 

前のお二人が「一年間の集大成」「ここまでの成長の軌跡」みたいな要素を強く感じたのに対して、彼女については「この先」とか「伸び代」みたいな未来に向けた楽しみみたいな物を一番強く感じました。

3人の中では歌える子という立ち位置らしい、という話は前情報でなんとなく把握していて、ライブで聞いた感じも確かに上手ではあるなと思ったんですよね。ただ時々走るモタるがあってリズムに怪しいところが見えたりして、歌手として上手いというよりは上手なアマチュアというか、"ただ上手いだけ"、という印象で。表現の部分にはまだ手が届いていないのかな、と感じていました。

なるほどなーこういう感じか、と思って見ていたんですが最終盤に衝撃を受けたんです。
VocalセクションのSING MY SONG。

願う明日がある、見てみたい景色がある
この気持ち、それを…私が歌う私の歌にしよう

最上静香 SING MY SONG

候補生として最終審査に挑む自分の姿に重なったのもあるんでしょうけれど、この落ちサビの部分で彼女の歌がいきなり変わったんですよね。感情と表現が乗って、数段階レベルが上がったように感じて。歌い手が一気に伸びる瞬間を目の当たりにしたというか・・・うわあすげえ!って無意識に声が出てしまっていました。

この成長こそが"候補生"を追うこのコンテンツの真骨頂だと思うし、ここでこの伸び代を見せられると、この先どうなっていくのかめちゃくちゃ楽しみになりますよね!
他の曲でもこの歌が出せるようになったら、きっとアイマス他ブランドに、アイマスの外に、誇れるような大歌姫になっていけるのでは・・・そんなことを思いました。

終わりに

長々書いてきましたけど、何が言いたいかってライブめっちゃ面白かったですということでしかないんですけど。

それにしても、歌で言うなら表現力の愛夏に対して技術的な上手さのレトラ、ダンスなら技術面で勝る宇宙に対してフィジカルの愛夏、みたいによくもまあここまで個性だけじゃなく各要素の強みが綺麗にバラバラな3人を集めてきたなあ!と。

配信を毎回追うのは時間的にも厳しいし、興味のあるトピックのときだけアーカイブで見るとかになりそうなので担当を名乗ることはないと思うんですけど。でもとにかくこの先が楽しみで、3人がどういう成長をしていくのか、どんな大きな仕事を抱えるようになっていくのかを見てみたいと思わされました。

デビューが決まった3人はASOBINOTEさんが音楽プロデュースに付くそうです。ライブを見ていて、まだ自分の強みとか音楽的にそれぞれが戦っていくべき戦場を見極められていない印象を受けたので、そこを上手く導いて貰えたら良いですね。3人の声域とか実力にガッチリハマったソロ曲やユニット曲がリリースされるのが本当に楽しみです。

多分彼女達がいるのといないのとでは、アイマスの今後の展開も全然違うんじゃないかな。3人の存在を踏まえた、アイマス他ブランドの今後の展開もとても楽しみになったライブでした。

いやー良いものを教えてもらった。布教してくれたヴイアラのPさん本当にありがとうございました。


余談

ライブが終わって、少しずつ色々と配信のアーカイブを見始めているのですが。

あのステージで成長と、未来と、可能性を存分に見せてくれた彼女達は、おもしれー女とおもしれー女とおもしれー女だったようです。

そんなとこまでアイマスしなくていいんだよ。いいぞもっとやれ。
とりあえずラーメンの続き楽しみにしてます。

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