2021/2/8-2/14 全体の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
ここの更新が久々に遅くなりました、お待ち下さっていた皆様、すみません!! いやあ、水星逆行コワイですね!(冗談です、ほんとにもうしわけありません--;)

もとい、水星逆行は本当です。その水星含め水瓶座に5星集合のところに、今週はさらに月がかさなっていって、新月となります。水瓶座に6星、まさに「密」です(!)。私は星占いの記事を書くとき、たいてい手書きでホロスコープを作るのですが、今は水瓶座がぎゅうぎゅうづめで、描きにくいやら見づらいやら、たいへんです。

この配置を見ているとしみじみ、今、多くの人が新しい時代の中で、重層的に折り重なっていつつも全体としてはひとつの方向性を持ったヴィジョンを見つめているのでは、という気がします。なにかこう、パイみたいなのですね。ひとりひとりが見ているのは別の層だったとしても、全体としてはひとつのパイ、みたいなイメージです。どんなだ。

新月は「はじまり」、スタートのタイミングとされます。今回は特に、2020年の年末に起こったグレート・コンジャンクションという「スタート」、そして水瓶座という「変革、革新」の星座という意味合いでの「スタート」など、重層的に(これまた重層的に)、「はじまり、幕開け、切り替え」のような動きが指し示されています。新しい価値観を、論理的な議論のもとに選択していくこと。社会のしくみを、新たな形で捉え直し、構築していくこと。人間が集団をつくり、よりそいあいながら、よりひとりひとりが自由に生きられるシステムを考えていくこと。そうしたことへの関心が高まるだけでなく、具体的な行動を起こそう、過去と未来の「ちがい」を生み出そうという空気を感じます。

何重にも示された「スタート」の条件のなかに、水星逆行という「過去に遡るような動き」が含まれているのも、とてもおもしろいなと思います。「前を向こう!」「未来に向かおう!」というのはたしかに「未来志向的」なのですが、不可逆な変革は必ず、過去への反省や内省が土台となります。ただ「前へ!」ではなく、「後ろを振り返りつつ、前に進む」「自己や過去を省みつつ、新しい方向に踏み出す」という流れが、ここに示されている気がするのです。

一見、非常に古くさく見えることが浮上したとき、「それがもはや、こんなにも古くさく見えるのだ!」という驚きが生じます。かつては当たり前だったことが、いまはそうではない、ということを、そこで確かめられるわけです。「自分が向かうべき方向」は、「自分が向かうべきではない方向」が分かっていなければ、確認できません。「向かうべきでない方向」によって「向かうべき方向」が定義される場合も、珍しくないのだと思います。

牡牛座の火星と天王星は引き続き、水瓶座の星々にスクエアというアスペクト、そして金星という仲介者を通してコンタクトを続けています。水瓶座はどちらかと言えば「観念、論理」の世界ですが、牡牛座は「感覚、現実」を扱う世界です。「リクツではわかっても、気持ちがついてこない」という状況を変えていく動きも、ここに示されていると思います。

迫り来る「新しい時代」に対しては、嫌悪感や拒否感を感じる人々も少なくないものです。あたらしいものになじめない、古いものへの愛着を大事にし続ける人々は、いつでも一定以上います。ただ、もっと長い目で見ると、たとえばいま、和式トイレがかなり少なくなってきているように、「新しいこと」はいつのまにか「当たり前」へと置き換えられていくものなのだと思うのです。

牡牛座という「感覚、現実」の世界に、水瓶座の新しい観念が溶け合おうとしているのは、大変おもしろいことです。かつて「それは論理的に間違っている」「こちらの新しいもののほうが、合理的である」などとしか批判できなかったことが、しだいに「それは常識に反する」「それは生理的に受け付けない」というふうに、根を下ろしていくのです。今の水瓶座-牡牛座の強いコンタクトは、そんな流れを感じさせる形だなと思います。

今週はそんな感じです。