セオリーオブチェンジの作成方法

セオリーオブチェンジとは

社会課題の解決を目指す団体や事業が、その課題や問題が引き起こされている構造や原因を分析し、それを解決するために必要な変化の法則を図示化したものです。セオリーオブチェンジを作成することで、目標達成のための前提条件間の因果関係が明確になり、何から取り掛かってどう評価すべきかの手掛かりになります。

作成方法

  1. 目標を設定する。目標は、社会課題の解決に向けた具体的で測定可能な成果です。例えば、「2025年までに日本の貧困率を10%以下にする」という目標が考えられます。目標には定量評価できる指標もセットでつけます。例えば、「貧困率」という指標があります。

  2. 目標達成に向けた「変革の道筋」を実現するために必要な前提条件を整理する。前提条件とは、目標達成に必要な変化や状況です。前提条件は階層構造になります。例えば、「貧困率を10%以下にする」ためには、「所得格差を縮小する」ことが必要であり、「所得格差を縮小する」ためには、「最低賃金を引き上げる」「雇用保障を強化する」「教育機会を拡大する」などの前提条件が必要です。前提条件間の因果関係は、「~であれば、~である」という形で表現します。例えば、「最低賃金を引き上げれば、所得格差が縮小する」という因果関係があります。

  3. 前提条件を達成するための事業を考える。事業とは、前提条件を実現するために行う活動や施策です。事業は、前提条件と一対一で対応します。例えば、「最低賃金を引き上げる」ためには、「政府や労使と交渉する」「最低賃金制度の改革案を提案する」「世論を味方につける」などの事業が考えられます。

  4. セオリーオブチェンジを図示化する。セオリーオブチェンジは、ツリー構造で書くとわかりやすいです。ツリー構造では、目標が一番上にあり、その下に前提条件が階層的に並びます。前提条件と事業は線で結ばれます。因果関係は矢印で表します。

セオリーオブチェンジは仮説ベースであることに注意してください。外部要因や不確実性を含めると、因果関係を完璧に列挙するのはほぼ不可能です。セオリーオブチェンジは常に更新や修正が必要なものです。

また、セオリーオブチェンジでできた図から「何をどれぐらいするとどの成果につながるか」の情報を抽出することも可能で、ロジックモデル作成の協力なツールとしても使えます。

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