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日々是神経診察 -Argyll Robertson瞳孔-

先日Marcus Gunn瞳孔を記載した際に、ちょっとだけ紹介したお師匠のArgyll先生の名前がついた所見です。脊髄癆(tabes dorsalis)を主体とする神経梅毒の徴候として有名ですが、多発性硬化症中脳水道近傍の腫瘍脳炎など他の原因でも起こることがあります。

病巣は正確にはわかっていませんが、視蓋前域が責任病相部位であると言われており、対光反射の経路が選択的に両側性に傷害されて起こるとされる。

※視蓋前域:中脳上丘のレベルで対光反射に関与している領域

さて前置きが長くなりましたが、下記4つの特徴があります。

①縮瞳 ②対光反射消失 ③輻輳による調節反射保たれる ④両側性

輻輳による調節反射はこの視蓋前域を経由しないため保たれています(外側膝状体→視覚中枢→Edinger-Westphal核)。

また、逆に調節・輻輳・近見反射が消失し、対光反射が保たれる場合には、逆Argyll-Robertson瞳孔と呼ばれ、病変部位は不明ジフテリアでみられる所見のようです。

下記[リウマチ膠原病徒然日記]ブログさんでの図が、対光反射を理解する上でとても分かりやすいので参照してみてください(勝手に紹介してしまい申し訳ありません)。

https://tuneyoshida.hatenablog.com/entry/optic_neuropathy

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