シェア
数十年ぶりに刑務所から出ると世の中は様変わりしていた。 車が空を飛んでいたり、アンドロイドが普通に歩いていたりして唖然とする。 「おつとめご苦労さん。」 門の前で古い友人が待っていた。 「とんでもねえ世の中だな。」 「こんなん序の口よ。まずは飯でも食おう。」 無人運転のバスに乗り込む直前、友人が青白く光る小さなモニターに手のひらをかざすと「ピポン」と軽快な音がした。新時代のマナーか何かかと思ってまねすると、けたたましくブザーが鳴った。 「何なんだこれは。」 「そうか。