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どんな“ヤミ”も浄化する安心と信頼のレジェンド実況者「レトルト」さん ゲーム実況鑑賞 #7

実況歴10年以上、YouTubeでチャンネル登録者数200万人超、自ら300本以上のフリーホラーゲームを実況してきたと語る、ゲーム実況界の大御所、レトルトさん。私もたくさん楽しませていただいているのですが、その魅力を言葉にするのはとても難しいのです。
#1・#2で紹介したキヨさん、牛沢さんも含めてTOP4としてよくコラボしており、流れで#3で紹介しようかとも思ったのですが、中途半端に扱いたくない、もう少し彼の動画を観て、このコーナーも回数を重ねて、伝え方をブラッシュアップしてから取り上げたいという思いから先送りしてきました。
しかしながら、これ以上は我慢できない!と思っての今回です。がんばります。

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なお、この動画は下記に留意いただいた上で、私が最大限のリスペクトを込めてゲーム実況者の方々を紹介するnoteです。

・ピックアップする実況者の方の対象は動画を50本以上/3シリーズ以上視聴した方(まだまだこれから面白い人や動画を発見していくことは間違いない)
・超主観(アラサー女性視点/ゲームタイトルのほとんどを未プレイ)
・Youtubeで今見られる動画限定(ニコニコでの活動などは含まない)
・あくまで動画自体の紹介(実況者さんご自身のプロフィールなどには深入りしない)

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今回動画が絞り切れておらず長文になりますが、さっそく始めてきいましょう。

1)闇が深いフリーホラーもコツコツ丁寧に進行

レトルトさんといえば、フリーホラー。

フリーホラーというのは、アマチュアのゲームクリエイターさんが無料で提供するホラー要素のあるゲームで、ゲーム実況の王道ジャンル。(フリーかどうか、ホラーかどうかの境界は昨今、曖昧になっているので、ここに出てくるものが本当に全部無料かを確認しているわけではありません。)

レトルトさんは、フリーホラーをゲーム実況で扱った本数なら、ゲーム実況者の中で五本の指に入るのではないでしょうか。

レトルトさんのフリーホラー実況が何より素敵なのは、視聴者が満足するラインを的確に把握し、難しくてもあきらめず、コツコツ動画化するところです。痒い所に手が届く、といえばいいのか。

特にキュートさと残酷さが共存するような、ドット絵系のゲームで良さが際立ちます。

中でも代表作と思うのがこの「やばたにえん」。
私が大好きな実況シリーズです。

今にも死にそうな状況の少女たちを救う手段を見つけて、効率よく助けていかないといけないのですが、とにかく難易度が高く、なんらかのエンディングを迎えるだけでも一苦労、という内容です。
そのうえ、やっとの思いで全員助けても、後味の悪いエンドになってしまい、トゥルーエンドやその他のエンドに辿り着くのは、やり方がわかっていても至難の業です。

レトルトさんも、最初、(普通に失敗してもたどり着けないという意味で天才的ではあるものの)1人も救えない絶望的なエンドを迎えてしまうくらい、大苦戦します。

しかし、レトルトさんの本領が発揮されるのはその絶望的状況から。動画外でも失敗を繰り返しながら分析と練習を重ね、一人一人を救う方法を編み出し、最終的に自分の力で全員を救えるところまで辿り着きます。

ただし先にも書いたように、全員救っただけではこのゲームは完結しません。いったいこの館に何が起きていたのかを考えるためにはBAD ENDも含めて全てのエンディングを見なければいけないのです。
というわけで、その後もせっせと細かい分岐点のアクションを調整し、全エンディングを回収、繰り返しになる部分は丁寧にカットして、動画にしています。

この「やばたにえん」の少女たちの絶望的な状況の背景にある物語は、相当に闇が深いのですが、レトルトさんが四苦八苦しながらゲームを楽しみ、頑張っている姿はとても微笑ましくて、闇が浄化されたかのように、明るい印象の動画に仕上がっているのがまたすごいのです

