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2024年 収益化を目指すブログの闘い方

2024年がスタートしました。

特定非営利活動法人アフィリエイトマーケティング協会が行った『アフィリエイト・プログラムに関する意識調査 2022』の【ひと月のアフィリエイト収入】によれば、「収入はない」が2021年31.2%⇒2022年32.6%へと1.4%増、「1,000円未満」が2021年15.8%⇒2022年16.5%へと0.7%増。

個人ブロガーにとっては、依然として厳しい状況であることが分かります。

ブログ運営においては、努力が必ずしも報われるわけではありません。

それゆえ、ブログで収益化を目指すのであれば、ボタンの掛け違いを防がなければなりません。

特に、検索エンジン最大手のGoogleが何を目指しているか、その動向を注視する必要があります。

Googleはその時々の情勢によって、検索結果の順位を大きく左右するアルゴリズムを入れ替えています。

どのような項目に基づいてランキングが行われているかはブラックボックスですが、年に数回行われるコアアップデートの特徴を見ると、おおよその方向性は推測できます。

ここ6年くらいのコアアップデートの動きを振り返ることで、収益化に向けた2024年の闘い方を考えるのがこのnoteの目的です。


医療健康アプデ(2017年)とE-A-T


今から約6年前、ブロガーの間で大激震が走ったのは、2017年12月に行われた「医療健康アップデート」です。

2016年まではキュレーションサイトメディアと呼ばれる大手がまとめ記事を量産し、検索結果上位の大半を占めていました。

その代表格とも言えるのはNAVER(ネイバー)でしたが、NAVER以外にもキュレーションメディアサイトは数多くありました。

ネットユーザーは、要点だけ簡潔に説明しているまとめサイトを特に好む傾向が強かったため、個人ブロガーの大半は検索順位を大きく落とす結果になりました。

キュレーションサイトメディアは豊富な資金力を武器に、相当数のライターへ記事を外注し、当時、その勢いはとどまる所を知りませんでした。

その一方で、キュレーションサイトメディア間の競争が熾烈なものとなり、各メディアは覇権争いを勝ち抜くため、まとめ記事をさらに量産し続けました。

メディアが新規記事投入のスピードを重視しすぎると、低品質コンテンツの記事もそれだけ多く出回るようになります。

その最たるものがキュレーションサイトメディアWELQが引き起こした炎上事件です。

キュレーションサイトメディアは、検索ボリュームが多いキーワードをもとに、このキーワードとこのキーワードを使って記事を書いてくださいと、各ライターへ細かく指示を出していました。

そんな中、検索ボリュームの多かった「肩こり 幽霊」というキーワードを使って記事作成を行うよう、外部ライターへ指示を出したのがWELQ騒動の発端です。

「肩こりは幽霊が原因のことも?」という記事はたちまち炎上し、このことがきっかけでWELQは2016年12月、サイト閉鎖へ追い込まれます。

そして、画像やテキストの無断転載、安易な模倣コンテンツ、社会的影響を鑑みない無責任なコンテンツなど、WELQ同様の体質を持っていた他のキュレーションサイトメディアも、その後、次々と閉鎖に追い込まれました。

これらの背景の中で、Googleが2017年12月に行ったコアアップデートが「医療健康アップデート」です。

このアップデートでは、医療健康に関するE-A-T(Expertise/Authoritativeness/Trustworthiness:専門性・権威性・信頼性)が特に重視されました。

これにより、特に大きな影響を受けたのは個人アフィリエイターです。

医療健康ジャンルは、高額報酬の案件が多く、このジャンルに参入するアフィリエイターが跡を絶ちませんでした。

ところが、「医療健康アップデート」によって、個人アフィリエイターの記事は大きく順位を下げられたり、圏外へ飛ばされたりしました。

それ以降、医療健康ジャンルにおける検索結果で個人アフィリエイターの記事を見かけることはほとんどありません。

どれだけ優れたコンテンツであっても、Googleのアルゴリズムによって上位表示が不可能になってしまったのです。

ここからは推測の域を出ませんが、Googleの現行システムではE-A-Tを自動的に判断する能力がほぼありません。

そこで、信頼性が高いと思われるサイト(●●医療センター、●●病院など)を手入力でデータベース化し、それらのサイトについてはドメインオーソリティ(に類するもの)に大きく加点をつける、もしくは、それらのサイトから被リンクも得ていないサイトのドメインオーソリティ(に類するもの)に関して大きく減点するといった方法を採用しているのではないかと思われます。

