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マダミスは一度しか遊べないから面白い

まずマーダーミステリーは一度しか遊べないからこそ面白いゲームです。

洗練されたトリックに紐づいて、ハンドアウト(設定書)に隠された散りばめられた伏線、そして物語の展開によるどんでん返し。
一度しかない体験に全てをかける物語だからこそ、マーダーミステリーは面白いのです!


この度、何度でも遊べるマーダーミステリーとして
物語周回マーダーミステリー「クドリャフカの籤引(くじびき)」の情報公開をさせていただきました。


では何故「何度でも遊べるマーダーミステリー」を作ろうとしたのか。
そしてそれは一体どのようなものか。
こちらについて、ほんの少しお話しをさせてください。





何故、「何度でも遊べるマダミス」を作るのか


この記事を読んでいるあなたはきっとマダミスのことが好きで、実際にマダミスの市場に大きく貢献をされている方だと思います。

私も一人のマダミス制作者として、あなたと一緒にもっと多くの楽しいマダミスを体験(時間の共有)をしていきたいと考えています。

ではその上で、面白いマーダーミステリーを
5年10年先も楽しむためには
今、何をしなければならないのか。


それは市場を広げていくことです。


既存ユーザーであるあなたの満足感、期待感を持たせ続けるためには
もっと面白い作品を作り続け、界隈を盛り上げていき
あなたと趣向の合った新規ユーザーをどんどん増やしていく。

これが必要になっていきます。

では、どうすれば新規ユーザーを増やせるのか。


ここでひとつ、質問いたします。


あなたがマダミスにハマったキッカケはなんですか?


もしかするとマダミス配信などを見て
ハマった方もいらっしゃるかもしれません。


ただもう一つ。
「既にマダミスにハマっている人(先駆者)に誘われて一緒に遊んだから」
「初めて同士だけど一緒に飛び込んだ人(仲間)と遊んだから」
という方も多いのではないかと考えています。

ただその場合、新規ユーザーを界隈に呼ぶために
難しい状況が生まれてしまいます。

マダミスは一度しか遊べないからです。


「この作品、初心者向けでめちゃんこ面白いから遊んでみてよ!」
とあなたからオススメされたとしても、その人にとってみれば、一緒に遊んでくれる先駆者も仲間もいない状況です。
所謂、「難民」と呼ばれる状況からスタートします。

それですと、なかなか1人で飛び込むには勇気や機運が必要になります。

せめて誘ってくれたあなたと一緒に遊びたいところでしょう。
ですが一度しか遊べないからこそ、あなたは既に遊んでいる作品も多く
新しい作品だとあなたにも、どれか面白いのかわかりません。

全くマダミスを知らない人を誘いたい時、これは面白いのかどうか、その人に合っているのかどうか、難しかったらどうしようと心配になってしまうことが多くあります。
そうなると、やはり面白そうな作品は気心知れたマダミスの猛者たちと遊びがちになってしまいます。

これでは市場を広げることは難しいままです。

ですがもしも、ここに
「何度でも遊べるマーダーミステリー」があったらどうでしょうか。

ようやく本題に入ります。


何度でも遊べるマーダーミステリーがあったら?


先ず一度遊んだことがあるから、安心して人を誘うことができます。
そして一緒に遊ぶことができます。

何度でも遊べるからこそ、どのようなゲームなのかネタバレを恐れず語れることも多くなり、知らない方への説明が少しだけしやすくなります。

そして更に良いこともあります。
いつもの決まったメンバーで遊びすぎる状況。すなわち「いつメン化」。
そこから脱却することも可能になります。

たまには他の人とも遊びたい!
この人と遊ぶとどうなるんだろう!って場合でも
2回目として一緒に遊ぶことができます。

更に「あと1人いれば立卓なのに!」という場合でも
何度でも遊べることで、あなたが卓の救世主になれるかもしれません。

更に「配信」や「舞台」として裾野を広げた場合でも
観る人はコンテンツとして何度でも楽しめる上に
観た人がその後、実際に体験できることもできます。


もしこれらが上手く行ったならば、人が増えていき
なんだか市場が広がりそうな気がしてきませんでしょうか。

今回、「クドリャフカの籤引」を作るにあたり、
何度でも遊べるマーダーミステリーと豪語したのは市場を広げるにはどうすれば良いのかという一作者の挑戦でもあります。

ただし、何度でも遊べるというシステムというのは
やり方を拘らないと、とてもつまらないものになります。
かく言う私も最初に述べた通り、
マーダーミステリーは一度しか遊べないからこそ面白いと心から思っています。