フリーホラーの王道でこれと違ったスタイルのものとして、レトルトさんが時々発作的にやりたくなるというサウンドノベル形式のホラー作品にも触れておかなければいけません。

私が好きだったのが持ち主の家が必ず火事になるこのテディベアの物語。

サウンドノベルというのは基本的には、決まった文章を読むだけの一本道で、視聴者側からすると耳だけで気軽に楽しめて良いのですが、作品を読んでそれにリアクションをして、というのを一人でやらないといけないので、ともすると単調になったり、聞き苦しかったりすることもあり、実況力が問われるコンテンツです。
また、一回真相を聞いたら他の人の実況で聞き直そうとは思わないので、他の人とかぶらず面白そうな作品を見つけてくる情報収集力とセンスが必要です。

コツコツレトルトさんはその点もぬかりなく、こんな作品があるんだ!と毎度驚かされるような作品を発掘してきます。特にこのテディベアの物語はホラーながら最後は優しい気持ちになれるストーリー展開がとても印象に残っています。

もちろん実況の方も、作品の文章を読んで、リアクションして、の切り替えに安定感があり、とても聴きやすい仕上がりになっています。
怖い場面でちょっとくすっとするアドリブが入ることもあり、ほっとしつつもそのストーリーを邪魔しない絶妙さ加減が良いのです。
かと思えばびっくり系のホラーで絶叫するのもまたおもしろいのですが。

そうしたレトルトさんの良さがぎゅぎゅぎゅっと詰まった最近の良作だと思うのがこちらです。フリーホラーとしてすごく有名、というわけでもないのに100万再生を超えています。
エンドまで一本道のクリック式のゲームなのですが、フリーゲームをやりこんでいないと思いつけない謎解きが求められます。
レトルトさんは「こういうゲームって、そういうとこあるよね」という感じで、私には思いもよらなかった仕掛けを発見し、さくさくクリアまで進めていくので、見ていてすごい!と驚きます。
雰囲気も少しダークながらイラストのタッチがコミカルかつキュートで、とてもレトルトさんの雰囲気にマッチしています。

2)ヤンデレ恋愛モノも老若男女楽しめる爽やかな仕上がりに

フリーホラーの中にはお化けや犯罪的な怖さもあるのですが、恋愛もので分岐によっては恐ろしい末路に至る作品も定番です。

特にヤンデレ、メンヘラ系の病んでる女の子が出てくるものは、ちょっと自分では敬遠してしまうけど怖いもの見たさというか、実況だからこそ観ようかなと思えるジャンルのゲームの1つです。
そう、そんな時こそレトルトさんです!!

特にレトルトさんすごい!と思ったのがこちら。
美人な先輩の家でヒモになったうえに、そのお金を有効に使わずパチンコに溶かしていくストーリーで、ちょっとクズすぎて、目を背けたくなる設定です。

にも関わらず、レトルトさんんは、のっけからこの子が好きな漫画を聞いて、めっちゃいい子だと確信して褒めだしたり、毎日のパチンコに夢中になって無邪気にとんでもない成果出したり。
恐ろしいエンディングでもレトルトさんが楽しくつっこむから適度な距離感で見ていられて、ハッピーエンドは普通に感動できてしまうんです。
運がないとたどり着けない隠しエンディングを一発で引き当てるという意味でも神展開の続く動画でした。

レトルトさんのコミカルトークスキルが存分に発揮されるヤンデレものがこちら。

かわいい声の女の子から間違い電話がかかってきたところから始まり、ちょっとおかしな展開になっていくストーリー。画面はスマホ画面でほぼ固定、本来はただ無言で声を聴くだけのゲームです。

そんな中、レトルトさんはレトルトさんとして電話を受けて、意味わからないこと言われたら毒舌で突っ込んだり、ちょっと心配してあげたり、そんな過程で奇跡のように会話がかみ合うこともしばしば。

