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星名はるさんのこと

 GW真っ只中の5月4日、私はウキウキ気分で東横線に乗車していた。目的地は越谷のしらこばと水上公園。ここで開催される「フレッシュフェス2024」に参加するためである。お目当ては、とあるセクシー女優さん。この女優さんは50過ぎのオッサンである私に、人生初の推し活を経験するキッカケをくれた方だ。約3年間ガチでハマったわけだが、しかし諸事情でなかなか参加することが難しくなっていた。今回は半年ぶりに会える。しかもその女優さんにとっても一昨年の2022年9月25日に開催された「フレッシュ Summer Fes!!」以来、2回目の撮影会出演。私にとっても人生初の撮影会参加になったその時は、1部から4部まで、晩夏のプールサイドで真っ赤に日焼けしながら、ひたすらその女優さんばかりを撮り続け、撮りも撮ったり8000枚! 最高に楽しい思い出だったなぁ・・・(遠い目)。というわけで、この日はめっちゃテンションがあがっていた・・・が。

往路の東横線の中でXの通知・・・。

えーーーーーーー出演キャンセルだってぇ?? 

 なんでも全身に蕁麻疹が出たとのこと。健康上の理由ならば仕方がない。でもフレッシュ撮影会は会自体が中止にならない限りは前売りのチケットは払い戻しにはならないきまり。それなりの金額を無駄にするのももったいないので、撮影練習のつもりで参加するか・・・と、完全に気分は肩すかしモードで盛り上がらないまま、しらこばと水上公園に到着した。

 会場には今年も魅力的な水着姿の女性がいっぱい。男性にとっては天国かもしれない。でも、だからって、関心がもてないものには興味を示すことは難しい。なにしろ前回の参加だって、数名の方を記念写真程度に数枚撮影しただけで、あとは自分の推しをひたすら撮りまくるような私である。みなさん、それなりに魅力的なのだけど、そこは仕方がない。かなりテキトーに撮影していた。そうして第1部の後半が始まった。あれ、みなさんが水着姿の中で1人だけコスの人がいる・・・すごくコスが似合ってらっしゃるし、笑顔がステキな方だなぁ。

 これが星名はるさんへの第一印象である。それ以上でも以下でもない。ただ、ここから連鎖的に「ちょっと気になるモード」と不思議な偶然とが発動していくことになる。

 コスが自分の好みにドストライクでとても似合ってらっしゃったので、シャッターを切り始めたのだが、ポージングもすごくキレイで魅力的だった。そんな時にたまたま星名さんがピンクレディーの曲を口ずさんでいた。その曲名を尋ねられて、私が答えられた。たまにはオジサンの古い知識も役に立つことがあるナw。ちなみにその後も、撮影場所を移動中にチャゲアスの「YAH YAH YAH」も口ずさんでらっしゃって、ノリのよいグラビアアイドルさんなんだ、と思った。さらに、これまた移動中に「コナンの映画、もうみた人?」とも聞かれたので、そっと手を挙げた。「どうでした?」と訊かれたので「函館観光ガイドみたいな映画でしたね」と答えた。実は私は名探偵コナンが大嫌いで今回は渋々みるハメになって、やっぱりつまらなくて地獄だった・・・とは口が裂けても言えないナw(今、言っちゃったけど)。こんな流れで後半の部はこの人を中心に撮影しようかなと思った。

 もちろん私が印象に残ったのは、ここではない。あっ、ここではないと完全には言い切らない。あらっと思うキッカケにはなっていた。でも一番は被写体としての魅力とその参加姿勢だった。ポージングがすごくキレイだったのはすでに述べたが、それも含めて、なんか意識の高さをカッコよく感じたのだ。
 例えば。撮影途中でコンタクトに違和感を感じられたらしい。でもそれに対応していると参加者の撮影の時間が短くなってしまう。しばらくガマンをされて、場所の移動になった時に、ようやくコンタクトを外していた。でもその時も何度も参加者に詫びてらっしゃった。ようやくコンタクトを外した時、満面の笑顔で「解放!」とおっしゃってたのもツボったw。
 もう1つ、せっかくだから記念にツーショットチェキをお願いしようと、サインタイムで順番待ちをしていた時、私の前の方との会話で「お昼は食べた?」「ううん、まだ。だって食べちゃうと(お腹を指さして)膨らんじゃうから」。星名はるさんの名誉のために言っておくが、そんなことを気にする必要は全くない体型の方である。シンプルにえらいなーと思った。

 帰宅してから、今日撮影した画像を眺めた。今回はいろんな方を撮影したわけだが、それらの写真をみても何も感じなかった。キレイともカワイイともましてやムラムラもしない。前半組の中でメインにした方もいらっしゃったのだが、これがまた何とも思わない出来映えだった。そもそも何の思い入れもなくシャッターを切っていたし、単純にカメラマンである私の腕に問題があるのだろう。自分は全然撮影テクニックもないし、機材もミラーレス一眼&レンズの入門機だ。ところが。星名さんを撮影した写真が、自分でもビックリするぐらいよかった。思わず口元が緩んでしまうような多幸感で自分が撮影した写真を眺められた。間違いなく被写体である星名さんの魅力のおかげだと思う。この写真を星名さんにみてもらいたいなと強く願った。