だからこそ、どうすれば面白くできるのか。
それは一度目で楽しませた後、更にもう一度遊びたくなる仕組みづくりに神経を注いでいます。

加えて、この何度でも遊べる形式を主流にしたい訳ではありません。
市場を広げるための一つの施策として見守っていただけると嬉しいです。

今回、この一つの挑戦としてタイトルの冠に
「物語周回マーダーミステリー」としております。

ちなみにこちらはストーリープレイング一作目「銀の瞳の君を求めて」を制作されたしゃみずいさん(@shami_gm)に相談し、名付けていただきました。
これはストーリープレイングを挑戦的に作られたしゃみずいさんのお力も借りて、己を奮い立たせ、挑戦をしようという次第です。

そして、もしこの作品を遊んでいただく機会があり、
少しでも面白かったならば、ぜひ、マダミスが初めての方を誘ってもう一度遊んでいただけると、とても嬉しいです。

そして一緒に遊んだ帰り道、
もしその方がマダミスにハマりそうでしたら
ぜひ、こう伝えてください!

「シュレーディンガーの密室」や
「パンドラの箱の再開」も遊んでみてね。と、



何度でも遊べるシステムについて


さて、ではどのようなシステムにしたのか
この後、記述しようと思います。
ちょっとしたネタバレとか気にならない方は最後までお読みいただけます。

勿論、システムを知ったところで遊べなくなる訳ではありません。
とはいえ、楽しみの一部を奪ってしまう可能性があります。
「何も知らない状態で遊びたいんだ!」と言う方はこのまま画面を閉じていただけましたら幸甚です。



それでは最後に
「何度でも遊べるマーダーミステリーのシステム」について語って
この記事を終えたいと思います。


ハンドアウトが二種類ございます。

まず、登場人物たちに最初に配られるのは「表面」のハンドアウトです。
そこには、あなたの担当する登場人物の名前や職業、経歴や今の状況などが記されています。

そう、表面上の設定書です。
登場人物によっては、
既に誰かと関係を構築している状態から始まることでしょう。

そして、物語が始まり、ある程度その設定書で読み合わせた後、
籤引き(くじびき)をしていただきます。

各々7つある過去のうち一つを選ぶ形になります。
例えば「探偵」であれば、そこから「探偵」の過去が7つ存在し
どのような過去を経て、「探偵」となっているのかが分かります。
※それぞれ7人の登場人物分の7つの過去があります。

そこで配られるのが「裏面」のハンドアウトです。

「裏面」にはあなたの過去や正体が書かれています。
もしかしたら、何かしらの決意を持つかも知れません。
もしかしたら、犯人として殺意を抱いているかも知れません。

この時点で「表面」で構築されていた誰かとの関係は相反する歪んだものに変わってしまう可能性すらあります。
更に言えば、自分は友好的に思っていても、相手は違う過去を持っている可能性すらあります。

その後、物語中盤で、一度全員の所持している持ち物カードを集めて、殺害ターンへと進みます。

犯人の方は持ち物の中から一つ選んでいただき、その「凶器」や「トリック」を使って今回の事件のやり方を決定していただきます。
(特に指定がない場合はGMによってランダムに決定されます。)

難しいことはありません。「凶器」もしくは「トリック」を選ぶだけで、あとはそれに応じた結果がハンドアウトに追加されます。

そしてようやく事件が発生し、
全ての舞台が整った状態で物語が再開します。

議論中、その「裏面」に応じた読み合わせイベントなどが発生し、登場人物同士の疑惑が深まっていくことでしょう。

既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが
今回の作品を作るにあたり、
「表面」7人分のハンドアウト
「裏面」7人✕7パターンの49のハンドアウトを用意しております。
その上で先述の通り、「1度しか遊べない楽しさ」を捨ててまでのデメリットを持った上でこの試みに至っております。
勿論、今作が失敗で終わる可能性もあります。

ですが、少しでもこの試みに未来を感じていただけたのであれば、是非、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
そうしたお心遣いをいただけるだけでも、作者という生き物は更に立ち上がることができるからです。

また、ここまで書いておいてなのですが
他にも何度でも遊ぶことのできるマーダーミステリーが既にあるとのお声が届いております。
あまり私自身がマーダーミステリーを遊んでいないため、知らずとしてシステム被りをしている可能性もございます。

こちらに関して何か問題がありそうでしたら、SNSのDMなどで教えていただけますと助かります。


それでは、あなたにとって、
マーダーミステリーにて
楽しい思い出がたくさん増えることを願って。