さらに引きで主人公の態度にドン引きしたり、途中で入るCM動画にも反応したり。落語でもコントでもないこのトーク芸の面白さは新感覚です。

こういうヤンデレモノって実況者によっては下ネタや中傷的な言葉が満載で、女性が見ていて不快になるようなものもあるのですが、レトルトさんが動画にすると、鬱展開もポップに、爽やかに楽しめます。安心と信頼のレトルトさん実況ここに極まれり、という感じです。

3)キャラクター愛&ゲーム愛溢れる動画がひたすらに癒し

ここまでの紹介だと、やたらヤミが深いゲームばかり取り上げていて、自分がみたいゲームの動画がないな、と思われる方もいるかもしれませんが、メジャーなタイトルも長編シリーズでちゃんと扱っています。

特に、レトルトさんは子供向けのアニメが大好きで、ドラえもん、ちびまるこちゃん、さざえさん、クレヨンしんちゃんなどの王道の作品についてとても詳しく、こうしたアニメがゲーム化したもの、いわゆるキャラゲーを扱う際には、描かれない背景や雑学情報を差し込んで、動画の面白さをより引き出します。

私の一番のオススメはこの「クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み」です!
作品に書いていないキャラクターの魅力を話し、やりこみ要素である釣りや虫取りにも熱中。
優勝すれば実績となるじゃんけんゲームは一度負けて諦めて進めようとした後にやっぱり悔しい!となって何度もやり直すところが、さすがレトルトさんです。

あの闇の深いタイトルを扱ってたとは到底思えない圧倒的な爽やかさで満ち溢れています。
夏休みのキラキラした日々を思い出しながらぜひご覧ください。

最近ではクレヨンしんちゃん愛が高じて公式からもオファーを受け、異色のコラボも実現しています。

続いてこちらは「とっとこハム太郎2」。ゲームボーイカラーの20年前の懐かしゲーム。
レトルトさんはレトロゲームを福袋などで大量買いしてコレクションする趣味もあり、その中から、話題だったものをいろいろ紹介してくれます。

中でも癒し要素が存分に詰まっていたのがこのゲームでした。子供向けだからと侮ることなかれ、ハム語を駆使して問題を解決し、少しずつ仲間を集めていく内容なんですが、昔こんなゲームあったらやりたかったなーというほのぼのさ満載ながら、やり込み要素には鬼畜な部分もあり、完全クリアの難易度は高く設定されています。
レトルトさんのレトロゲーム実況はさわりだけ紹介する単発の時もあるのですが、このゲームの場合は、途中で詰まったりしつつ、エンディングまでしっかり進めてくれるのですっきり。

レトルトさんは過去にニコニコ動画であげていた動画を、少しずつ、一気見できるようにまとめてYouTubeにあげてくれています。
特にこの犯人視点で金田一少年の事件簿が楽しめるゲームはすごく面白かったのでいくつかレトルトさんのゲームを見て過去の動画も見てみたくなった方にオススメです。

声が若いというか、華声(レトルトさんの独特の鼻声を視聴者がそう呼ぶ)度高めですが、バッドエンドで怪人が出てくるとその怪人についての小ネタを話したり、登場人物たちのここに書いてない人間模様を補足説明したりと、ちょっとおっちょこちょいなところと含めて実況はしっかり面白い。

動画内で、ゲームを進める中で、気になって金田一読み直してると話していて、そういう努力もあってのこの動画なんだろうなーと改めて気付かされます。

4)企画力・編集力・トーク力が光る神コラボ実況の数々

レトルトさんの紹介が難しいと思ったことの理由には、扱うゲームがマニアック、というのもあるのですが、特筆すべき良さがあるというより、ベテラン実況者としての総合力が高い方なので、特長を説明しづらいなと思っていたことがあります。

