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王道の長編ゲームを魅せるセンスの塊「牛沢」さん ゲーム実況鑑賞 #2

私がみたYoutubeのゲーム実況動画本数としては一番多いかもしれないのが牛沢さんです。#1で紹介したキヨさんも含め4人でTOP4としてよくコラボしていて、チャンネル登録者数は2022年の最初の時点で126万人。ゼルダやFF、ドラクエ、ニーアシリーズ、龍が如くなど人気タイトルのシリーズ実況をされる方の中では、最も人気の高い方のお一人です。
今回は彼の人気の秘密を紐解いていきたいと思います。

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なお、この動画は下記に留意いただいた上で、私が最大限のリスペクトを込めてゲーム実況者の方々を紹介するnoteです

・ピックアップする実況者の方の対象は動画を50本以上/3シリーズ以上視聴した方(まだまだこれから面白い人や動画を発見していくことは間違いない)
・超主観(アラサー女性視点/ゲームタイトルのほとんどを未プレイ)
・Youtubeで今見られる動画限定(ニコニコでの活動などは含まない)
・あくまで動画自体の紹介(実況者さんご自身のプロフィールなどには深入りしない)

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ここからはどういう点が素敵だと思っているかの項目別におすすめの動画を紹介していきたいと思います!

1)膨大なコンテンツもポイントを押さえた編集で飽きさせない

20回を超えるような長編ゲームの実況は、人気タイトルなら新規視聴者の獲得に繋がる一方で、最初から観ないといけないのでシリーズ途中の動画は短期的には視聴回数が伸びづらく、途中で離脱するリスクも大きいことは想像に難くありません。シリーズ全体で飽きさせない工夫が必要となります。
自分で観ていても思うのですが、特にサブクエストの多いRPG系のゲームは何を動画にのせるかの塩梅が難しい。プレイのすべてを取り上げると冗長ですが、全く取り上げないとそれはそれでファンの期待に沿えないんですよね。

牛沢さんはそのあたりのバランス感覚が神がかっている、と思います。私が最初に牛沢さんと明確に認識して夢中になって全動画を観たのは、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」でした。

なんとこの実況シリーズ#91まであります!!
にもかかわらず、まったく長編であることを感じない、なんなら物足りなさすら感じる永遠に続いてほしい内容なのです。

他の方の同じゲームの動画も少し観たのですが、やり込んでほしい部分を大雑把に進められてイライラしたり、逆にプレイ時間膨大すぎて視聴がつらくなったりして、全部みる前にもういいかなってなってしまうんですよね。
牛沢さんの動画が初見だったから夢中になれたのかなと思って、もう1度牛沢さんのゼルダを観始めたら、気づいたらまた一気に30話くらい観続けてしまって、その吸引力が半端ないことが改めて証明されました。

なぜこんなにおもしろいのかというのにはいろいろな理由があると思うのですが、ブレスオブザワイルドについていうと、やりこみながらも、動画においてはポイントとなるサブクエストとストーリーに絞ってじっくり見せていくその勘所がプレイ動画として優れているんだと改めて思いました。

その技術というか良さが凝縮されていると思ったのがこのGoogleのゲーム。
オリンピックシーズンにGoogleの検索画面から無料でチャレンジできた驚くほどよくできたゲームなのですが、単に話題にのっかるだけでなく3回に分けてトロコンまで収録した人はほとんどいなかったのではと思います。
↑でシェアしているのはその最後の3回目の動画なのですが全過程を見せるのではなく、3分クッキング的にあとワンステップでクリアまでやり込んでおいてから、動画をとっているというのがうまいのです。

2)語彙力と発想力で真似できないプレイ内容に

牛沢さんを紹介するのであれば本来はここを最初に紹介すべきか悩んだのですが、低音ボイスでセンスの光るリアクションやツッコミができることが他の人が真似できない牛沢さんの実況の素敵なところです。
最初はそれほど興味のなかったゲームが、牛沢さんのプレイをみることによって、じわじわと、しかしながら猛烈に夢中になってしまうケースがたびたびあります。

この「ゲーム発展国++」は特に衝撃を受けた実況です。
ゲーム会社の社長として、様々なゲームを開発することで会社を大きくしていくシミュレーションゲーム。毎回、つくるゲームのタイトルを命名することができるのですが、ゲームに詳しい上にワードセンスが冴え渡っているので、実在するゲームをいじりながら、たくさんの夢の拡がるゲームタイトルを編み出していきます。次はどんなゲーム作るんだろう、これは売れるのかな?とわくわくが止まりません。
実際、牛沢さんの実況でこのゲームすごく売れたらしいです。納得。

