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民法改正と業務委託契約書

業務委託契約とは

業務委託契約とは、一定の業務を外部の企業へアウトソーシングすることをいいます。業務を委託する側を「委託者」、業務を受注・受託する側を「受託者」といいます。業務委託には、「請負」と「準委任」があります。

報酬請求権 請負と準委任の違い

「請負」は仕事が完成して引き渡しをしなければ、請負人は代金を請求できません。一方、「準委任」は、仕事が完成しなくても、すでに行った作業については対価を請求できます。

また、「請負」では、契約書に書いていなくても瑕疵担保責任が発生しますが、「準委任」の場合には、重大な債務不履行の場合は別として、瑕疵担保責任は発生しません。

民法改正 請負人の一部報酬請求権

ただし、民法債権法改正によって「注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなった場合において、既にした仕事の結果のうち、可分の部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の限度において、報酬を受けることができる」(民法634条)こととなりました。

よって、改正法の下では、一定の条件で対価を請求することができるようになりました。

民法改正 請負人の瑕疵担保責任

また、これまで請負人の瑕疵担保責任(契約不適合責任)の期間は「完成品の引渡しから1年間」とされていましたが、民法改正により「契約不適合を知ったときから1年間」へと起算時点が変更されました(売主の瑕疵担保責任(契約不適合責任)と時期が揃うことになりました)。とすると、引渡しから何年経っていても「契約不適合を知ったときから1年間」は責任を負わなければなりません。

ただし、契約上で「完成品の引渡しから1年間」と合意しておけば、契約上での当事者間の合意が優先します。

契約書に定める事項

契約書には、(目的)(委託する内容)(費用の負担)(瑕疵担保責任)(秘密保持などの特約事項、守秘義務)(成果物の帰属)(有効期間)(解除)(管轄裁判所)などについて定めておきます。


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