2018年以降のアプデとYMYL


医療健康ジャンルの検索順位は、2018年に入ってからも激しく変動していました。

私がSNS(ツイッター)を始めたのは2018年末でしたが、その当時でも、「検索順位が大きく下げられた」「アクセスがほとんどなくなった」「収益が発生しなくなった」といった悲鳴ツイートを多く見かけました。

私は雑記ブログのアドセンサーだったため、当時は特に影響を受けませんでしたが、唯一アフィリエイト収入を生み出していた花粉症関連記事は、2019年3月のコアアップデートで上位から圏外へ飛ばされました。

私と検索順位を競っていたブロガーさんの記事も、私と同時に圏外へ飛ばされていました。

慌ててリライトしましたが、圏外へ飛ばされた記事は、二度と上位へ戻ることはありませんでした。

「医療健康アップデート」以降、GoogleはE-A-Tの適用範囲を、他のジャンルにも広げていきます。

2018年から2019年にかけてのコアアップデートで特に影響を受けたのはYMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれるジャンルです。

具体的には、医療健康ジャンルに加え、財産、法律、身の安全に関するジャンルなどがこれにあたります。

推し進められるドメインパワー重視


E-A-Tの重視と並び、Googleが推し進めたのはドメインパワー重視です。

私がそれに気づいたのは、2019年6月コアアップデートの時です。

このコアアップデートにより、私のサイトへのアクセスは急増(その後の数ヶ月で月間PVが約30万増)しましたが、こんな増え方は通常ありえません。

当時、記事公開の数分後には、検索結果で1~3位になることが頻発していました。その時点では、記事へのアクセスはゼロかほぼゼロに近い状態でしょうし、順位付けが明らかに不自然です。

これも推測ですが、Googleは「ドメインパワーが強いサイトは記事の信頼性が高い」と考え、ドメインパワー重視に大きく舵を切ったと考えられます。

行き過ぎたドメインパワー偏重は改められ、私のサイトはその後、コアアップデートの度にアクセスを減らす結果となりましたが、Googleが現在もドメインパワーを重視しているのは間違いありません。

ここで問題となるのは、ブログ後発組にとって極めて不利な状況が生まれてしまったことです。

それまでは、ページオーソリティ(に類するもの)が重視され、ドメインオーソリティ(に類するもの)が低い状態であっても、ページ単位でランキング上位を取ることが可能でした。

例えば、あなたのサイトのドメインオーソリティ(に類するもの)が10で、ページオーソリティ(に類するもの)は30の記事があったとします。

競合相手の記事は、ドメインオーソリティ(に類するもの)が20、ページオーソリティ(に類するもの)が20だとします。

かつてはページオーソリティ(に類するもの)が重視されていたため、上記の例で言えば、競合相手よりあなたの記事の方が検索順位は高くなります。

ところが、ドメインオーソリティ(に類するもの)が偏重されると、記事内容の良し悪しに関係なく、競合相手の検索順位の方が上になってしまいます。

つまり、どれだけ優れた記事を書いてもドメインパワーが弱ければ検索結果の上位に表示されることがなく、その結果、ドメインパワーも上がらないという負のループに入ってしまうのです。

なお、実際のGoogleのアルゴリズムでは様々な要素を加味しているため、単にドメインオーソリティ(に類するもの)とページオーソリティ(に類するもの)だけで記事をランキングしているわけではありません。

2020年5月アプデと雑記ブログの終焉


2018年・2019年以降も、GoogleはE-A-Tを重視するジャンルを広げていきました。

そのクライマックスとも言えるのが、2020年5月のコアアップデートです。

ここで示されたものは、公式サイトと大手サイトを検索順位で特に優遇するというGoogleの方針でした(と思われます)。

通常、コアアップデートが実施される時は、「順位が上がった」というブロガーの声と「順位が下がった」というブロガーの声は拮抗します。

アルゴリズムの変更が、ある人たちには有利に働き、ある人たちには不利に働くためです。

しかし、2020年5月のコアアップデートでは、「順位が上がった」という声がほぼ皆無でした。

それまで私は「雑記ブログはアプデに強い」と言い続けていましたが、このコアアップデートによって私のサイトのPVは4割減。いまだかつてない大規模被弾を経験し、雑記ブログはアプデに強い説が見事に崩れました。

