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マッチレポート vs マンチェスター・シティ(2023/5/10)

試合前

 ほとんど優勝の可能性がないリーグ戦で低調な試合を重ねていたが、コパ・デル・レイ決勝でオサスナを下して今季3つ目のタイトルを獲得したマドリー。CL準決勝は昨シーズンと同じカード。タイトル防衛のためサンティアゴ・ベルナベウでの1stに臨む。一方プレミアリーグではアーセナルとの天王山を制して首位に躍りでたシティ。悲願のCL優勝へ向けて最大の障壁であろうマドリー戦へ向かう。

試合データ

Date : 2023/5/10(火)

Competition : CL 準決勝 1st レグ

Place : サンティアゴ ベルナベウ

Score : レアル マドリード 1 – 1 マンチェスタ
           ー・シティ

  36' ⚽️ ヴィニシウス (レアル マドリード)
  67' ⚽️ デ ブライネ (マンチェスター・シティ)

Starting :

Substitute :

・レアル マドリード
81' アセンシオ (in) ⇔ ロドリゴ (out)
84' チュアメニ (in) ⇔ クロース (out)
87' ナチョ(in) ⇔ モドリッチ (out)  

試合内容

●前半

 試合開始からシティがボールを握り、押し込む展開に。それに対してマドリーはローブロックを作って対応する。ハーランドにはリュディガーとアラバが目を光らせ、危険なエリアではボールをほぼ受けさせず。マドリーは無理にプレッシングには行かず、しっかりと守備をセットすることで試合のテンポを落とす。ブロックの外からはロドリ、ギュンドアン等にミドルシュートを打たれるも、これはクルトワがセーブ。押し込められた時間をしのぐと、徐々にマドリーも相手陣内まで入れるように。そして36分、カマヴィンガがモドリッチを起点に局面を打開しヴィニシウスにパスすると、ヴィニシウスがバイタルから右足を振り抜き先制点。その後は上手く時間を使い1点リードで試合を折り返す。

●後半

 1点をリードして迎えた後半は前半に比べ若干オープンな展開に。またマドリ―がボールを保持する時間が増える。そのため前半に比べマドリ―ゴール前に少しスペースが生まれる。54分にはギュンドアンのパスから抜け出しかけたハーランドのシュートをアラバがスライディングで見事なブロック。一方のマドリ―もボールをもってシティゴール前へ攻め込む。しかし追加点は決まらず。すると66分、カマヴィンガが相手から奪取したボールをロドリゴに着けようとするもこれをロドリがカット。ゴール前まで持ち込まれ、マイナスに落とされたところからデ・ブライネに強烈なミドルシュートを決められてしまう。ホームで追いつかれたマドリ―は勝ち越し弾を狙い再びシティのゴールに迫る。78分、90分にはベンゼマとチュアメニがそれぞれ惜しいシュートを放つもシティのGKエデルソンに阻まれてしまう。そのまま試合は終了。決着の行方は2ndレグに委ねられることに。

ピックアップ

●CL仕様のマドリー

 ここ数試合リーガでは目も当てられないような敗戦が続き、コパの決勝もタイトルこそ獲得したが決していい内容の試合ではなかった。そんな中迎えたシーズンを左右する大一番だったが、今夜のマドリーは我々がよく知る欧州王者のマドリーだった。ボールを保持され押し込まれても、しっかりとブロックを作り跳ね返す。焦らずに、試合のペースをコントロールし、好機を伺った。欧州随一の攻撃力を誇るシティの攻撃陣にほぼパーフェクトに対応。最近リーガでよく見られる拙いミスはほぼなかった。大一番で欧州最高峰の力を有していることを証明できた夜だった。

●止まらないヴィニシウス

 今シーズン、ほぼ全ての試合で左サイドを制圧できるようになったヴィニシウス。週末のコパ決勝でも左サイドを攻略して今シーズンのアシスト記録を伸ばすと、今日は中央に入ってきて目の覚めるようなゴラッソを決めてみせる。プレミアリーグきってのSBであるウォーカーとも互角以上にやり合い、シティにとって一番の脅威となっていた。危険なファールや、時に人種差別を受けることもある彼だが、それでも毎試合我々の期待を上回るパフォーマンスを見せてくれる。ここ2シーズンで新進気鋭のドリブラーから試合を決めるクラックへと大きな進化を遂げている。

●カマヴィンガの左SB

 メンディが怪我で離脱中の左SBには今日もカマヴィンガが入った。この急造コンバートがシティ相手に通用するのか不安視されたが、このレベルの試合でも上々の出来。守備ではベルナベウ・シウバと互角に対峙し、スペースの少ない自陣ライン際でもプレッシャーをうまく回避。CBが開いた際には内側に入ってボールを受けてビルドアップを助ける。35分にはモドリッチとのワンツーで局面を打開、ヴィニシウスのゴールをアシストする。後半の失点に繋がるパスミスは軽率だったが、年齢と不慣れなポジションでの起用を考えれば目を瞑れるミスだろう。SBとして起用された当初は一時的なオプションだと思っていたが、今ではSB待望論まで上がるほどの仕上がりに。末恐ろしいポテンシャルだ。

総括

 今シーズンの欧州最高峰の試合だったのではないだろうか。一瞬の綻びが失点に直結してしまうような、まさにCL準決勝といった緊張感のある試合だった。ホームで先制し、その後攻勢を強めたことを考えるとマドリ―は勝利で終えたかったところ。2ndレグはいまだ勝利のないエティハドスタジアムでの1戦。しかし昨シーズンの対戦時とは違い、今のマドリ―にはシティを真っ向勝負で破るだけのチーム力がある。運命の第2戦に向けて、週末のヘタフェ戦を有効活用してほしいところである。

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