 これは!と思って、さっそくどんな方かを調べた。そうしたら、さらにさらにビックリがいっぱいだった。実はグラビア系ではなく、ガチなアイドルだったこと。デビューされてから現在まで息長く活動されていること。さらに音楽はEDM系だということ。ああ、Perfume路線みたいな?と失礼なことを思いながら、何曲かYouTube動画を聴いてみた。その中の1曲がコレだ。

 最近の自分には珍しく音楽で「!」ってなった。オジサンになると感性はどんどん鈍くなって、はっきりいって鈍感になる。だからちょっとやそっとじゃ心なんて動かない。でもこの曲には動かされた。この曲がなかったら、多分この後の展開はなかったと思う。最後の一押しだった。

 そして、毎週末に立て続けにイベントがあるということも知った(これもビックリした。アイドルは大変だし、推してる皆さんも大変だ)。しかもこのGW中にも渋谷でステージイベントがあるという。それも明日。私はシネマヴェーラ渋谷でみたい映画があった(そう、私のメインフィールドは映画)。イベント会場は渋谷。GWのテンションだし、ついでだから、ちょっと寄り道をしようかなという好奇心を抱き始めた。

 というわけで、5月5日にSHIBUYA DESEOで開催されたSHIBUYAネクストカルチャーズに足を運ぶことになった。我ながらバカだなと思う。いや、というか、よく足を運ぶ気になったなという方が正しいと思う。お目当てのアーティストが出るワンマンでない限り、ライブイベントというのは、それなりに退屈な空間だ。目当てのアーティスト以外の出演者のパフォーマンスに自分の心が「!」とくることはなかなかない。もちろんそんな中に新しい出会いはないわけではないが、前述の通り、自分が関心をもてないとさっぱり興味をもてない私である。

 しかも今回はアイドルである。実は私、アイドルという分野が大の苦手である。いろんな意味で自分とは全く相容れなかった分野だったのだ。

 かわいいは正義だなんて大ウソだと思う(この言葉は本当に罪深いと思っている)し、猫なでアニメ声は気持ち悪いと思ってしまう。曲自体はよい「サイレントマジョリティ」や「不協和音」を揃いの衣装をまとったグループで歌う神経が理解できないし、画一的な個性を大量生産&消費している点で薄気味悪さを先に感じてしまうひねくれ者が私。実際この日はアイロボの出番2つ前のアーティストから参加したが、正直苦痛だった(出演者が好きな方、申し訳ない)。来なけりゃよかったなと思い始めていた。

 そこにアイロボさんが登場した。

 和テイストの白系の衣装(これがまた本当に素敵だった)をまとって、星名はるさんたちが歌い始めた。ビックリした。本当にガチの、(よい意味で)ザッツアイドル。文字通りキラキラしていた。断っておくが、アイドルだからキラキラしてるんじゃない。星名はるという存在がキラキラしていることに圧倒された。さらに。アイロボさんはステージの撮影がOK(場所や撮り方に配慮は必要)だった。夢中でシャッターを切った。楽しかった。

 終演後に特典会というのがあった。せっかくだからご挨拶をしたかったし、昨日の撮影会でステキな写真が撮れたことを報告したかった(できれば写真をお渡ししたかった。これは足を運ぶ1つの理由になっていたと思う)ただ、なにぶん、こういうところの経験値が低いので、挙動不審だったかもしれない。とにかくチェキ券を購入し(これは推し活文化共通なので、何とかなった)星名さんとご対面。「来てくれたの?」と驚かれた。そりゃそうです、前日初めて会った方にもう一度会おうと足を運ぶことになるなんて、一番驚いているのが私なんだからw。そして撮影会のお礼とステージに圧倒されたことを伝えることができた(写真ファイルもお渡しできました)。

 帰宅して撮影した画像をみた。ステージの星名さんもスゴかったけれど、写真の星名さんも想像以上にキラキラしたままだった。心底感動した。この人はいったいどんな魔法をもっているんだろう?

 最後に。実は後でわかったことだが、冒頭に述べた2022年9月25日の「フレッシュ Summer Fes!!」に、星名はるさんも参加されていたのだった。当然その時にはそんなことは気にかけもせず、また仮にお見かけしていたとしても、星名さんを撮影していたか、そしてその姿に強い印象をもったかはかなり怪しいと思う。
 もしあの日、私のお目当ての女優さんが欠席していなければ。あの日、星名さんのコスが違っていたら。帰宅後に「Inside With Truth」に気づかなかったら。シネマヴェーラの上映予定が違う作品だったら。そしてSHIBUYA DESEOに私がいなかったら。こういう出会いや偶然は本当に面白いと思うし、その中で少しでも自分の人生が豊かになったのであれば、すべてのものに感謝の気持ちが自然と生まれる気があらためてする。 

 というわけで、私はまだカオスの中にいると思う。ただ、ひとつ言えるのは、星名はるさんのスゴさをもっと知りたいなという気持ちが強いこと。次のステージ、次の撮影会、そしてまだ自分が経験していないDJなどなど、とにかく楽しみだ。


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