検索結果の上位には、公式サイト、楽天市場やアマゾンなどの通販ページ、その他大手サイトがずらりと並び、個人ブロガーのサイトが軒並み順位を落としました。

中には、ほとんど日記のような内容のamebloまで検索結果の上位に上がっていました。

これが意味することは、個人ブロガーの記事よりもドメインパワーの強い大手を信用し、検索結果で優先的に上位表示するというGoogleの意思です。

Googleのこの方針により、収益化を目指す雑記ブログは、ほぼ終焉を迎えたと言えます。

私もこれを機に雑記のメインサイトを解体し、ジャンルごとに細分化した別サイトとして立て直しを図るしかなく、それと同時に、アフィリエイトに力を入れるようになりました。

2022年のアプデとE-E-A-T


2020年5月から2022年まで、コアアップデートの影響はいずれも狭い範囲にとどまっています。

SNS上でもほとんど話題になっていないことから、コアアップデートが行われても、個人のブログサイトの検索順位はあまり変わっていないのだと思います。

個人的に注目したコアアップデートは、2022年12月にグローバル展開された「へルプフルコンテンツアップデート」です。

このコアアップデートの目的は、人の役に立たないコンテンツの評価を下げることにありました。

近年の問題の一つは、AI技術の進化により、人の手によって書かれたものではないコンテンツが増大していること。

Googleが「人による、人のための情報」を強調しているのは、AIによるコンテンツ生成は断固として認めないという強い意思の表れだと思われます。

Google品質評価ガイドライン」にも、E-A-Tにもう一つのEを加えたE-E-A-T(ダブル・イー・エー・ティー:Experience, Expertise, Authoritativeness and Trust)がPage Quality Ratingにおいて重要であると記されました(2022年12月更新版)。

これは、オリジナリティのある情報を高く評価するというGoogleの指針です。

ヘルプフルコンテンツアップデートにおけるもう一つの注目点は、ドメインパワー偏重の部分修正でしょう。

これまでGoogleが推し進めてきたドメイン重視の姿勢は、負の側面も生み出してきました。

例えば、サブディレクトリ貸しの問題です。

Example.com というURLサイトのドメインパワーが非常に高いとします。

そうすると、 Example.com/xxxxxxxx というサブディレクトリに新設したサイトの記事も、Example.com のドメインパワーの恩恵によって上位表示されやすくなります。

そこで、 自サイトのサブディレクトリを活用して収益を得たいと考えるドメイン所有者と、お金を払ってでもそのサブディレクトリを活用し、ランキング評価を上げたいというブロガーとの利害が一致することになります。

しかし、こういった行為は、Googleが掲げるユーザーファーストの精神に反するものです。

このような小手先の手段を排除する目的も、このコアアップデートにあったのではないかと推測しています。

具体的には、サブディレクトリの別サイトが低評価の場合、ドメイン全体の評価も下げるといったアルゴリズム変更です(※推測です)。

これによって、サブディレクトリに作った別サイトに対してもドメイン所有者が責任をもつことが不可欠となり、安易なサブディレクトリ貸しを防ぐ効果が期待できます。

虎の威を借りることでランキング評価を上げようとする方法は、今後ますます通じなくなるのではないでしょうか。

2023年9~11月アプデとドメインパワー偏重


2023年後半、個人ブロガーを直撃する大型アップデートが久々に行われました。

2023年9月下旬に始まった「ヘルプフルコンテンツアップデート」、2023年10月上旬に始まった「スパムアップデート」及び「コアアップデート」、11月上旬に始まった「コアアップデート」及び「レビューアップデート」です。

これだけ矢継ぎ早にアップデートが行われたのは、異例のこと。そこから、Googleの強い危機感が窺えます。

今回の特徴は、Googleが再びドメインパワー(に類するもの)偏重を強めたことと言えます。

これにより、公式サイトや大手サイト優位が改めて鮮明となり、個人ブロガーの多くはPVを大きく減少させる結果になりました。

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