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天才が努力するとこうなるの代表格「キヨ」さん ゲーム実況鑑賞 #1

このnoteのシリーズで最初に紹介したい実況者さんはキヨさん。といっても今さら私が紹介するまでもない、350万人以上のチャンネル登録者を持ち、幅広いジャンルでほぼ毎日投稿を続け、ほとんどの動画が数日でミリオン再生されるトップゲーム実況者の方です。ただゲーム実況コンテンツの何に感動するのかをまとめるうえで、キヨさんについて語らないわけにはいかない、そんな存在です。

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なお、この動画は下記に留意いただいた上で、私が最大限のリスペクトを込めてゲーム実況者の方々を紹介するnoteです

・ピックアップする実況者の方の対象は動画を50本以上/3シリーズ以上視聴した方(まだまだこれから面白い人や動画を発見していくことは間違いない)
・超主観(アラサー女性視点/ゲームタイトルのほとんどを未プレイ)
・Youtubeで今見られる動画限定(ニコニコでの活動などは含まない)
・あくまで動画自体の紹介(実況者さんご自身のプロフィールなどには深入りしない)

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どういう点が素敵だと思っているかの項目別におすすめの動画を紹介していきたいと思います!

1)ゲームのストーリーへのリスペクトとギャグのバランスが絶妙

私が最初にキヨさんの動画で感動したのは、「ペーパーマリオ オリガミキング」でした。

林家ペーパーマリオ!なんていう掛け声で始まるから、終始ギャグばっかりで斜め上からの視点で実況するのかと思いきや、めちゃくちゃ丁寧に登場人物になりきってセリフを読み、細かい部分まで愛を込めてツッコミをいれてくれます。

また、シリアスなシーンでは一喜一憂し、コミカルなシーンでは思いっきり笑うので、自分が実際にゲームをやっていたらたんたんと進んでしまいそうなところも見落とすことなく楽しめます。ゲームを高い解像度で観られるようになるんですよね。

特にこのペーパーマリオでは冒険の過程で大量のキノピオを発見し、助けていくのですが、発見されたキノピオのしょうもない一言を、キヨさんがキノピオになりきって全部読み上げるのですが、それがくせになる。1本1時間弱の動画×26話があっという間でしたし、繰り返し観たくなるシリーズです。

2021年の実況代表作はUNDERTALE。私は他の方の実況も知らず、ゲーム自体も初見だったのですが、製作者とキヨさんのギャグセンスが好相性すぎて道中はただただ面白く、たどりついたエンディングは泣きました。
具体的に話すとネタバレになってしまうので言えないのですが、随所で立ち止まりながら作品の真相について考察し、丁寧に探索していくことで、普通初見ならそこ気づかないでしょっていう小ネタをたくさん発見し、高いプレイスキルで「誰も倒さなくていい」への信念を貫いていくことでエンディングへの感動が増すのです。
これも何回も観たくなる動画です。

2)動画のテンポを落とさないスキルと編集

ゲーム実況を見ると、生配信をアーカイブで残すだけだったり、ほぼ無編集で動画あげていく人もけっこういるのですが、視聴回数と高評価をしっかり稼いでいる人はちゃんと視聴者に見やすい編集を加えている印象です。

キヨさんの場合、生配信ではなく編集した動画でUPし続けることにこだわりを持っています。
最小限ながらテンポを落とさないように不必要なところはカットされ、加えて初見でほぼ詰まることなく、かつ丁寧にゲームを進行できるスキルが高いので、裏方スタッフほぼなしで質と量を担保した動画を出し続けることができていると思います。

初見だとどうしたらいいんだろう?ってなりそうなものなのにどんどん謎解きやパズルを含むアクションをクリアしていきます。

たとえば、LITTLE NIGHT MARE2。モノという少年が少女と出逢い、2人で身の毛もよだつような恐ろしいことがたびたび起こる世界を逃げ続ける作品。このゲーム自体のすごいところは、登場人物たちが一切言葉を発しないのですが、非言語でのゲーム体験のクオリティの高さです。
それゆえ一本道のストーリーながら一体何が起きているのか考察の幅が広く、謎解きを伴うアクションの難易度も高いので、誰が実況するかで作品の印象が変わるのではと思います。キヨさんの動画は随所で笑いを誘って怖さは最小限に、作品の物語性は十分に引き出し、テンポ良く進めていくところが素晴らしい。
特に素敵なのはモノが少女と行動する時、手を繋ぐことができるのですが、キヨさんはなるべく手を繋ごうと頑張るところ。その健気さが、普通にプレイしていては味わえないような、衝撃のラストへの伏線に繋がっていることに気付いた時、その奇跡に鳥肌が立ちます。

LITTLE NIGHT MAREの1作目の評判が良かったことから、この2作目で独占先行実況プレイが許可され、CM出演も実現しています。

あとはアクションゲームですよね。

この、90円で買った海外ゲームを全力で楽しむ動画をはじめ、テンポを崩さないアクションゲーム進行が、誰も知らないタイトルにも関わらず、信じられない再生回数を叩き出すクオリティを実現しています。