そしてその総合力がよくわかるのが、コラボ実況動画です。

キヨさん、ガッチマンさん、牛沢さんと4人のTOP4で実況する膨大な動画たちの中でも神シリーズと思うのが、このHuman: Fall Flatです。
レトルトさんがこのタイトルであげている動画は全60本
TOP4の中の1人が単独企画して4人で撮ってる動画シリーズの中では2018年から今年までかなり長く続いています
作品自体に終わりがないからというのもありますが、トークとアクションがバランス良く組み込まれ、4人それぞれの良さが最大限に引き出された本当に見ていて飽きない人気動画なのです。

どの回から見ても面白いのですが、特にこの中盤あたりは編集が凝っていて、4人のふざけた紹介パートもあって、TOP4ってどの動画が面白い?と聞かれた時にも、代表作として紹介したい動画たちです。

4人で撮影すると、レトルトさんの毒舌ツッコミ力の高さもわかり、また違った魅力が楽しめます。

ラジオ的に楽しめるものの中で、おもしろいのはこの「うみがめのスープ」シリーズです。
お題に対してYES/NOで答えられる質問を繰り返して、答えを当てていくゲームで、ゲーム実況と呼んでよいのか微妙なラインではあるのですが、ボードゲームなどのアナログゲームの一種と考えたらOKかなと(何より面白いから紹介したいのでいいかなと)思ってのご紹介です。
基本的にはレトルトさんが出題して3人が回答していて、どの回も楽しいのですが、たとえばこの回の冒頭のように、始め方がいつも凝っていて、そこからもう夢中になっていきます。歩きながら、料理しながらなど、画面見なくても聴けるコンテンツなのもありがたい。

レトルトさんは、こういう、どこから見ても単発動画として面白く、4人の視聴者がみんな楽しめるシリーズを企画してカタチにするのがとても得意です。

レトルトさんの動画に興味があってまだ見たことない方には実はこうしたコラボから知ってもらうのもいいんじゃないかなと思っています。
かくいう私もそこからじわじわレトルトさんの実況の面白さを知っていき、個人実況を見るようになりました。

まとめ)レトルトさんが今日も実況を投稿してくれているという安心感に感謝

この記事をかいている最中、レトルトさんのYouTubeアカウントが1日BANされて、見られなくなるという、Twitterトレンドを賑わせた事件が起きました。

その出来事に自分でも驚くほどショックを受けました。
もしレトルトさんの動画がなくなってしまったらと思ったら不安で、1日仕事していてもずっとそわそわして、何回もTwitterで状況を確認していました。失って初めてわかる存在の大きさ、みたいなものを実感しました。

きっと何年も応援しているファンの方にはもっとつらい出来事だったのではと思います。Twitterトレンドを見てもレトルトさんのファンの方々がレトルトさんの雰囲気に共鳴するような温かい方々ばかりなのがわかりました。

配信ではなく動画で、マイナーなゲームを数多くとりあげる実況者さんは、レトルトさんと近い年数、ゲーム実況を投稿し続けていても、ここまでの人気にはなっていない人も少なくありません。
その違いはなんだろうと思ったところから、どんどんレトルトさんの動画を見るようになり、ハマっていったという経緯もあり、この記事でその一端をお伝えできたらと思っていました。

レトルトさんはメンバー向けの生放送以外でほとんど配信をせず、顔出し時は常にマスクで、これだけ長く実況をしていても、ファンとは適度な距離感を維持。人気の高さに甘んじることなく、真摯にコツコツ動画をあげ続けています。

この記事を通じてどこまで魅力をお伝えできたのか、正直自信はないですが、そのブレない芯の部分が視聴者からの信頼につながっているんだろうなーと思います。
しんどいときも、楽しいときも、今日も変わらず、レトルトさんの動画がそこにある安心感!

感謝の気持ちを忘れずに、まだまだ膨大にあるレトルトさんの未視聴動画を今日も楽しみたいと思います。

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