ワードセンス光るゲームをワードセンス光る実況者がリスペクトしながら紹介するとこんなにおもしろいのか!と夢中になって観てしまったのがこの「ヘビの命」です。

ヘビだらけの旅館で事件の真相を暴く、一見すると、非現実的な設定のミステリーアドベンチャー。フリーゲームとしてはめずらしく39本もある長編シリーズとなっています。有名タイトルでもないので、普通なら実況するかどうか悩ましい作品ではと思います。
最初は何が面白いのか、半信半疑で観始めたのですが、独特のセリフ回しや手の混んだ伏線回収を牛沢さんが一つ一つ楽しみながら実況していくので、最終的にはこのヘビさんたちがいとおしくてたまらなくなります。
コメント欄には作品に登場するヘビさんたちのアイコンを用いて、キャラクターになりきってコメントする人が急増するし、製作者さんも喜んで一緒にコラボグッズを作る展開にまで発展しています。

3)にも関わらず実況は全力で感情が溢れている

センス系ということで実況は静かめかと思いきや、感情表現はけっこう激しく、たとえば「こんなの余裕だよ」と敢えてイキったあとに大絶叫するのが名物になっています。かと思えば、プライベートではチンチラを飼育し、ゲームに動物が出てくると、全力で愛でていきます。
意図的な部分と素でやっている部分とあると思いますが、ギャップを魅せるのが巧いです。

おそらく絶叫の面白さが一番出ているのは、バイオハザードをはじめとする彼のホラー実況なのですが、私はまだ切り抜き動画レベルでしか観られておらず。最近一番彼の絶叫を楽しんだのはこの鬼畜アクションゲーム「しょぼんのるきみん」。余裕じゃんってイキってからのフラグ回収とその都度、絶叫しながらツッコミ入れていくところが観ていて楽しい。。

牛沢さん動画でラスト泣いてしまったのは作品自体も名作と名高い「Detroit: Become Human」です。登場人物に関してどういう選択をするかで結末が幅広く分岐するのですが、正解のない究極の選択の連続に、牛沢さんの感情が揺さぶられている様子が率直に表現されており、どうするのが後悔しないのか?動画を観ながら一緒に悩みました。そうして迎える結末は本当にすばらしいの一言。
ブレスオブザワイルドは長すぎるという方には代表作としてこれを推したいです。それでも#32まであるけれども。。

4)時々とんでもない意味不明ゲームを発掘してくる

扱うゲームジャンルを明確に定めていないゲーム実況者はどのゲームを実況するか選ぶという点においても、実力差が出てくる印象があります。

牛沢さんは「ヘビの命」もそうなんですけど、特に単発系の動画では、聞いたことのないような超マイナーなゲームを発掘してきて紹介するのが最高です。長編にじっくり取り組みながら、しっかりゲーム調べてこういう動画出していくことによって、チャンネルや実況者としてのオリジナリティを高めていると感じます。

これは冒頭で紹介したTOP4といわれるメンバーで集まってのコラボ実況ですが、この意味不明な動画をぜひご覧ください。4種類の猿たちでただキーボード連打するだけのミニゲームしていく内容なんですが、終始笑いっぱなしでした。PV稼ぐ気ゼロな狂ったタイトルもとても好きです。

そしてこれはただ岩を眺めるゲームです。本当に。

牛沢さんの動画をみるの初めての人にはおすすめできないですけど、じっくり長編を観る合間のスパイスにちょうど良いんですよね。にやにやが止まらない感じ。
ただ岩を眺めるゲームを15分も実況できるのはそもそも実力があるからなんだということにも気付きます。

まとめ)正統派ゲーム実況でも独自のスタイルを貫いて圧倒的な支持を得る

理想的なゲーム実況ってなんだろうって考えたときに、牛沢さんはとても正統派なのではないかと感じます。原則としては変なふざけ方をせずに、まっすぐにゲームと向き合い、解説・リアクションを行っていくという点において。その安心感が特に長編実況には不可欠なのではと思うのです。

その上で、彼がすごいのは、しっかり個性的で、他の人に真似できない仕上がりになっているところです。

そして、実は「龍が如く」シリーズや「バイオハザード」シリーズなど、まだ彼の実況の代表作と言われているにも関わらず観られていないものが多いので、まだまだ過去動画も含めて楽しんでいきたいと思います。


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