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【うねりに飲み込まれる】

これはおかしい。

やっぱり変だ。

これで3回目。


いつものように心が動かない。
いつものように頭が動かない。

それなのに、悲しい、寂しい、という青い色をした感情だけはこれでもかと押し寄せてくる。

特に理由はない。思い当たる出来事もない。

ただっぴろい砂漠にひとりぽつんと。
そこに理由のわからぬ大きな波が押し寄せてくる。

これはおかしい。

やっぱり変だ。

激しくも落ち着いてもいない。
そのちょうど真ん中。

荒れても穏やかでもない。
そのちょうど真ん中。

どろりとした液体が大地を引き剥がしながら襲ってくる感じ。

うねりの中に巻き込まれるような激しさと、何もない虚無感が同時に襲ってくる感じ。

そして最後には、
さらりとしてじんわりとあたたかい涙が大きなしずくになって流れ落ちるだけ。

その繰り返し。


気づくまでには意外と時間がかかる。

でも、気づいてしまえば抜け出すのは早かったり。

自分の力では抜け出せないから、

何かの力を借りることになる。

そうすると、全てが泡のように消えてしまう。

悩んでいたことの答えが見つかるのではなく、
悩んでいたこと自体が幻のように消えてしまう。

悪い夢を見ていただけかのように消えていってしまう。

なんだかそれすらも気に入らないと思ってしまう自分がいる。

この漠然とした悲しさと正面から向き合ってやりたい、と思っている自分がどこかにいて、だからいつも逃げ遅れて飲み込まれる。

飲み込まれると、世界は真っ青になって
何が何だかわからなくなって、
ずっと家にいたくなって、誰にも会いたくなくなる。


「うつっぽい」と俗には言うのかな。

でも、私の中ではそんな一言では片付けられないような繊細な世界。
不謹慎だが、美しいとも言えてしまうほどの異世界。
繊細で脆くて、でも崩れることなく私を引き込んでくる。

私の場合、本当に真っ暗ではなく、かすかな光は差し込んでくる感じがある。
ちょうど少し怖いな、と感じるくらいの深さの海に沈んでいる感じかな。

手も足も出せないような世界に放り込まれているのではなく、
自分を奮い立たせて本気で立ちあがろうとしたら
立ち上がれるような雰囲気がある。

でも、できない。力が入らない。

その、できない自分にがっかりしてしまう。
真っ暗な世界に絶望するよりも、何もできない自分に絶望してしまう。

だから厄介だ。
もっと真っ暗な世界だったら、もう諦めて動こうとすることをやめるかもしれないのに、動けるかもしれないと感じさせる微かな明るさが私をそうさせる。

ちゅうぶらりんのまま中途半端な暗さの中を漂っている。




でもようやく、出口が見えてきました。
またこれで水平線の少し上まで顔を出して息ができそうです。

きっとみんなの心の中を順番に巡っている世界だと思う。

だから、助けられては、今度誰かを助けて。
こうして世界は巡っている。


この世界にはいろんな波があって、張る時もあれば緩む時もある。
上がる時もあれば下がることもある。

でも、振り返ってみると、俯瞰的にみるとその波は意外とバランスが取れていて、綺麗な線対象になっていたり。

だから、大丈夫。

いつかは上がってこれるから、ただゆっくりと。

それを許さないこの社会があるけれども、
みんなが休みたいと感じた時に休める未来を創るひとりでありたいと、
自分の今を見ても、そう思います。


2023.12.8  21:39  かおる



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