ちなみに同テイストで低価格海外ゲームを全力で楽しむ企画は年に数回チャレンジする定番になっています。ストーリー性なくても、グラフィックすごくなくても、キャラクター面白くなくても、こんなにゲームが面白く見えるのは、ゲーム実況が素晴らしいからに他なりません。

3)女性ファンを魅了する誠実さがにじみ出るリアクション

2つ目までは他の実況者の方でもあてはまる人はいるかもしれないのですが(それだけでも十分すごいのですが)、キヨさんはこの3つ目の特長を兼ね備えることで唯一無二感が生まれているに思います。

キヨさんって私もそうですが女性視聴者をしっかり獲得できてるのもすごいところなのですが、さんざん小学生レベルの下ネタやおどろくほど寒いギャグを飛ばしまくっても、女子高生に人気のYoutuberランキングで一位に輝いたりしているのは、整った外見だけによるものでは決してありません。

恋愛要素のあるフリーホラーゲーム実況は特に実況者の人間性が垣間見れてしまうんですよね。女性がメンヘラ化、ヤンデレ化するようなものは、悪いところが誇張されているとはいえ、あまりにその女の子たちを下に見て悪口を言うと印象が悪くなってしまいます。
キヨさんは前提としてそれを理解して実況する際に使う言葉にとても注意を払っているのがわかりますし、たとえば女遊び激しい人なら絶対出てこなさそうなリアクションをします。実際のところはもちろんわからないですが、全部演技だったらそれはそれですごいからいいのです。
特に感動したのはこの「はじめましてボクのカノジョ」。キヨさんから咄嗟に出てくる反応に、育ちの良さからくる誠実さがにじみ出ているんです。(家事への分担意識とか、男性に対してこれをしちゃいけないと思う部分など)

フリーホラーは人気になると多くの実況者が扱うので、この動画も多く取り上げられていましたが、人によってこんなに見え方が変わるんだと思った動画の一つです。
傷ついた人に共感しながら励ましていくような実況は、自分が言われたわけでもないのに、そう錯覚するような癒しがあるのです。

フリーホラーで深く感動した作品(他の人の実況だとここまでぐっとこなかった作品)でぜひシェアしたいと思ったのが「As usual.」です。

エンディング分岐なし・アクションも最小限のシンプルな作品なんですけど、作品の読解力の高さもあいまって、キヨさんが実況するからこそ、人生について考えさせられる長く切ない余韻の残る動画になっています。

そもそもフリーゲームという製作者とプレイヤーの距離が近いゲームカテゴリーをキヨさんを通じて初めて知りました。

自分ではこれらのゲームを発見することすらできないと思うので、こういうフリーゲームの世界を知ることができたのはYoutubeでゲーム実況を見るようになったことの大きな収穫の1つでした。

4)チャンネル内の動画バランスの高い戦略性

これもほとんどのゲーム実況チャンネルではなかなか実現されていない特長だと思います。
それは純粋にそこまでのチャンネル運営を持続的に行うのがとても難易度が高いからだと思います。

具体的には、

・人気ゲームタイトルからインディーズ・フリーゲームまでの幅広さ
・感動モノとお笑い系のコンテンツのバランス
・一人実況の中に挟まれる定番メンバーとのコラボ実況(TOP4/最俺)
・年に数回の実写やラジオコンテンツ、月1のニコニコ生放送配信

といったチャンネル内の動画バランスが絶妙で、これによりマンネリ化することなく固定ファンの期待にも答え続け、新規チャンネル登録者数を増やし続けているんだと思います。

たとえば「バカゲーRPG」シリーズ(笑)

RPGをメタりつつ、トンデモ設定でほぼウケ狙いのフリーゲームでして、非常に実況向きのコンテンツです。
キヨさんが実況すると本当に面白いんですが、あまり多いと胸焼けするし、内容が薄いと思われてしまう可能性もあります。そんな中、的確な頻度で新作を実況してくれるんです。

王道タイトルもしっかりシリーズ化してチャンネルの柱になっていまして、最近スタートして驚いたのが、「逆転裁判」のここにきての初見実況。

ファンが多くて、自身のゲームスタイルと相性の良いものを、的確なタイミングでスタートするこの戦略の高さがあざといんだけど最高なのです。

まとめ)努力する天才はやっぱりすごい

キヨさんの面白い動画や感動した動画はこの記事1つで語り尽くせるものではないですし、この4点のみならず他にもすばらしいと思う点はたくさんあります。ですが、私がそれらすべてを紹介するのも恐れ多いですし、動画を見て見ないことには本当の面白さは伝わらないのではとおもいます。あとはぜひご自身で動画を視聴いただければと思います。

他の実況者さんのトークの中にも出てきますが、彼は学生の頃からずっと動画をコツコツあげ続けて、自身がアップデートし続けています。

昔の代表作といわれる実況も見てみたことあるのですが、若さにあふれ、それはそれでめちゃくちゃ面白いのですが、今の動画でゲームスキルもトークスキルも編集スキルも進化しているのがとてもよくわかります。

彼自身、ゲーム実況は自分の天職だと実況の中で話していましたが、人気にあぐらをかかず、努力してきたからこそ、今の地位を築いているんだと気付いた時、ゲーム実況の世界の厳しさと奥深さを改めて感じるのです。




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