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日々是神経診察 -Hoover test-

器質性片麻痺と心因性片麻痺の鑑別として有名な所見である(連合運動の見ている)。

患者にベッド上仰臥位となってもらい、一方の下肢を伸展挙上してもらう。検者の一方の手を挙上下肢を抑えるのに、もう一方の手を挙上しない方の踵の下に置く。

①器質性片麻痺がある患者

 健側下肢を挙上させた際に麻痺側踵に加わる力  麻痺側下肢を挙上させた際に健側踵に加わる力

②心因性片麻痺が疑われる患者

 健側下肢を挙上させた際に麻痺側踵に加わる力  麻痺側下肢を挙上させた際に健側踵に加わる力

 内容は上記の通り難しくはないが、何をもって陽性ととるのか紛らわしい。一般的に、『器質性片麻痺患者で、健側下肢挙上時に麻痺側下肢の踵に加わる圧力が少ないこと』を、Hoover徴候陽性という。なので岩田誠先生は、『麻痺側下肢を挙上時に健側踵に加わる力が、健側挙上時に麻痺側踵に加わる圧力より強い or 弱い』と正確に記載するのが良いとしているため、私も常にこれに習うように記載するよう心がけている。

【参考文献】
・岩田誠. 神経症候学を学ぶ人のために. 東京, 医学書院, 1994.

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