ThereV構文

Thereってなんですか??

ThereV構文のThereは虚辞。虚辞とは、それ自体が意味を持たない語のこと。"そこ"の意味のthereとは発音が違うし意味も異なります。

 

では、わざわざThereV構文を使う理由はなんですか?どんなときに使うんでしょうか。

 

その前に、英語の性質を振り返ってみましょう。

英語は基本的に、動詞を境に、「動詞より左側」と「動詞より右側」で伝える情報が異なります。

 

(英語はもともと音声言語として使われていました。

文字として書き留められる場合と比べ、保持できる情報の頼りとなるのは、聞き手の記憶力だけで、一度にやり取りできる情報には限りがあります。限られた情報の中でのコミュニケーションにとっては、「伝え方」が重要な鍵となったのです。また、英語はラテン語やフランス語など様々な言語から影響を受けていることから分かるように、英語話者の文化圏は多種多様で、聞き手に上手く話題を合わせることが必要だったのです。そのなかで、言語的性質として、聞き手が受け取りやすい、「既知の情報」と、「伝えたい情報」を動詞を基準に上手に操作しながら話していったのです)

 

原則として英語は、以下を好みます。

動詞(V)より左側には、聞き手が既に知っている情報

動詞(V)より右側には、聞き手に伝えたい情報

end-focus(文末焦点化)

 

わかりやすくまとめると、

既知情報 V 重点情報

この形を取るのが英語の原則です。
 

前置きはこのくらいでいいでしょうか。

ではでは、本題のThereV構文です。

 

最初に書きましたが、改めて、Thereとはナンゾ??を書いてみます。

ThereV構文のThereは虚辞。虚辞とは、それ自体が意味を持たない語のこと。

 

チョットマッテ??

英語は 既知情報 V 重点情報 じゃなかったの??

 

既知情報に意味のない語を置くってどゆこと??

既知情報がないってことなの??

 

う〜ん。ワカラン

 

はい。あくまでVの左側は、原則、聞き手が受け取りやすい情報でした。

そして、その位置に、意味を持たない語が置かれました。

どういうことか。

既知情報とは、聞き手が既に知っている、わかっている情報のこと。つまり、「その文より前の文との文の繋がり方」を示します。その既知情報が置かれる場所に意味がない語が置かれるということは、それより前の文との一種の断絶、情報の切り替えを意味します。新情報だけの文ということになります。

 

つまり、それ以降の文では話題が切り替わるという印、新しい話題の導入の役割を持つわけです。

 
文章中に置いて、ThereV構文以降、文の話題がどう切り替わるのか、具体的には次のとおりです。


具体例導入
抽象化 (結論提示)
無関係な話題の導入
全文(まで)と無関係
書き手の主張とは無関係

 

以上、わざわざ使うのはこのようなときです。

ThereV構文、というより英語のキホンのキを思い出すと、今回のことも分かりやすかったのではないでしょうか。

ちょっと意識して論文読んでみてください。あと、自分が書くときにも。

え、抽象化って何?抽象度、具体度ってどうやって測るの、と思った方
文章中における1文の抽象度については別の記事で書こうと思います。


詳しくは、統語論、談話文法、生成文法あたりで調べてみてね

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