「本物の魔女のブックガイド：『西の魔女が死んだ』編」 note版

目次

1．「西の魔女が死んだ」と現代の魔女
2．魔女の視点で読む「西の魔女が死んだ」
3．「まいのおばあちゃん」のような魔女になるために

1．「西の魔女が死んだ」と現代の魔女

　この資料は、梨木香歩による小説（児童文学）、「西の魔女が死んだ」を現代の実在する魔女の視点から解説し、それに絡めて魔女の様々な側面を語ろうという試みです。いわゆる「ネタバレ（結末含む）」がたくさん含まれています。気になる方は、まずは小説を読んでから、本資料をお読み下さい。
　まず、なぜ私がこの小説についての資料を書こうと思ったかをお話ししておきます。
　最初に私に「西の魔女が死んだ」という本を勧めてくれたのは、知人の魔女でした。実際に読んでみて、この小説で描かれている魔女は、私が理解している意味での魔女とは似て非なるものだと感じました。それ以来この小説を強く意識することはありませんでしたが、この小説の魔女「まい（主人公）のおばあちゃん」に憧れる魔女、魔女志願者たちが多いということに気づいてから、再びこの小説に意識を向けることになりました。その理由も私なりに考えてみましたし、私が理解する意味での魔女とは違うものの、「実際に、なることが出来る魔女」の道としての可能性も考えるようになりました。