人間にとって、「働く」こととは


こんにちは。
今回は、坂本光司さんの『日本でいちばん大切にしたい会社』を読んで感じたことを書きたいと思います。

この本では、日本理化学工業株式会社、株式会社ファンケルスマイルといった、“障害者を多く雇用する会社”を紹介しています。


障害者の方々が抱える社会との壁

企業には、障害者の法定雇用率が設けられており、それを達成しなければなりません。

しかし、達成できている企業は42%に留まっており、多くの企業が納付金を納めることを選択しているのが現状です。

障害者の方々がいくら『働きたい』と思っても、働ける場がそもそも少ないのです。

そんな中、日本理化学工業株式会社の社長である大山さんは、50年も前から障害者の雇用を行なっており、現在では従業員約50名のうちおよそ7割が知的障害を持った方々で占められています。

私はこの、障害者と社会との壁を壊す大山さんと周りの社員さんの考えに素晴らしいと思ったのと同時に、果たして自分が大山さんと同じ立場だったら、そういった選択、行動ができるだろうか?障害者の方を深く考えようとせず、効率を求めて、お金で解決しようとしないか?…という考えも出てきました。

人に合わせる大切さ


先程の私の考えを、大山さんらは、障害者一人一人と付き合いながら、“何ができて、何ができないか”というのを理解し、その人に合った工程にする。という、人を工程に合わせるのではなく、工程を人に合わせることを実践したのです。

この考えは、非常に大切なことだと感じました。
大量生産、大量消費が当たり前になった今の時代、効率を重視し、決められた工程に沿って人間が作業し、その工程が出来ない人は辞めさせられる、もしくは『自分は出来ないんだ』と思い込んでしまい、自ら辞めていく。

障害のない、健常者と呼ばれる人間でもそのようにして「働く」ことが出来ない人がいるのに、その状況で障害者の方々が働ける、そんな職場環境をつくるのは難しいのではないでしょうか。
そして、だからこそ、人に合わせた仕事づくりは今しなければならないことだと思いました。

「働く」ことと「生きがい」


今回の題にもしましたが、では、人間にとって「働く」とは一体何なのか。

私はこの本を読んで、「生きる意味」、「生きがい」だと思いました。
この本の中で、大山さんがある禅寺のお坊さんに教わったある言葉がありました。

ー幸福とは、①人に愛されること、②人に褒められること、③人の役に立つこと、④人に必要とされることです。
ーこの三つの幸福(②、③、④)は、働くことによって得られるのです。

普段から何事もなく当たり前のように働いてる身からすると、考えもしないような、忘れていたような考えだと思います。
「働く」ということは、分解していくと、人間が幸せと思う要素が含まれており、その要素に気づけるような社会/企業/環境になることが必要なのだと。

しかし、障害者の方が得たいと思っても得られない幸福を、自分は当たり前のように得られていたのだなと思うと、障害者の方々がその幸福を得られる、生きがいを感じられるように変えていかなければならないと強く思いました。


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