なにが自分を動かすか

人間の行動原理が欲であることは様々な研究や生物としての性質から理解できると思う。

マズローの五段階欲求が有名だが、人間は自分の脳が快楽を得る報酬を求めて行動する。

たとえその行動が社会的・経済的・生物的に合理的なものでなくとも、個々人のライフヒストリーによって形成された脳構造という「価値観」に適合する、報酬を与えるものであればそれを求めて実行する。


現在、COVID‐19が社会に大きな影響をもたらし、スポーツでも資格試験でも留学でも、自己実現のゴールへの道が大きく遠ざかった、または閉ざされた人も多いだろう。

このような状況で、自己の求める報酬が予定外に遠ざかった人間は、何をモチベーションにするべきだろうか。報酬が存在しない事は人間の主体性を大きく損なうものである。報酬を設定しようにも、長期的な報酬に到達するまでに、短期的な報酬設定は必要だが、その設定主体は自分しか存在せず、報酬に邁進するようその他の快楽から自分を律するのも自分が主である。

これではあまりに自己に求められるものが多く、一部の自律した人間にしかできない。

他者が介在した場合、個人の負担や自律性の必要性は減るだろう。

他者に褒められるという行為でも十分な内的報酬になりうるし、SNSでつながるだけでも他者の視線によって律せられるだろう。要するにこまめにセーブし、セーブポイントで報酬を手に入れることが可能になるかもしれない。


自らの周辺環境にもよるが、自己完結よりも、他者とインタラクティブな関りを持つ生活の方が短期的な報酬につながりやすく、長期的な報酬にマラソンする助けになるのではないだろうか。

これだけネットワークが発達しているのだから、外出自粛とはいえ、関係性まで自粛してはいけない。



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